片割れ chap.9 番外編#24 チャンミンの平行世界










僕だって、そうだ
ダメだよね、上手にできなくて……

正反対のカタチだからこそ完璧で、僕はその強靭な形の力に甘んじてて。
いつも言葉で伝えられない。
好きだからこそ離れた『チャンミナ』みたいに、好きが満ちすぎて言葉にならない。


だから僕は歌を歌おう


それは永遠に途切れることのない、
僕にとって最大の表現方法






「チャンミナお待たせ!」

「あ…」

「お!キュヒョンの曲だな?」

「ユノ……ギュラインの歌、出していい?」


練習室のドアが開いて、軽やかに入ってきた『ユノ』の顔から笑顔が消えた。かけっぱなしのキュヒョンの優しい曲が、所在なく流れ続ける。


「……え?」

「ちょっと!ちょっと落ち着いて聞いて下さいよ!?僕はユノとTOHOSINKIをやる。いや、やりたいんだけど、今の状況でいきなり僕が戻るのは納得できない人も多いでしょ?だからっ、予定通りギュラインで一曲出してそれから…」


ユノは燃え上がるとすぐ聞く耳が無くなってしまうから。それはそれは急いで『ユノ』に説明しなければいけない。
ユノも『ユノ』も、同じ性質で、元は火のような人間だから。


と、思っていたんだけど。














「……お前、、チャンドル?」

「…………」







もしかしたらユノは、僕なんかよりずっと上手(うわて)なのかもしれない。








「チャンドルだろ?」

「………はい」








僕なんかよりずっと、僕のこと分かってくれてるのかもしれない。




「あはっ、どうしたの?また遊びに来たの?」

「…っ、違うって!まだ戻れてないの!」

「は!?」

「で…申し訳ないんだけど、昨日ユノと行った居酒屋にミーティング終わったら行かせてもらいたい。できるだけ早く、帰れなくなっちゃうから!」

「え、は?え?」


焦る。焦る。
今度は自分のために早口になる。腕を捲って、ざっと書いた単語を確かめた。


「どうした、それ…」

「僕の場所で起こった記憶が無くなってきてるんです……早く、戻らないと。ここ!ここに行けば戻れるかもしれないからっ」

「どれ」


手の甲を『ユノ』に差し出して、店内の行きたい個室の位置を馬鹿みたいに必死で説明した。こんな夢物語を真面目に聴いてくれるなんて、ユノくらいだなと、ふと思った。


「だから、あの、何て言うのかな…っ、ユノの、倒れた場所に行ってみようって発想は本当ナイスアイデアだったんです!昨日行った時はチャンミナだったからどこに行けばいいか知らなかったけど、僕は今チャンドルで。だから今の状態で行って、その場で意識が飛べば戻れるはずで!」


全然冷静に説明できてない。こんなんじゃ意味分かんない。
泣きたくなった。

でも泣きたくなったのは、うまく説明できなくて歯痒いって思ったんじゃなくて、呪詛のようにびっしり書いてる腕の文字がいくつか、


何の意味か分からなくなっていたから……。

背中に戦慄が走る。


「……っ、とにかく!ミーティングが終わったらここに行きたい!!その時僕が忘れてても無理やりでいいからこの個室に押し込んで!!」


“その時”はもう間に合わないかもしれないけど。僕もチャンミナの一部になってしまってるのかもしれないけど。

だけど頭の半分で、今日の緊急ミーティングが最後のチャンスだときっちり理解してるからこっちも絶対に外せない。

スペクトラムがTOHOSINKIを兼任するところをまたユノと僕に戻すわけだから、投げられた賽(さい)をまた持ち直そうと昨日の今日で集まってくれた幹部や関係者を反故にできない。

練習室の扉がまた開けられて、焦ったマネヒョンが入ってきたところでこの話は終了した。


「何してるんだ早く!行くぞ、もう皆集まってる」


リュックのベビーミッキーとベビーミニーがゆうるりと眠ってる。僕もユノの隣で微睡(まどろ)みたい。


「よし!!!絶対2人のTOHOSINKIで通すからな!プレゼンテーションは後日改めてするから、今日は興味を持って頂いた上層部に意思表示!しっかり頼むぞ!!」


マネヒョンがキュヒョンの曲を止めて、深呼吸を始めて。体をバンバン叩いて気合いを入れる姿に、僕の奇妙な嘆願を言うことはできない。


「ユノ……、必ずお願いします…!!」

「チャンドル……」












だけど『ユノ』は、やっぱり言うんだ。























「今から行こう?」






















誰にも真似できない




『ユノ』という名の、













ヒーローみたいにね










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コメント

  • 2017/01/29 (Sun) 18:38
    No title

    わからないのにわかるのは、
    なんだか涙がでてくるから。
    ゆの、すごい。

  • 2017/01/29 (Sun) 21:52
    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2017/02/09 (Thu) 21:52

    72******* 様

    なんかよく分かんないけど琴線に触れるものがあれば!
    と、思って進めてます。
    マムさん、ありがとう!!!涙

    • ゆのっぽん(りょう) #NNZ72WTo
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    • 編集
  • 2017/02/09 (Thu) 21:54

    雪* 様

    どこに居てもどんな状況でも二人の絆は凄まじい、そういうのを書いてみようと思いました♪

    • ゆのっぽん(りょう) #NNZ72WTo
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    • 編集

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