片割れ chap.11 #9









______K .side______






「キュヒョナ!!焼酎!貸して!!」

「は?」

「焼酎貸してっ!」


チャンミニがいつものようにゲームしに俺らの宿舎に来たなと思ったら、奇抜なヘアスタイルでおかしな事叫ぶから、子どものお使いかよって心の中でツッコんだ。


「何、焼酎貸してって。飲むんだろ?ってゆーか、その髪いろんな意味でスゴ…」

「今時間ないから!とにかく焼酎!」

「……」


本当に小さい子みたいに、両手をグーにして一生懸命ショウチュウを繰り返すチャンミニ。


「焼酎っ!僕の部屋まだ焼酎なかった!」

「ぷっ」


こんなチャンミニにさせるのは、一人だけ。


「分ーかったから。新しいやつあるから。ちょっと待って」

「あとお腹減った!何か今すぐぱっと食べれるものない!?」

「……イラッ」


チャンミニの空腹は無視して、少し名残惜しいけど何かあった時の為にと大事に置いてあった高価な大ビンを俺の部屋に戻って探った。


「チャンミン、どうしたの?」

「さあ…何だろね。お客さんでも来るんじゃない?」

「へえ」


同室で漫画を読んでるソンミニヒョンを軽く受け流しながら重い焼酎を玄関まで手厚く!運んで差し出してやった。


「お~りゃ~」

「お!いいやつじゃん、これっ。ありがとう!キュヒョナ、サランヘ!」


ってゆーか下の階にマンションの複合施設としてスーパーマーケットがちゃんと入ってる。
そんな事も慌てて忘れちゃった?チャンミニ

すでにドアを開けて自分の部屋へ戻ろうとするチャンミニに一言だけ声を掛けた。


「ユノヒョンだろ?」


ぴたりと止まってゆっくり振り返るチャンミニに、聞きたいことはたくさんある。


「チャンミニ、そうなんだろ?」

「……」


あっという間の夏だった。

ユノヒョンのカムアウト、仲いい二人。突然別れたとだけ報告されて、何故かそれから事務所内に噂が広がって。
俺たちスジュのメンバーは「誰か二人のことバラした奴がいるのか!?」って喧嘩腰になった時だってある。

俺たちは自由に生活してるけど、スジュにとっても二人は大切な仲間で、二人の関係の重大さはよく分かってた。ユノヒョンがスジュ全員に打ち明けてくれたことで、俺たちのグループは二人に信頼されてるんだからって。偏見とか常識より、俺たちも二人を信頼しようって話しあってた。


「来るんだろ?今から」


だから少しくらい、
聞いたってバチは当たらないだろ?


なのにさ、




「今日僕の部屋来るなよ……来たら、コロス……」


金髪の坊っちゃん刈りの下から耳まで赤く染めて威嚇する親友が面白すぎて、


「だはははははは!!!うわぁ~、こいつ本っ当にウケル!!」

「…っ」


そのままバタンと閉まった玄関に向かって気の済むまで笑い続けた。


「…ひーっ、本当チャンミニ最高だなぁっ」


笑い泣きした目尻を押さえながらキッチンへ向かうと、実家の狎鴎亭から遊びに来てたシウォニヒョンと目があって「ふ~ん」と頷いてる。事の顛末を飲み込んだらしいヒョンはスーパー御曹司なだけじゃなく頭の回転も超早い。


「何?ユノが来るって?一緒に飲むのかな、久しぶりに」

「くくっ…そうみたいっすねっ」

「なーんだ。チャンミン慰めてあげようと思ってわざわざ来たのになー」

「あはははは!止めた方がいいっすよ、行ったら殺されるっ」


また馬鹿笑いが増して、冷蔵庫から俺の名前を書いた(でないと共同生活では誰かに奪われます)ビールを取り出して喉に流し込んだ。爽快感とアルコールの広がる味覚に、ユノヒョンとチャンミニの夜をひっそり祈った。




神様……

二人だけはどうか、

見逃してあげて下さい




「不思議な二人だよなぁ……」


シウォニヒョンの呟きに、


「そうですね…」


しみじみ頷くしかない。


「あんなに長く一緒に居るのにさ、男同士で好きとか楽しいとかならないよ。やっぱグループが二人きりになって芽生えちゃったのかな?」

「さあ…、それは『シムだけの思い出』って、笑ってはぐらかされるんで俺も知りません」

「……男女でも長年付き合えば妥協しあってさ、空気みたいになるよな?普通は」

「ねー」

「元サヤ戻るのかな?」

「さあ?」

「そもそも何で別れたんだろう?」

「……さあ。俺も本当にチャンミニから聞いてないんで、何ともですけど」


二人の出来事は何も言わないチャンミニ。
チャンミニがノロケなのか愚痴なのか普段の生活を少し溢すくらいしか俺だって聞いたことない。あとは女の子の話とかゲームの話とか。至ってとりとめのない、ユノヒョンと付き合う前から変わらない話ばかりしてた。
まして目の前でイチャイチャされたり、二人のセックス事情なんて一度も持ち掛けられた事ない。

あの二人は二人なりに社会の秩序をちゃんと見極めて付き合ってた。


「もっと俺が突っ込んで、色んな話を聞いてあげれば良かったのかも……」


二人は二人なりの、悩みを抱えてたのかも…。
 

「ってかあの二人、馬鹿なのか?いや確実に馬鹿だろ?離れたら離れた分恋しくなるのに分かんないのかな??」

「!だははははははははははっっ!!!」


貴公子シウォン様が、今日一番の世界の真理を突いてきて、


「はははははは!!ああ~、シウォニヒョン、サランヘヨ~!」

「俺は皆を愛してる♪」

「ぎゃははははははははははっ♪」





俺は今度こそ笑いが止まらなかった。












片割れ chap.11
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コメント

  • 2017/05/16 (Tue) 18:40
    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2017/05/16 (Tue) 19:37
    No title

    鈴カス♡

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