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【ホミンホ合同企画ミーアゲ】8月18日のハーモニー、運命の恋人か?なし崩し的彼氏か?~ chap.16~









______Yunho.part______







握り締めた手からうまい具合にすり抜けられて、チャンミンの両手が離れる。その光景がスローモーションで俺に今起きてる事実を突きつけてきた。
気持ち悪い。
世界がぐにゃりと揺らぐ。


「もう帰ろう。とにかく恥ずかしい…」

「、、、」


俺達はもう無理なの?全く?
さすがに愛想つかされた?
何が決定的にいけなかった?

再び目を合わせることもなく立ち上がるなだらかな肩口に、鈍器で殴られたような衝撃を食らって動けない。


「おー、帰れ帰れ。な?チャンミナ。今日で《終わり》になったろ?」

「……うん、ここにはもう来なくていい…。シウォニヒョン!騒がしくしてごめんっ。…毎年、今までも……」

「いいよ、気にするな。ユノさん、割れ物の片付けは私がやりますから。ユノさんも気にしないで下さいね?今日は早く休んで怪我を治して下さい。短い時間でしたが、貴方と話せて良かった」

「……」


二人の軽快な口調で話す会話は『終わり』を意味する内容ばかりで、何か答えなければと思ってもやっと口がパクパク開閉するだけ。声も出ない。心臓が警鐘を叩き鳴らしてる。
音が出るほどの動悸なのに、チャンミンは素知らぬ様子で歩みだした。


待、、って…っ、……待て!!チャンミン!」


それでも待たないチャンミンは離れてく。
俺から。どんどん、どんどん。逃げてゆく。



信じたくない。

絶対捕まえなきゃいけない。


「…っ、これ!また後日受け取りに来ます!」

「、は!?ユノさ…ちょっと!」


会計なんて悠長なものできなくて、シウォンさんにクレジットカードを投げるように渡してチャンミンを追った。親指に巻かれたハンカチは外れて、手に持つ財布は鮮血で汚れた。あとは後ろから二言三言(ふたことみこと)のシウォンさんの呼び声。でもどれも重要ではない。

俺は変われないから。


目的地はいつも君


今は店の外開きの扉を押すその背中。


「チャンミン!家に帰るのか!?」

「そうだって」


ぶっきらぼうな声音が痛い、けど。
でもそれは重要なことじゃない。


俺は変われないんだよ、チャンミン。

最後でも、運命の人だとまだ信じてる。


「っ、じゃあ俺も行きたい!チャンミンの家!」

「……え?、、ユノの家じゃな…」


一歩外へ出た所で振り向いたたチャンミンが支えてる扉を右手で奪って。咄嗟にバックターンしながら、血まみれの左手でチャンミンの肩を抱き込んだ。その感触に渇きが蘇る。


「ュ…ふ…っ、、、……」


店内から「ありがとうございました」と声だけが見送る扉をそっと掌で閉めながら、


「…」

「…」



俺はとっくにチャンミンの唇を味わってた。

















______Changmin.part______







目の覚めるような格好良さだった。初めから。


赤い風船が登りゆく片脇から。回りこむように駆け出してベンチを踏み台に宙高く跳躍した男。
糸を余裕で掴む指先の形、上半身の伸び方、足の曲げ具合。洋服のなびく様(さま)。何の冒険映画から飛び出てきたヒーローなのかと本気で驚くほど、一瞬にして幾多の視線を集める魅力がその人にはあって。


『すごい!!!おにいちゃん!かっこいい!!』


重苦しい被り物の網目越しに、汗だくで憂鬱だった僕も本当に心からそう思った。
はしゃぐ幼児と同じ気持ちで風船を羨んだ。
ただの軽気球がその男の手中に収められることで、誇らしげに伝説の秘宝の如く輝きだした。


華麗。爽快。痛快。
そんな言葉がぴったりの   











「じゃあ俺も行きたい!チャンミンの家!」

「……え?」


予想外の愛情を繰り出してくるユノに嬉しいが過ぎて、とにかく恥ずかしくなって帰りたくなった。とにかく二人きりになりたくて。

いつもはユノの家へ一緒に帰るのに今日は違うの?

僕のマンションは都心にあって、丘にあるユノのお店からは少し遠いし、ユノが僕の正体に気付くまで内緒にしてたものもある。だからユノは来たことない。というか、今までは来たいと言われたこともないけれど…。

「ユノの家じゃなくていいの?」と、
そう言い掛けて言葉を失ったのは。

振り返って見た男が、
あの魅了する力を放っていたから。


気品を纏った歩の進め方と切なげにも強い眼差し、それと似合わぬ今風のラフな軽装はまるで、超大作のラブロマンスに登場するお忍びの王族貴公子。
僕の前で優雅に身を翻し見せた背中は頼もしいナイトのようで、次のステップはプロダンサーのように鮮やか。
気付いたらすでに僕の背後に回ってる胸板と、そこに閉じ込められるように肩へ這わされた太い左腕。
流れるまま首を傾けると同時に、覆い被さってくる熱い唇と。実は奥二重の瞼。


「ュ…ふ…っ、、、……」


ズルいよ、ユノ。

急に可愛くなったり、格好良くなったり。
形振り構わず熱さを放出するこの人に、僕は為すがまま口づけを受けるしかない。押し付けられた唇の離れる様を、名残惜しく見届けるしかない。

その口がゆっくり、確実に。
僕に重低音の呪文をかける。

僕はその通りになってゆく。
ユノが言えばそうなる。


「チャンミン、綺麗。格好いい。可愛くて、チャンミンは美しい。……もう一度、」


きっと誰もが手中に収まる

落ちる

嵌まる

色めく






煌めく




「俺の恋人になって」

    


書いた僕さえ忘れかけていた




「一生懸けて、責任をとる。これからは俺がお前のこと守っていく」




約束通りの


熱をくれるから






体温は芯から温められ、





「恋人に成って。チャンミン」





ただの不出来な芋虫は、


















愛蝶に成る。









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コメント

  • 2018/01/07 (Sun) 22:01
    No title

    【愛は盲目】ね。
    噛み合ってないけど、まあいっか。結果両思いだから。(笑)
    すごい真剣なのに、笑えるくらい真っ直ぐで、うんうん。


    「愛蝶に成る」



    ヨッシャ!

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