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片割れ chap.12 #9









______C.side______






僕は今、





どこに立っているんだろう。










「チャンミン……ごめんなっ…、、」


マネヒョンがさっきから僕のために一頻り謝ってむせび泣いてくれてる。マネヒョンは何も悪くないのに。


「俺が……俺は本当……何も…っ、分かってやれなくて……チャンミンを一人で苦しめたな……、、」

「そんなこと、ないですよ…」

「…っ、お前って奴は本当に…っ、」


ユノを諦められない僕が悪いのに。
僕の想いがこんなにも周りの大切な人達を悩ませ怒らせ泣かせてしまう。きっと僕が未熟だから。


「……マネヒョンはいつも……」


僕たちのことでもう誰も苦しまないで。


人の痛みが分かる、大人に早くなりたい。


「僕たちのことを一番に考えてくれていて…僕たちのこともお互いのためだと思って尽力してくれたんですよね……こんな格好いいマネヒョン、滅多にいません。自慢のマネージャーです」


幻想は所詮幻想で、捨てなければいけない。
ユノとはもう戻れない。認めなければいけない。
果てしない闇の中だとしても。


「俺のことなんかに気を使うな!もっと自分を労って…っ、俺は結局何もしてやれない木偶の坊なんだから怨み言でも悪態でも…何でも吐き出せ!頼むから…!これ以上自分を追い詰めるなっ」


大丈夫。思い出さえあれば立ってられる。
立ってさえいれば夢をみれる。
ユノ“ヒョン”とTOHOSINKIを続けていける。

ただ闇のおかげで、


「木偶の坊なんて…。僕はマネヒョンを頼りにしてます。だから頼んだじゃないですか。僕の言動がおかしい時は今みたいに教えて下さい、助かりました。自分じゃもう分かんないんです、本当に」

「チャンミン…!」










逆さに立ってるのか
真横に立ってるのか
正常に立ってるのか、
どこにどう立ってるのか、分からないけれど。

















「何してんの…?」





「!ユノ…っ、」

「ユノヒョン……」


声のした扉を振り向くとユノヒョンがこちらを覗きこみながら中へ入ってくるところだった。迷いなく僕に近付いてくる。僕は距離感が掴めなくて後退り。それなのに構わず手を取られて動けない。


「チャンミナ、大丈夫か?体調悪いだろ?今日はもう食べに行かずにすぐ宿舎に帰ろう?」

「や、でも、鍋…」

「また明日にでも行けばいいだろ。マネヒョン、今日は帰ろう。支度頼む」


無遠慮に僕の顔へ触れてくる掌を避けようと横に向いても追ってくる。掴まれて引き戻された目の前に心配そうなユノヒョンの鋭い瞳。頬にユノヒョンの体温。手首にユノヒョンの力強さ。睫毛がユノヒョンの指先に当たってしなる。近い。感じる。ユノそのもの。恋しくて。


「っ、マネヒョン!」


恋しくて。


認めなければいけない。
もう終わったことなんだ。


「こっちの、日本の宿舎もユノヒョンと別々にしてもらえませんかっ」

 


血の涙が溢れても闇ならどうせ分からない。




「はあ…?なんで。そんな必要ないだろ」


苦虫を噛み潰したような顔のまま僕を見つめるマネヒョンより先に、ユノヒョンが少し怒って問い返してきた。いや、本気で苛立ったのを抑えて対応した。そんな感じ。そういうエネルギーの流れが僕には見えて、ますます怯みそうになるのを堪える。


「…、、必要あるでしょ。何がどうあれ僕たち付き合ってたんですよ。別れても同じ宿舎にいたら、お互いの情に流されてすぐヤっちゃいますって。そんな微妙な関係、ユノヒョンも嫌でしょう?」

「…………、は、あ…っ?」


ユノヒョンにそうならない自信があると言われても、僕は自信ない。そういう目で見ないと誓われても、僕は誓えない。ユノヒョンが正しい幸せへと向かう時、僕は絶対誘惑する。行かないでと縋りついてしまう。
身体だけでも繋ぎ直せないか。もう一度、もう一度。その内また求める。一瞬だけ。この時間だけ。一日だけ。時間までも。心までも。幸福までも。不甲斐ない僕はまた繋ぎ止めようとするから。全部水の泡になる。


「な…何言ってんの、お前……俺たち男同士だぞ…っ」

「、、、え…?」







初めは聞き間違えかなって、






思ったほど。




次に芝居かとも思った。


まともに見捉えたユノヒョンは目線を逸らして狼狽えながら、でもはっきり言った。捕らわれてた手も頬も顎もすでに自由になってる。


「ヤるなんてできるわけないだろ。それにチャンドリは大事なメンバーで弟なんだから、今までもこれからもそんな事絶対俺はしない」

「……は、」



思い出だけそっと。





二人の奥深い所で大事に





大事に持って……あれば立て…








「そもそも好きになったことも付き合ったこともないだろ?俺たちソッチじゃないんだから。ずっと本当の兄弟みたいに暮らしてきたのに、今さら心配する意味が分からない」

「…………」


闇は闇でも











白い闇だった





真っ白い、白紙の闇





二人の思い出はどこ?見えない。
ユノがいなければ僕もいない。
誰もいない空っぽの思い出。




「ユ……、…ユノ…?俺は、、そういう仕返しみたいなこと言う奴は好きじゃない…っ。お前らしくない、どうした…?なあ?」

「マネヒョンは黙ってて。チャンミナはモテるし年頃だし、韓国ではプライベートな時間を楽しみたいのは分かるけど。でも日本にいる時は目標に向かって無駄は省けよ。俺と別居するのは賛成できない。ヒョンは許可できない」



どうしよう














立てない






















______Y.side______






突然チャンミンが俺の見た夢そのままを言うから心臓が飛び出るくらいビックリした。俺がチャンミンを好きになってチャンミンがそれを許して……あんなとんでもない内容を俺はもしかしたら寝ぼけてる間にでも誰かに、もしくはチャンミン本人に喋ってしまったんだろうか。だから不安がってるのかもしれない。


ナンデモシテアゲタイ


この妙な感情は違う。現実じゃない。
俺がしっかりしなくちゃいけない。
日本でも別々に暮らすのは逆にチャンミンの不安を煽るだけだ。今のギクシャクした距離も解消されない。


「チャンミナ、宿舎に帰ろう」


そう思い直して、ぼおーっと焦点の合ってないチャンミンの肩を揺すりながらなるべく笑顔で話し掛けた。マネヒョンには聞こえないように。人前で堂々とは、やっぱり男同士だし照れくさい。


「お前がイヤならさ、やっぱりキスも止めよう?な?」

「……キ…?」

「『二人で前を向いて歩いていける方法』。済洲島で昔、二人で決めたろ?」


そういえば何年もしてない決意表明のような男同士のキス。何でだっけ。確か。。
もう決心はできたから必要ないってチャンミンに言われてからか。懐かしい。
そして俺と同じこと呟くチャンミンにホッとした。


「…ぁ……懐かしぃ………ところで最後のキスは…いつでしたっけ……」

「えーと、、、うーん、、忘れたっ!あははっ」

「覚えてない…です……?」

「あ!二人で初めてステージに立てた時?か?」

「……」

「もうわざわざあんな事しなくても、俺たちはしっかりした信頼関係があるんだから。これからもヒョンを信じて、ついてきて、チャンミナ」

「はい……」

「マネヒョンより俺に頼れ。絶対守るから」

「はい……」

「これからも一緒に住むよな?」

「はい……」

「良かった」

「はい……」


良かった。
チャンミンの素直さに自然と笑みが漏れた。






良かった。



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コメント

  • 2018/02/16 (Fri) 22:28
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  • 2018/02/17 (Sat) 00:31
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  • 2018/02/18 (Sun) 19:49

    りょうさん!片割れ再開嬉しい❤️
    チャンミンの誕生日にちょうど読ませてもらいました、あの可愛さで30歳!セルカにやられました♪
    応援してます、ありがとう、これからが楽しみです☆

  • 2018/02/19 (Mon) 22:50

    りょうさん、片割れ再開待ち遠しくてたまらなかったです!つらすぎる展開が早く終わってほしいです。リアルな二人を見ていると、ユノさんは可愛いすぎるし、(兵役後特に)私はガチミンホ派ですが、りょうさんの描く理屈っぽいチャンミン、大好きです。
    これからの転換楽しみにしてます。どうかハッピーエンドでお願いします!

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