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【前編】貴方の居場所。(貴方のために。2)

50000拍手
mi※mi※yuu様へ




(注意書)こちらは「貴方のために。」の続編です。カテゴリー[しょーとしょーとすとーりー]にございますので、宜しかったらそちらを先にお読みになってからお楽しみ下さい♪


 












______C.side______









尊敬してるし、








大好きなんだよ










「チャンミン」



僕を呼ぶ、声



「だから…待ってって……」

「いや、観てみろよ♪俺こういうのけっこう好きだな。ぉ…お前は?どういうのが好きなんだっけ、何か欲しいなあ、とか、ないの?」



僕の腕を引き寄せる、その強引な手の力強さ



「ちょ、ま……。。。」

「チャンミナチャンミナっ、これこれ、このネックレスとかは?」



何年経っても変わらない

探求心そのものが覗きこんできたかのような
キラキラ笑顔


夢追う少年



「チャンミナって」

「ちょ、あ、邪魔邪魔邪魔っ!」

「あー!!ほら、お前が観ないからCM終わっちゃったじゃんかぁ~」

「……。💢」









だけど昔からずっと一緒に居るものだから…














「ちょっといい加減にしてよ!!!」





ときどき、そうじゃないと思ったりもするんだ。





「ぇ……」


感情のまま叫んでしまった僕とは対称的に、何を叱られているのか分からない子供のようにきょとんとした瞳で原因を求めるユノ。
まるでこっちが悪いみたいに思えてくる。
いや、違う。そうじゃない。
邪魔したのはユノで、悪いのはユノだ。


「皆で協力プレイして対戦するゲームなんだから、ちょっと待ってってさっきからずっと言ってるじゃん!何で分かんない!?」

「はあ?何だよ、お前」

「めっちゃ課金してるんだって!このゲームに。僕が司令塔だから今抜けられないの!チーム戦だから!」

「何だよいいだろ、ちょっとくらい観れるだろっ」

「ちょっとじゃないっ。何回も何回も。気が散る!だいたいさっきから何なの?買い物の相談か!?」

「…。まあ?」


どっと溜め息が出る。

ソファーでスマホのゲームに集中していると、ユノがふらっと隣に座ってきてテレビを観始めた。と、思ったら
いちいち意味もない事を聞いてきた。
ユノはネックレスにしてもピアスにしても自分なりの意味を持たせて身に付ける。僕があれこれ口出す必要なんてない。それに外出がてら頼んだ物でさえ、僕の言ったことを忘れて全く違うものを買ってくるんだから言うだけ無駄だ。


「ユノはユノの気に入ったものを買ったらいいじゃない。ユノなら本当、何でも似合うよ?」

「、あはっ♪ありがとう。チャンミナも何だって似合うよ♪」

「…どうも」


褒められて、悪い気がしないのは。嬉しいってことで。
ユノなら誰にでもそう吐くであろうこんなセリフにさえ赤くなる自分の耳をどうにか隠したい。


「、ってことで僕はゲームの続き…」

「そうだ!友達夫婦がブランド立ち上げたんだった!スゴいお似合いで、いい奴らなんだよ。どうかな、今もうまくいってるのかなぁ。まあいってるだろうな、あいつらなら♪」

「…」


だけど途端に僕から興味を別へ移すユノに今度はぽっかり寂しさを感じる。

見て欲しくないけど見て欲しい。
自由にさせて欲しいけど自由にさせないで欲しい。
尊敬してるけど盲信したくない。
大好きだけどダイキライ。



この矛盾の正体を、僕は僕なりにもう知っている。



「最近はその友達夫妻にはお会いしてないの?」

「…そう!それで。それでさ、その店で何か…アクセサリーでもひとつ買いたいなって思ってて」

「へえ…いいじゃないですか。どういうのがあるの?」


ユノはとにかく買い物がしたいらしい。そして相談するなんてお互い滅多にしないし、うん。


「待ってな?今サイト見るから」


意気揚々とスマホの画面を操作するユノの隣で、僕のスマホは『LOSE』の文字を浮かび上がらせた。ので、ぽいっとソファーの縁に投げた。
だってこれからゲームより楽しいこと、静かな幸福を楽しもうと思って。このユノだもの。間違いない。


「え、と……あれ…、…」

「ユノ?」


口を右手で覆ってくぐもる上に、形のいい綺麗な鼻先が乗っかってる。整形を疑われたほどの成長美。
ユノは確実に格好良くなった。本当に格好いい。

繊細な横顔を横目いっぱい眺めて、ユノのスマホへ目を落とすと。……何だろう、おどろおどろしいドクロのトップ画面が僕たちを威嚇していた。『KILL』とか『FUCK』とか、、蛍光色が光って……何とも言えない。


「……なんか、…ヘビメタ?みたいな感じっすね……。でもデザイン変わってたりするの、ユノ好きだから。欲しいのありそうじゃない?」

「うーん、、」


ユノがさくさくタップとスクロールをしていくと、まあ何ともいかにもなピンクの蛇柄ぴっちりパンツ(スパッツ…?)とかまあまあ着れそうな(それでもいかついビジューの入った)皮ジャンとか。どうやって着るのか僕にも分からない服(か…?)の宣材写真が並ぶ。グッズやアクセサリーのギャラリーもすぐにやってきて、言わずもがなの重厚な世界。彫刻品を胸に着けるくらいの気合いがいりそうな鉛のネックレス…とか。もはや鉄拳を繰り出すための喧嘩道具のようなリング…とか。ブレスレットは太い針が外側に向けて駆け巡っていて凶器としか言いようがない。


「チャンミナ、こういうの……あんまり趣味じゃないよな…?」

「僕はぁ。。控えめだけどセンスあるって感じが好きだから全く理解できないジャンルだけど……、まあ。ユノなら箔がつく感じかも…?」


僕はシンプルで使い勝手の良いものが好き。そういうものに愛着が沸くし、長くも使えるから。

しっかしこのクレイジーとも表現できるブランドのどれかをユノが身に纏うのか、と想像すると。
実際自然に。爆笑が咲いた。ユノはやっぱり面白い。


「……。ぶっ。くくく…っ、、あっはっはっは!ユノ凄いねっ。何買ってくるか、楽しみにしてる!買ってきたら絶対見せてよ!ぶふふふふふふふ♪」

「あはははは!あ~、はあー、これは、」


僕につられて短く大笑いしたユノは一呼吸ついた後、




「さくせん、しっぱい」




甘く優しく呟いて、どこか寂しそうに微笑んだ。


「………」


僕の一番苦手なユノの表情。胸がぎゅぅっと締め付けられる。僕はきっと間違った、何かを。
ユノは何があっても笑うから。人に気を使ってる時ほど何が何でも笑うから。ユノにこんな顔させた自分が情けなくて、僕はいつも未熟。足りない。挽回したい。


「さ、さくせんって何……?」

「にゃはは~♪ひーみつぅー♪」

「あ…今一緒に決めたかった?んだよね?いいですよ、僕もユノに似合うの一緒に選びたいな」

「んー、でもやっぱりもうちょっと考えてみるわ。ありがとな、チャンミナ」

「っ。えー、いいじゃんいいじゃん。どうせ暇だし。ね?一緒に見ようよ」


ゲームのことなんてすっかり棚にあげてしまって。次は僕が子供のようにせがんでしまって。そしてそんな僕をあやすように頬を両手で包んできたユノ。


「俺が“やりたいこと”を強制しても、意味ないよな?」

「違うって。ほんとに…」


そんな事言いながら左右を固めて唇を寄せてくる。逃げ道なんてない。逃げたくなんてないから、丁度いい。

「ん、…、」

触れた瞬間未だにぴりっと緊張する、キス。甘い痺れ。息は止まって。でも苦しいのは実体のない感情で胸がいっぱいに埋まるせい。そして目を合わせたユノの言葉は、どこまでも落ち着いていて、優しかった。


「楽しみにしとけよ。な?」

「……何が」

「いいから。楽しみにしてて」

「もう……はいはいはいはい!楽しみにしとくって!」

「よし♪」


頭をこれまた優しく撫でつけられる。

優しいのもいいけど、優しくするな。
縛られたくないけど、縛れ。
支配されたくないけど、支配しろ。


「じゃあそろそろ寝るか~」

「…そうっすね。眠い~」


愛してるから愛を見せて。
誰にでも見せる愛じゃなく、他の誰にも見せない
底知れない愛を見せて。でもたまにでいい。
貴方は色々忙しい人だから。


「あ、そうだ。俺ちょっとドンへに電話するわ、着信あったんだった。先寝てな?」

「はーい」


愛なんて実体は存在しないのに。目には見えないのに比べたい。僕は特別だよね?必要だよね?って。
なんて幼稚で浅はかな。





これが矛盾の正体。













つまりはまあ、ユノは皆を深く愛してるからさ。

僕の負けず嫌いが煽られて、ときどきちょっと。
ちょっとだけユノの一番でいたいって、
思っちゃうってだけのハナシ。


「お疲れ様でした、また宜しくお願いします」

「お疲れ様でした、ありがとうございました」


ある日の夕方、明洞のホテルでインタビューを済ませて1日のスケジュールが終わった。また誰かと電話しだしたユノを置いて先に帰り支度を済ませ、一階のカフェでマネヒョンと珈琲を味わってた。


「おめでとうございます!!!」


突然、ロビーの方から祝福の声と十何人かの拍手が聴こえてきて、何事かと首を伸ばして確認してみる。

輪の中心には男女のカップル。可愛らしい顔の女性は泣き笑いで周りにお辞儀してる。男性は少し貫禄のある体躯で誇らしげ。でも小さな赤い箱を持った手は女性の肩を抱き、とても大事そうに彼女を包んでる。


「なになになになに、何あれ?」

「公開プロポーズじゃないか?ここのホテル、ああいう個人のサプライズも相談に乗ってくれるらしいから」

「ああ~」


納得して改めて見ると、確かに男性が女性の左手薬指に宝石の輝く指輪をはめてあげているところ。


「それでこのまま結婚式の会場見学に行くのもよし、ディナーを楽しむのもよし、泊まれば一生の記念になるしな」

「ほおぉぉぉぉ~~」


マネヒョンの言う通り、この世の幸せを一身に受けたかのような女性の涙で濡れた笑顔はとても綺麗だ。彼女から男性にハグして、「私も愛してるわ」という声が僕のいる席まで届いてまた拍手と祝福の歓声。よくよく見ると、男性もちょっぴり泣いて彼女を見つめてた。
二人だけの世界。


「……いいねぇ。すごく素敵だ…」

「うん、見てるこっちも幸せな気持ちになるよな」


お互い二人しか見えてない。すごく素敵だと思った。
ちょっと羨ましかった。ユノは皆を愛しているから。
僕にとってユノは絶対的な存在だけど、ユノにとってはどうか。僕への気持ちがもし、皆を愛する大勢の中の一人程度のものだとしたら正直悲しい。

どんな道もユノと共に歩んできた。僕の代わりは誰にもできないだろうと自負する反面、本当にそうだろうか?と、強烈な不安に襲われる時がある。僕はその度、自分が作り出したこの妄想と必死で戦う。(こんな事考えてもきりがない。僕は僕だ。ちゃんと必要とされてる。大丈夫。努力し続けろ。自信は後からついてくるはず)って。

愛してるから怖い。
いつまで経っても大好きだから、怖い。


「悪い。マネヒョン、チャンミナ、お待たせ」

「よーし。ユノもきた。じゃあ、事務所戻るかーっ」

「マネヒョン。俺、今日このままアガリでいい?仲間と晩ご飯食べる予定だったけどその前に急用ができた」

「ふーん、いいよ。送迎は?」

「いらない。そこでタクシー拾って行く」


ホテルのエントランス脇に常時待機するタクシーの列がガラス張りの壁越しに見えた。


「分かった、じゃあ気を付けて。ユノ、また明日な」

「おう。チャンミナもお疲れ」

「本当疲れた。僕どっか飲みに行くかも」

「そ?分かった。じゃ!」


早足で去って行くユノを目で追えない。ユノは普段通りなのに。僕は無性にいじけてて、でもどうでもいい振りしたくてずっとタクシーの方ばかり見てた。
まもなく一台の黒いタクシーがユノの急ぐ背中を吸い込んで発車した。


「……僕ってワガママ……」

「え?チャンミンはワガママなんかじゃないだろ。むしろユノの方が問題だぞ、ははっ」


マネヒョンのこの一笑いに僕は同調できない。
だって本当のことだもの。無償の愛が究極の愛し方というのなら、僕はあまりにも未熟過ぎる。
とんでもないワガママ野郎だ。


「僕の“して欲しい”ことなんて、強制してできるものじゃないのに……」



あれ……



どこかで聞いたセリフ……
























______Y.side______









感謝して、








愛してるんだ













コレだ!!!と思ったら、いてもたってもいられない。


「ユノ、こういうのはどう?」


いきなり来店したにも関わらず、旧友は驚きながらも休憩室へ案内してくれた。以前はなかったタトゥーで覆われた腕をぱんぱんに張らせながら、店内から何度か往復して重そうな商品ケースを運んでくれる姿はやっぱ相変わらずのいい奴だな、と懐かしい風も運んできた。


「うーん。もうちょっとシンプルな感じのってある?こう…ほんと普通だけどセンスある!みたいなさ、」

「うちはハード系が売りなんですけど!?そんなのねーよ!涙」

「でもここで買いたいんだよ。この前、お前ら夫婦のことを思い出してさ。チャンミンにはやっぱり二人が作ったやつをプレゼントしたいんだよな。ほら、お前らすごい仲いいオシドリ夫婦だから、その、験担ぎ…?みたいに。できたら二人の幸福にあやかりたいなあ、なんて…だははーはーはーっ!!」

「あはははは!いいだろう!?うちは年中ラブラブだからな♡♡♡」


胸の内にあった気持ちを言葉にするとなんとも幼稚な理由になってしまって、照れくささから笑って誤魔化すと倍の笑いで自慢された。
愛に対する絶対的な自信。その姿が眩しいと同時に、ちょっと悔しい。ウチだって負けてないから。
チャンミンのためにもここは譲れない。


「何か他のデザインとかないか?」

「うーん。そう言われてもさ……」

「とにかくあるやつは全部見てみたいんだけど。販売予定のやつとか、在庫ないやつはカタログでもいい」

「……ったく、しょーがねーなぁ。じゃあ。売り物じゃない、試作品とかだだの趣味で作ったやつが近くの工房に置いてあるんだけど。一応見てみる?」

「おお、見る見る!今すぐ連れてってくれ!」

「ぶっ!今日はまだ営業中だから無理っ。悪いけどまた定休日にでも改めてくれよ。ったく。いきなり来て全部出せだのすぐ連れてけだの、ちょっとは落ち着けよ。それじゃただのガキだぞ、ガキっ!笑」

「…だってさ、」


やりたいことは全力でやってきた。

やらない選択肢は俺にはないから。頭の中は夢と希望と友情とアイデアでいっぱいで、俺のほとんどはそれらに費やしてる。グループのことなのに俺は勝手に決めることが多いし、オフも仲間を集めて昼でも夜でもとことん遊びに行く。うまくいくこともあれば失敗することもある。とにかくこれと決めたらやってみる。失敗は次の糧だと思ってるからあまりカウントしたことないけど、もしかしたら失敗してる方が多いかもしれない。それは他人からすれば、効率の悪い生き方なのかもしれない。
でもチャンミンは何も言わない。きっと言いたい事も考えてる事もあるだろうに。

いつもふと。隣に居てくれて。
ただ一言、『どうぞ好きにして』と、


「……チャンミンに喜んでもらいたいんだ。当たり前だろ……?」


俺を信じてくれてる。

何があっても『ユノなら大丈夫』って、自分の人生を預けてくれる。授けてくれる。それは計り知れない覚悟でもって、俺に命を懸けてくれているということ。


君って、本当に凄い。
その強さにこっちが離せない。自分のものにしたい。


ずっと俺の隣に居て。俺のものでいて。


「そうか……うん……そうだよな…。よしっ。ちょっと待て、店一旦閉めてくるわ。今から工房に案内するから、一緒に行こう」

「マジか!?ありがとうっ!恩に着る!!」

「俺の華麗なるアトリエと才能光る作品の数々を特別に見せてやろう。あ、間違っても久しぶりに会うカミさんには惚れるなよ。惚れたらコロス」

「あはははははは。素敵な奥さんだけど、俺はチャンミンが一番だと思う。世界中で一番♪」


見えない頂点を押すように人差し指を立てたら思わず鼻歌が出た。それどころか踊り出したいほど気分が良い。
世界で一人。出会えた幸運を改めて実感してしまって。


「お前地球にどれだけの人間がいると思ってるんだよ。何十億人とかだぞ?ふはっ!のろけるねぇ~♪笑」

「断トツだよ。ぶっちぎりの一等賞」












感謝して




愛してるんだ、チャンミナ













君の喜ぶ顔が見たい。






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