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片割れ chap.11 #6









______Y.side______






電話を鳴らせない。
だけど浮かれてる自分がいる。


今電話して彼女と一緒だったらどうするんだとか、他の男が出たら俺は正気でいられるのかとか。でも行くならどこへ食べに行こうかとか、チャンミンが喜ぶのはやっぱり肉かなとか、俺チャンミンの機嫌取ろうとしてるだけだろとか、


もうごちゃごちゃ。


















「それではさっそく……ユノ、チャンミン。腕を広げてみて、2人の腕の長さを見せて」

「…へ?」「?…はい」


まずは俺たちの踊りを見せてと言われるかと思ってたのに。
ようやく会うことができた振付師のトニー・テスタは、ダークブロンドの長髪をなびかせながら俺たちの背中同士をくっ付けた。
後頭部は後頭部に、背面は背面にチャンミンの体温を感じる。


「…ふう、、」


体の芯に落ち着く温度


「……うん。いいね♪身長も腕も、そんなに差はない。オッケーオッケー、じゃあ始めましょう!」


パンパンと明るく手を打つトニーが何か他とは違ったことを考えているような雰囲気を持っている人で、わくわくして色んな事を聴いてみたくなる。


「すいません、ちょっといいですか?」

「もちろん♪」

「私だったら新しいダンサーに会うとまず自分の目でその人の踊りを確認したいなという気持ちになるんですが、私とチャンミンのダンスは見なくて大丈夫ですか?」

「映像で予め2人の動きは確認したし、これから十分見せてくれるでしょ?それにのんびりしてる暇もありません。今から4パターンの振り付けを覚えて踊ってもらうんだからね」

「え!!?」


意味が理解できない。秋のカムバック曲として、トニーにオーダーしてるのは1曲のはず。


「絞ってやっと4パターン選んだんだ♪本当は6パターン以上考えてたんだけど」

「……」


どういうことだ?


「…つまり、1曲で4種類のダンス構成をまず踊ってみて……そこから良い部分をピックアップして組み合わせていくっていう事ですか?」

「チャンミン!素晴らしい!パーフェクト☆」


トニーが満点だとチャンミンを褒め称えた。


「マジ?」「……らしいっすね」


初めての体験。
振り付けが部分的に変更になったり、修正したりする事はよくある。だけど始めから終わりまで何通りも用意されるなんて通常はあり得ない。
ワンフレーズの振り付けさえ汗と努力の結晶なんだから。振付師は創造性の勝負を毎回問われている。


「……凄い…っ!!!」


これは、贅沢な選択


「でも無作為に格好いい部分だけなんて決して選ばないよ。僕の振り付けにはそれぞれにちゃんと意味があって起承転結もある。まるでミュージカルみたいに♪ユノはそういうのも興味があるって聞いてたけど、どうかな?」

「……スゴい、、」


この人は、最高の振付師


「すごく興味あります!是非やってみたい!」

「あははっ!良かった良かった♪コンセプトは『アベンジャーズ』のハルク!歌詞に細かいストーリーもつけたよ。愛する恋人と別れようとするんだけど別れられない。深い愛ゆえの未練に葛藤する自分自身に怒りが爆発するんだっ!!」




思わず息を飲んだ。
絶対隣のチャンミンに気付かれた。

ヤバい……
俺本当に女々しいな……


「やるから見てて!まずは1パターン目から!ダンサー達もお願いしますね♪」


楽しそうに音をかけに離れて行くトニーの背中を見て、一瞬居たたまれなくなりそうになった自分を無理やり奮い立たせた。


「……よし、」



俺もすごくわくわくしてる

いいじゃん、ちょうどいい
今の俺にぴったりだ


今の俺があるから表現できる



「よろしくお願いします!」




そしたらチャンミンにだって、少しくらい会ったっていいだろって言い訳できそうな気がする。















______C.side______







4パターン全ての振り付けを見終わって、


「……あー、マズイ……」


正直どれもライブでやりたくないと思った。
ユノと僕とダンサーさん達で繊細で力強い1つの絵を描いているような複雑なフォーメーションの連続。ワンステップ間違えるだけで崩れてしまうリスクの高い振り付けに二の足を踏みたくなる。
実際試し稽古が始まって僕はもちろんダンサーさん達でさえ何度も足を踏みあったり体がぶつかってしまった。


「1、&2…、まだまだ!タイミング違う!」

「ごめんチャンミン!痛かった?」

「いや、大丈夫ですっ」

「全然揃ってないよ、もう一度!!」


でももう失敗は絶対に許されない。
今の僕にはちょうどいいのかもしれない。


「ユノ、チャンミン。君たちは二人で1人の男を表してる。1人の人間の中に存在してる相対する心の感情を鏡のように二人が踊ることで表現するんだよ」


そしてトニーの言葉が、僕の崖っぷち感をさらに煽ってくる。


「チャンミン、ユノの踊りをよく見て。素晴らしいから。でも真似しろって訳じゃない、合わせるんだ。ユノとチャンミン、二人で1人なんだからね♪」

「……。はい…」


僕はダンスに、今もそれほど自信がない。
ユノは初めて会った時からもう上手かった。自信を持ってた。


見れば誰もが魅せられる

セクシーで綺麗
頭のてっぺんからつま先、指先まで綺麗

誰にもできない
独特の感性と体の動かし方

唯一無二の
ユノ・ユノという名の踊り


「……」


ユノと対(つい)で合わせる。

それは多くの努力と自信が必要ということ。やらなければユノとの落差がもっともっと浮き彫りになる。
今までの頑張りや努力なんて比じゃないほどの練習量を覚悟しなければならない。


「ジェウォニヒョンっ」


振り向いて僕の師匠を探すと、僕の言いたいことが分かったのかヒョンは、「大丈夫。僕の時間、空いてるとこ全部あげる!今日終わったらさっそく個人練習始めようっ」と腕で大きな丸を作って笑ってくれた。


「……ふうう、、」


やるしかない
やるしかないんだ、とにかく


「チャンミン、リラックスリラックス♪難しいと思うけどすごくインパクトのある作品にしてみせるから。僕もチャンミンの個人練習付き合うよ…いや、良かったら僕と友達になって♪僕も韓国に来て少し緊張してるんだ♪」

「はは……全然そんな感じしませんよ。トニーっておいくつ何ですか?」




そしたら少しは、ユノと会ったっていいじゃないって言い訳できる。

見えない誰かに。






「僕?僕チャンミンと同い年♪」

「「「「「「うえええぇぇぇ!?」」」」」」










皆が祝福してくれた夢の交差点で














韓国語と英語でしょうがそこはほら…ご愛嬌ってことで自然な会話へ割愛させて頂きました。(ФωФ)
あといつも通りコメント遅れております。。大丈夫だよって皆さん仰って頂いてるんですが、ほんと毎度すいません💦パワー貰ってます♪

片割れ chap.11
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コメント

  • 2017/05/08 (Mon) 16:50
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