片割れ chap.10 #13










___ Young-Min.side______






大丈夫


チャンミンは聡明だから

ずっとユノを見てきてくれたから























きっとユノに捨てられる













______Y.side______






言わなくても分かるものは
たくさんあるけれど


『美味しい』とか

『ありがとう』とか

『信じる』とか



すごく嬉しかったよ

















朝、

足りない消息を探す自分の腕の動きで目覚めた。


「……」


目を開けて確認してもそれは見つからなくて、一人きりで横たわる身体が浮き彫りになる。
心だけがどすんと沈んで、胸だけ張り付けられたように重い。


「チャーンミン……」


俺は本来朝がすごく弱いけど、俺よりさらに弱いチャンミンを起こすが怖くて。

だってなかなか本当に起きないし、起きても目が据わってるから本当に怖いし。「まだ五分あるのに何で起こす……?」とか、「ふざけるなよ……」とか、低音で唸るから迫力ある。

でもたまに全然違う朝もあって、目線が合うと「アンニョン…」って言いながら布団をもぎゅもぎゅして顔を隠す。

毎朝チャンミンの一挙手一投足に怯んだり、腹が立ったり、弾んだり、笑えたりするから。

気付くと俺は全然眠くない。


「居ないとやっぱ……、眠いもんだな……」







完全に目が冴えて、いつもベッドから軽やかに一日を始められる。







チャンミンは俺にとって


そういう存在だった












「ふぁ~…」


眠くて怠い身体を引き摺るように自室から出ると、調度玄関を開けて入ってきたマネヒョンと顔を合わせた。


「まぁた時間ギリギリか、ユノ。早く支度しろよ」


瞼が重くて重くて、気を抜くと立ってても寝れそうなくらい。


「ん。シャワー浴びてくるぅ…」

「急げよー」







いつも軽やかに浴室へ向かうと、シャワーの心地好い刺激と反響する音の重なりに合わせて歌を歌い出したくなる。実際歌う。
一つ歌うとまた別の歌も歌いたくなる。それもまた歌うと時間はどんどん過ぎていく。







「……歌う気にもなんないな……。いいや、、出よ…」








そうすると必ず外から小言が飛んでくる。


『ユノ!!早く早く!!もう行かなきゃ!早く早く!!』

『あ、いやもう出ると…』

『早く早く早く!!』


さっきはお前がなかなか起きなかったくせに…っていう反論は飲み込んで、チャンミンの言葉通りそこから猛ダッシュで浴室から飛び出す俺を少しは褒めてくれたっていい。なのにチャンミンは毎日飽きることなく呆れてる。


『本っ当、理解できない。。よくも毎日飽きもせず三十分以上も入ってられるよね!?』


お前もな…って反論はまた飲み込んで、とにかくソファーにどっかり座ろうと思うのに、次々服やらバックやらミルクやらパスポートやら色々出てくるから忙(せわ)しない。








「…喉渇いた、ミルク飲みたい、」

「もういいからっ。とりあえず車乗って飲んでくれ、行くぞ」

「はーいよ」

「あ!……今日こそ、、忘れ物ないよな…?」

「うん、大丈夫」









『あ、チャンミナ、チョコ忘れた!』

『もう入ってる』

『財布ぅーはーっと、』

『さっきバックに入れてたでしょ、自分で』

『サングラ…』

『右ポケットね』








靴に爪先を沈めて、数回打って、踵を入れて。
マネヒョンに引いてかれる、地下駐車場。
日光の当たらない場所はひんやりしてて気持ちいい。そしてその爽快な空間で、やっと俺は目が冴えた。


「マネヒョン、パスポート忘れた」

「……また?嘘だろ?おい」

「あ、ミルクもテーブルに置きっ放しだった」

「……嘘だろ……、、」










『よし、行くぞ』


チャンミンの腰を押すと、


『行こう、ユノヒョン』


チャンミンはさらに俺の腰を押し出して、いつも俺をヒョンとして先に玄関から抜け出させる。











背後の巨大なる安心感























チャンミンは俺にとって



そういう存在だった




 




片割れ chap.10
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コメント

  • 2017/03/28 (Tue) 18:32
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