片割れ chap.10 #10










ユノを守れるように
後悔しないように


僕なりに色んな事に挑戦して、頑張って
大変だったけど気持ちは充実して楽しくて

大げさかもしれないけれど、一人の人間として少しずつ成長してるような手応えがあった。

心には余裕ができ、天の邪鬼な自分とうまく付き合いながらユノを愛しだせた。
心に追随する身体はさらにユノへと拓いて、新たな未知の絶頂で溶け、僕たちは完全に繋がった。


ユノしかいらない
絶対変わらない


目には見えない、永遠の海が生まれた










「チャンミナ」

「……」


さっきから、


「…チャンミナ、シャワー空いたから入っておいで。俺はマネヒョンと話あるからリビング居るな?」


全く動けない僕の頭を「大丈夫だからな」と優しく撫でて、ユノの声はドアを閉めた。


「………スタジオ、、行かない、と……」


部屋には今僕だけしか居ない……

そう自分に言い聞かせて、やっと覆った両手を顔から離せた。十数分ぶりの朝日がやけに眩しくて、またカーテンを閉め忘れてたんだということに気付く。

始めはこんな事なかったのに。
見られることなんてまずないし、ユノは忘れやすいけど、僕はいつも気を付けてた。
カーテンも鍵も警戒心も。


忘れた先に、今朝があった


「……っ、なんで…っ!」


頭を抱え込んでも身を縮めて小さくなっても、時間は戻らないし僕はユノのベッドを抜けユノの部屋を出てシャワーを浴びたらリビングへ行かなければならない。


「死にたい…っ、っ、、」


恥ずかしくて恐くて。
恐くて、恐くて。人目が恐くて。

女の子みたいにユノを受け入れて悦んでる姿を女の子に知られて、


「もう…僕のこと見ないで……、っ」


まるで女性という女性全てから刮目されて、一斉にどっと笑われたような気がした。



『何してるつもりなのかしら?』と。

『私達の真似してるわよ』と。

『ユノの子供も産めないくせに』と。





惨めで、悔しくて、悲しくて、恐くて。






少しずつ積み上げてきたつもりの

ユノと共に歩む覚悟も自分への自信も

現実を目の当たりにすればそれは

砂の塔より脆い。





壁超しにマネヒョンとユノの声が聞こえる。
さっきまでちゃんとぼそぼそ話してくれてたのに、お互いヒートアップしたのか赤裸々な内容が筒抜けだ。ユノは興奮しすぎて方言さえ出てきてる。


お前やってる事本当分かってるのか?たった一人のメンバーを女代わりにしてるんだぞ!?

そんな風に考えたこと一度だってない!!俺たちは本当に本気で付き合っとるんよ!なんで分かってくれんの!?

現にてめえがチャンミンに突っ込んでんじゃねーか!チャンミンの気持ち少しでも考えたことあんのか!!

当たり前じゃろうが!!俺だって色々考えてここまできたんよ!


もう止めて欲しい。
部屋からずっと出たくない。
所在なくて、ユノがマネヒョンに蹴られてる時言えなかったセリフを一人呟いてみる。

ちゃんと庇ってあげられなかった
ごめんね、ユノ

誰も聞いてないから、意味ないから、何も気にせず、大胆にそのまま言ったっていい。


「…僕たちは……本当に愛し合ってます…僕はこうやってユノを受け入れられて……本当に幸せなんです……僕が受けたかったし…今ではすごく気持ちいいし…さっき初めて…勃たないままナカで何度もイけて最高でした……だからユノを責めないで下さい…………」


声に出すと自分でも聞いてられないほどグロテスクで、虚しかった。

頭の中の女性達がまた声を上げて笑う。


『チャンミンって、もう男でさえないのね』

『もはや男として見れないわよね』






いいんだ。

いいんだ、別に。

ユノだから僕は受け入れた。

ユノさえ居れば、問題ない。





『ユノだって結局女の子の方がいいに決まってるじゃない。チャンミンはいつか捨てられるわ。自分でも言ってたでしょう?』






何て?

僕なんて言ってたっけ?






『たぶんいつか、ユノに捨てられるんだろうなって』






……。







『ユノに覚悟が足りないってあんた始めっから分かってたじゃない』

『それでもいいって思ったのはアナタだよね?』









ユノの部屋で独り


妄想の幾多の女性に詰め寄られたのは、僕がただ弱かったから。残り僅かなアイデンティティーを守ろうとして、自分の中で必死に闘ってた。






とてもじゃないけどユノまで守れなかった。闇の月尻島の海へ、永遠に誓ったはずなのに。





ごめんね、ユノ
























片割れchap.10
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コメント

  • 2017/03/24 (Fri) 09:11
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