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後悔なんてしない~ユノ編~ chap.2

(注意)BL表現ございます。












好きという感情に

気付いてはなかったけど







ずっと見てたんだよ



チャンミンのこと









雷雨が、オフィスの窓を叩く。
このビルの最上階にある幹部室からでは地上で開く傘など米粒程度にしか分からない。
激しくて荒い激情の涙のような滝水は、どこへ流れついて浄化されるんだろう。


「支店長、書類の最終チェックお願いします」

「お、うん」


適度なクッション性と上質なソフトレザーが自慢のプレジデントチェアを回転させると、天候と同じくらいぷんすか雰囲気のチャンミンが立ってた。

うん、めっちゃ苛立ってる。。汗

試しに顔を傾げて覗き込んでもやはり目は合わせてくれない。


「拗ねるなよー」

「!別に拗ねてませんよ……」

「俺が拗ねたいよ」

「何でですか!?」


なんてやり取りしながら、書類にはきっちり目を通して判を押す。不備があれば、今日わざわざ休日出勤までして契約してきた俺達の苦労が水の泡になる。


「でもチャンミンはなんで拗ねた顔もそんなに可愛いの?」

「ユノさ…!こほんっ!!支店長っ。明日の朝イチで銀行に提出するんですから真面目に確認して下さいよっ」

「もうやったよ。だからちゃんと顔見せて?」

「そうですか。ありがとうございましたっ」


書類を取るだけ取ってさっさと隣のデスクに戻ろうとするチャンミンの腰を掴まえた。


「ちょっと来て」

「…っ」


引き寄せて向かい合わせに俺の上に跨がせると、ぎぃーっと二人分の体重を掛けただけチェアがしなる。このまま背もたれ部分が倒せるやつを発注するべきだったなとスケベ心が湧く俺はかなりオヤジっぽい。
グレーのスラックスに半袖のカッターシャツ、その上には迷惑そうにそっぽを向くのに耳まで赤い愛しい横顔。


「やめて下さい……誰か来たらどうするんですか……」

「またまた~、そういうの燃えるくせにぃ♪」

「もっ、ももも燃えませんよっ!」

「大丈夫だよ。今日は本来夏休みの連休中なんだし。フロアもほとんど出社してないし、他の幹部の奴らなんて海外か韓国にいるよ」


そう言うと、顔を隠しながら俺の首へ腕を回してしがみついてくるチャンミンの適度な体温が心地好い。抱き締めて丸っこい頭を撫でてやりながら、背もたれの反動を使って揺りかごみたいに二人ゆらゆら揺れて遊べば、やっぱりこの椅子最高♪と現金な自分に苦笑せざるを得ない。


「本当…ウザい奴ですいません…っ」

「あはーはーっ!そんなこと1ミリだって思ってないっ。可愛いだけだよ♪」

「……これからも、今日みたいなこと増えるんですかね…」


沈んだ声を晴らしたい。
チャンミンの不安を全て取り除きたい。
チャンミンの涙は、俺が浄化するから。


心配しないで


俺はもう首ったけに惚れてるよ


「あるわけない。あんなの稀だよ、俺もビックリしたわ。笑」


一大プロジェクトの中でも目玉になる土地開発の交渉を進めていた日本企業のCEOに突然呼び出された。予定のない急な申し出に悪い報せかと準備して、補佐役のチャンミンと念のためビジネス会話の通訳社員にも同行してもらって指定されたホテルの少会場に向かうと、そこは厳かで華やかなCEO親族の集まるランチ会だった。


『……お邪魔しま…す…』

『おう来たね、チョン君。君、お昼をまだ食べてないと言ったろう、ここのコースが美味くてね。是非食べて貰おうと思ったんだ。いや~、本当にタイミングが良かった』

『……ああ、なるほど。ありがとうございます…』


ただ勧められたのが、料理だけじゃなかった。


『実はそこにいる私の娘が大層君を気に入ってね。いつもは秘書の手伝いをさせてるんだが、君も何回か会ったことあるだろう?』

『え……』『……チッ』

『あ…でもどうしよ、悩んじゃう♡』

『……チッ』『はい?』


チャンミンを連れてくるべきじゃなかったって、

これだけは後悔した。




「っていうか始めはその流れだったけどな?あの娘さん、チャンミン見た瞬間からお前ばっか見て目が二重ハートくらいになってたからな!?」


見上げたチャンミンはがっくり肩を落として呆れてるけど、本当に気を付けて欲しい。
今のチャンミンは人気も人望も絶大。女にも男にもかなりモテる。とにかくモテる。履いて捨てるほどモテる。社内の視線はいつもチャンミンに集まってる。
本社にいた頃のチャンミンの評判とは雲泥の差だ。


あの頃チャンミンは、
全てを懸けて俺がいる所まできてくれた。



「はあ…、、そんな訳ないじゃないですかぁ~!何言ってるんですかもうっ。ホント節穴なんじゃないですかぁ!?」

「なってたわ!!それでCEOも俺に薦めた手前気まずくなって結局全然話になかった投資物件の契約しただろ!?」

「契約はユノさんの手腕でしょう!?ってか、それでユノさんを懐柔しようとする向こうの魂胆見え見えでしたけど!?」

「何でもする。何でもあげるから」

「ぇ……え?」
 
「ずっと俺だけ見てて…」





これからは、思いっきりこの男を


甘やかしてやりたい





「……」

「こたえてくれないの?」


さらに首を傾げて問い掛けると、チャンミンの眉はありったけに下がってて、結んだ唇は小刻みに震えてる。啜る鼻を手で隠しながら、ようやっと返事を返してくれる。


「すいませ……今でも何か、夢みたいで…っ、、」


この世にこれ以上、自分を捧げたいと思う人間は存在しない。見てるだけで自分の顔から滲む微笑を覚える。


「夢にするなよ。俺はお前のものだって、ちゃんと感じて」


社内でオフィスラブなんて軽蔑してたのに抑えられない。欲が湧く。今なら楊貴妃を愛して国を傾けた玄宗皇帝の気持ちが分かる。
チャンミンになら人生を狂わされても構わない。

首を引き寄せて口づけしながらチャンミンのベルトに手を掛ける。


「ん!?んんぅ…!」


前を緩めてくるりと体勢を反転させながら、俺のチェアに座らせてやる瞬間にスラックスとパンツと靴を一気に脱がせた。もちろん靴下はそのままで♪


「な…っ、っ、何してるんですかっ!」

「え、社内で襲ってもいいって前に…」

「……冗談ですよ、ね…?」

「どう?けっこうこの椅子座り心地いいだろ♪」

「ユノさんっ、話聴いて下さい!?涙」


下半身裸の股関を両手で隠してゆでダコになる補佐役なんて最高♡でしかない。

でもな?俺本当に思ってるんだよ


「気に入ったならやるよ」

「へ?」


何でも捧げる

チャンミンだけに


「この椅子も。支店長のポストも」

「…へ、え???……ぷっ。あはははは!何言ってるんですか本当にっ。笑」

「俺知ってるよ。チャンミンが今までどれだけ頑張ってきたか。お前が支店長になったって誰も文句は言わない」

「…………」

「……前は、ちょっと抜けてるトコもあったけどな?……商談用の資料なくしたり……」 

「、あぁ……。はい……そういう事もありましたね…申し訳なかったです……」


鎌をかけても未だに真実を言わない。


でも知ってるよ

どれだけ卑しめられても
お前が挫けなかったのか


「どう?俺けっこう本気で言ってるんだけど。俺が補佐役に回ってもいいと思ってる」

「いやいや!考えたこともないし考えられませんって!!自分でもよくやってきたなって
、そういう気持ちは正直ありますけど……えっと、それは…支店長の右腕になりたくて。あの、、……っ、、すいません…不純な動機で、、」



言い訳もせず見返りも求めず
一人で踏ん張り続けるチャンミンが


ずっと疑問だった


このコは何が欲しいんだろう?って



「うん、知ってる。だから足開いて…ほら、肘掛けに足引っ掛けな?」

「っ、や!やっぱり社内は……っ。それにここ、支店長の席…っ」

「いいから」


両足を左右の肘掛けに乗せて中心を守ってる両手を外せば笑みが漏れる。
 

「ガチガチに勃ってるな♡やーらしぃー♪いい子発言してたくせに~♪」

「、すいません…っ、だって……。っ、…すいませんっ!」


ごめんねチャンミン

謝るべきは、俺なんだ

チャンミンのあわあわ落ち着かない両手は自らの尻の下で拘束させて、俺は忠誠する心持ちで赤く張った亀頭に唇を寄せた。


俺なんかで良ければ、いくらでも


「あ…!…ん、っ、」

「……チャンミンが俺をどう見てるか知らないけど、俺そんなにいい奴じゃないよ」






許せなかった。



どうしても。






「いい?チャンミンそれでもいいか?幻滅したって言われても、もう離してやれないけど」


竿に這わせる舌からビクビク脈打つ興奮が伝わる。俺が欲しいって、全身で伝えてくれる。

思えばこの情熱に突き動かれてた。
それが恋とは、分からなかっただけで。


「ふぅ…っ、んっ、そんなの、しない…。ぁ、ユノ…がいい……っ」


とてもとても可愛い


俺のチャンミン


「イっちゃいなよ。飲んであげるから…」





ずっと前からね






 

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コメント

  • 2017/07/22 (Sat) 21:04
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