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【ホミンホ合同企画ミーアゲ】8月18日のハーモニー、運命の恋人か?なし崩し的彼氏か?~ chap.12~









連絡はできない。
どこに行けばいいかも分からない。
ただ前へ。






守るから












「どこだ…!!」


俺と君の思い出は国立遊園地にしかない。
20時までもう少し。ボアさんには何度連絡してもすでに移動中なんだろう、繋がらなかった。
誕生日に待ちぼうけなんてさせる訳にはいかない。
行き違いを心配して赤い観覧車の前へ向かいながらも目はあちこちへさ迷う。初めて見つけた木陰、ラブレターを渡した広場、告白したスタッフゲートの隅。口説き続けた噴水の前。くまのぬいぐるみをプレゼントしたトンネルの通路。
けどチャンミンはどこにも見えない。


「ユ~ノさん!どこまで行くんですかぁw?」

「え!?」


腕を引かれて振り返れば突然ボアさんが現れた。


「観覧車の前、通り過ぎてますよw。私も時間より早めに来てたので、ユノさんも早めに来てくれて…すごく嬉しいっ」

「俺…、さっきボアさんに何度か電話して…」

「ごめんなさいっ!もしかしたらお店忙しくなっちゃって今日のキャンセルの電話かなって気付いたんですけど……でも誕生日は絶対ユノさんと一緒にいたかったんです」


謝りながら明るい笑顔で抱きついてきたボアさんを両腕で包み込めない。だって違うから。


「ボアさん……」

「ねえ、何から乗ります!?ユノさんは観覧車から乗せてくれようとして、ここを待ち合わせにしたんですよね?すごいロマンチック♪」


場所が違う。
君が俺に手紙をくれたのは観覧車の東側にあるベンチ。西側の観覧車の明るい乗り場じゃない。


「ボアさん、すいません!!!」


賑やかなのにここも寒い。深呼吸して、感じれば感じるほど。押されても求められても、冷気ばかりが這い上がる。
寒くて、寒くて、早く会いたい。


「ずっと探してた人がいるんです。俺はその人をボアさんと勘違いして、大事な誕生日に呼び出してしまいました。本当にすいません。店では皆がボアさんのお祝いパーティーを用意してますので、是非そちらに行ってあげて下さい」

「……ユノさんは?約束したじゃないですか……、酷いですよ、いくら何でも今日そんな事言うなんて……私の誕生日なんですよ?」






チャンミンはどこだ?






「俺は酷い人間です。だから今日こそは、ずっと前からの約束を守りに行ってきます」


ただ前へ。走れ。

ぐるっと回り込んだ観覧車の東側、20時ベンチに座れば、君が約束のメモをくれた場所。


でもチャンミンは、今年も居ない。




























「すいません!シム・チャンミンはいますか!?」

「はい?」

「あの、刑事のシム・チャンミンなんですけどっ、こちらの署の人間じゃないですか!?今すぐ彼に会いたいんです!」

「……えーっと、職員の在籍は非公開ですが。どういったご用件ですか?こちらの夜間受付ではご面会自体の話も聞いとりませんが?何のご相談です?」 

「っ、そうじゃなくて!どうしても個人的に伝えたいことがあって。とにかく刑事ってことしか知らないので、こちらにお邪魔させて頂きました…っ、」

「……個人的なお知り合いなんですか?」

「はい!!すごくお互い知ってる仲です。あ、俺はユノです。チョン・ユノと彼に言って下さればすぐ分かります!」

「……」


とにかく遊園地から一番近い警察署に入った。
必要な場所以外は照明を落とした寂しい事務のカウンター越しに座る中年男性が怪訝な顔つきなまま止まってる。ややあってゆっくり後方を振り返ると、目の合った向こう二人の職員が首を横に振った。(こいつはチャンミンの事を何も知らない)、そんな風に見られているようで余計焦る。


「あの、もしかして…すでに何かしらの処分を受けたんですか?彼は」

「は?」

「だったら俺の話を聴いて下さい!彼は何も悪くないんです!悪いのは俺で…、そう!俺が彼に頼んだんです!俺が受けられる罰は何でも受けますから、どうかシム・チャンミンを元の職場に戻してあげて下さい!」


思いっきり心から頭を下げて。
どうか伝わって欲しい。下げても下げても足りない、凍える気持ちでさらに下げる。


「本当に善い人間です!善良です!」


いつもヘラヘラふざけてて。可愛い子ぶって、カラダ目当て。大嘘つきのヤリチン野郎。

その裏側の本質は、まさに   






「……真面目で、誠実で、人間味があって。信じられないくらいの思いやりがあって…」


情熱と温かさ。

チャンミンに出逢って、優しさの本当の意味を知った。あんな人間、他にいない。












俺のために人生を飛び越えてきてくれた、
心優しき魔性の美青年。





「彼こそ刑事に相応しい人間です!!お願いします!彼に会わせて下さい!!」






約束まで与えてくれて、本当にありがとう。






「あー、ユノさん!すいません、気付かなくて。お久しぶりですね、お元気でした?」

「ぇ……」


見上げると先ほど奥でかぶりを振ってた職員が気さくに駆け寄って来る。すらっとした凛々しい大人の男性。でもその男に見覚えはない。
「大丈夫、知り合いだった」と男は照れ笑いしながら、少し離れた安全対策課のコーナーまで俺を隠すように誘導する。


「あの……どこでお会いさせて頂き…」

「貴方のことは知りませんが、シムは私の後輩です。貴方ね、シムの事を何か知っているようだけど、突然来て処分だとか頼んだとか。変な事言い出すのは止めてくれませんか」

「いやでも!俺のせいで個人情報持ち出して大変なことになってるって聞いて…!」

だから!!そういう内部の話を誰彼構わず出すのは止めて下さいと言ってるんです。下手したらシムの評価が下がる。一職員の事情なんて幹部でもない限り、他の職員はほとんど知りませんよ!

「あ…、すいません……。つい熱くなってしまって……」


声を殺した迫力ある説教へ素直に謝罪した。その叱咤には、チャンミンを庇って俺を知り合いだと通してくれた雰囲気があったから。


「貴方なんでそんな事知ってるんですか?本当にシムのお知り合いなら直接連絡を取って下さい」

「それが連絡先をすべて消してしまって、、分からないんです。でも本当に、付きあ……友達、いや親友というか、、ホントに俺にとって大切な人なんです!俺の店の金が紛失して、結局は勘違いだったんですけど。困ってた時に被害届けを出さずにチャンミンに相談してしまって…あの、、、」


ベラベラ喋るなと目の前の男に注意されたのに、こうして話してしまう自分は墓穴を掘っているんだろうか。そう考え直して男の目を見ると、眼鏡越しの真剣な眼差しと沈黙が返ってきた。言うなれば澄んだ空気の道標。


「俺は……、」


この人は信じられる。口が無意識に声を流す。
俺は運命に導かれてゆく。進んでゆく。繋がれた感触。深い記憶の森の先に探す。体温の在処(ありか)。


「俺はチャンミンにいつも支えてられて助けられてきたのに……なのに俺は何も気付かず過ごして傷付けてばかりで……今日は、だから今日だけは俺から会いに行かなきゃ駄目なんです。約束したんです。8月18日の今日、見つけるって」

「今日、シムと会う約束してたんですか?」

「はい。何年も前からの約束です」

「、」


男はつと息を飲んだ後、諦めたように大きな溜め息を吐いた。


「確かに貴方はシムと何らかのお知り合いなんですね。個人情報の件は条件付きの厳重注意で済みましたので心配なさらないで下さい。でも今日の約束は貴方のことではないでしょう」

「え……っ、、?、」


森の行く手が、霞む。
濁ってまた迷ってしまいそう。


「私はカンタといいます。シムは今日休みをもらってます。彼に謝罪したいのなら伝えておきますのでまた後日改めて下さい。では」

「あの、俺…っ、どうしても今日会いたいんです!本当にいないんですか!?」


滑り落ちそうな糸口を手繰るように、身を翻したカンタさんの手を掴めばさらに大きな溜め息が舞った。


「シムが今日休みを取るために、どれほど働いてきたか知っていますか?自分の仕事でもない雑務を受け持って、体調を崩した仲間のフォローも欠かしてこなかったんです。8月18日、毎年この日だけは必ず休みを取らせて欲しいと直談判して」

「毎年……」


去年の今日、偶然チャンミンに出逢った。
たまたま。居酒屋で。




……たまたま?



「始めはね、皆怒りましたよ。刑事に必ずの休みなんてない、そんなに休みたいなら刑事辞めちまえって。でもね、他の所轄にいた時もそのように毎年許されてきた、この我が儘を聞いてもらうためなら何も厭わないって宣言して。本当何でもやってきたんです、シムは。私も家族が倒れた時、課も違うのに当直を一時期まるごと代わってもらって本当に助かった」

「……」


とてもとても忙しいチャンミン。
滅多に会えない理由の鍵がまた開く。


胸が震えるのは、ただ寒いからじゃなくて。
涙が滲んでくるのは、もはや申し訳ないからじゃないんだよ。


「ある日聞いたんです、8月18日は何の日なんだ?って。何かの記念日か、はたまた誰かの命日か」

「…っ、、…」


声にならないのは、
謎が解けないからじゃない。


底知れない君の愛情に、
ただただ魂が揺さぶられるんだ。


「そしたら耳まで赤くしながら真顔で言ったんです。『本当の僕を初めて見い出してくれた人がいる。その人が必ずまた僕を見つけてくれるから、僕は何があっても約束した場所で待ってなきゃいけない。それは運命なんです』って。運命なんて…あんなイケメンが……ねぇ?意外と可愛いこと信じてる奴なんです。どうか彼の恋路を邪魔しないであげて下さい。せめて今日は」


チャンミンが運命を嘲笑ったのは、俺との運命を強烈に信じてくれてたから。

チャンミンは待ってる。絶対に。
今。どこかで。必ず俺を待ってくれてる。


「もう行きます。ありがとうございました!」

「ユノさん?でしたよね?ホントに今日は止めておいてあげて下さいね?少し古いものですが良かったらノベルティセット差し上げますので。貴方、お子さんか、親戚に小さい子はいますか?」


でも焦らなくていい。
俺ね、何か分かるんだよ。


今日、絶対君に会える

それを感じる。
感じて、こうして目に入れば、自然と笑みが漏れる。手渡された警察庁グッズと便箋セットのデザインに微笑むなんて事したくないけど、漏れるものは仕方ない。

きっともうすぐ、チャンミンに会える。


「俺、これ知ってます……。ポスニちゃん、でしょう?」

「そうですそうです。ポドリポスニって双子の警察公式キャラクターで、お子さんにはけっこう人気なんですよ」

「この着ぐるみ、ありますよね?」


答えは、分かる。


「はい。防犯PRの一環として小学校や遊園地で若い警察研修生たちが被ってイベントしてくれてます」

「あー…研修生……」

「入りたての職員は研修所でまずそういった奉仕活動や訓練を経てから一人前の警官として各々の配属先にいくんです」


森の終点。見えそうで。
嬉しくて。


「すぐそこの遊園地でもそういったイベントありませんでした?」

「もちろん。あそこは国立ですしね。数年前このキャラクターが決まった年は、イベント期間も設けて数週間大々的にPR活動をした記憶があります。いやしかし、よく覚えてますね?確かにそうでした」

「はいw。だってその時ももらったんです。この   、」


苦笑しながら改めて便箋セットを見つめた。あの時もらったメモと、同じレター用紙。白地に右下の隅に極小のポドリポスニスタンプが印字された紙は幼児向けなのか随分サイズが小さい。


「……あれ、、」


半分折りして納める封筒にも右下に同じスタンプ。横書きのそれはカードサイズのメッセージカードと勘違いするほど。


「……。!もらったのは、っ、この封筒だ…!」


あの日もらったのは、今手の中に揃ってるレターセットの封筒、そのサイズそのもの。

俺はこの封筒に書かれてあるメッセージを読んだだけってことなのか?


『明日、この時間。ここに来ます』


約束は20時、観覧車の前のベンチじゃない。



まさか…………、







 




中にまだ他の手紙があった?





「っ、何か…っ、他に手がかりは…!?」


透明な包装袋を破いてしらみ潰しにノベルティの1つ1つを睨んだ。

去年チャンミンに初めて会った時、洗いざらい運命の恋人について話した時。待ち合わせ場所まで喋ったか?待ち合わせ時間は言っただろうか?お互い待ってたのに会えないなんて絶対おかしい。
チャンミンの一声がぽつんと、浮き上がった気泡のように寂しく頭の中で響いた。



『なんで来なかったんですかね……』


あの呟きは……


「っ、ある!絶対何かある…!!」

「ユノさんユノさん、落ち着いてっ。どうされました…?」


何か必ずある。絶対ある。何かの道標がある。狂人のように信じて、あの時の中身を知りたいと願う。強引にでも運命に導かせる。

まだ削れてない鉛筆、折のついてない便箋、まっさらな封筒、揃ったままのシール、『けいさつちょうフェスタ』や『きけんからにげよう』と書かれた数枚の小さな手に合わせられたプリント、『こどもSOSのおみせ』のマップカード、まっさらなポドリポスニの絵合わせカード。























ほらね、また。




運命の導きだよ、チャンミン。











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月曜日、初参戦して参ります!!!
今日夢を見ました。親戚のつてで二人の雑誌撮影にお邪魔してました。気さくに話しかけてくれる二人に、はっ!(ФωФ)として、「明日のライブ行きます!めっちゃ楽しみにしてます!頑張って下さい!」と言ってガッツポーズすると、チャンミンは照れ笑い。ユノさんはすでに他のスタッフさんと話してて聞こえていない。という夢でした。最高に幸せでした!(←夢です。現実はミーグリも外れてます)
ふう~!そして今日もファイティン!東方神起!( ≧∀≦)ノ


mi※mi※yuu様へ
リクエスト、承知致しました!後日、トラシカ号にてアップさせて頂きます♪
最高に甘くてきゅんとして幸せな一夜をmi※mi※yuu様のためだけに考えさせて頂きます。どうか日々頑張っていらっしゃるmi※mi※yuu様の一時の楽しみになりますように。

りょう(ゆのっぽん)

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コメント

  • 2017/11/27 (Mon) 08:59
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