片割れ chap.10 #28








______Hana.side______201X年






「ハナせんせーいっ!」
「ハナ先生、今日もお話よんでっ」
「おひるねのジカンになっちゃう。早く早く!」


軽やかな子ども達の声が、今日もころころ足元にじゃれてくる。


「いいよぉ♪今日は何がいいかな??」


木漏れ日の射す、真夏の昼下がり。蝉の鳴き声と暑い陽気に負けない、生命の集合体のような素直な心の持ち主たち。


「あたし、シンデレラがいい!」
「えー、オレそんな女っぽいのヤだ」
「猫がりょこうするお話ききたい」
「ぼく何でもいい…」


それでも一人一人が違う性格を持ち、違う考えを持ち、違う魂を一つずつ胸に持っている。


「あ、じゃあまたハナ先生が考えたお話!」
「それがいいっ♪」
「ハナ先生、お話考えてよ」

「あははっ。また先生のお話でいいの?」

「「「「うんっ!」」」」


保育園のお昼寝タイムの前の少し空いた時間、子ども達に本の読み聞かせをする。
皆の要望の本が揉めた時たまたま作った創作の話がうけて、それから子ども達は揉める度私の話を請うようになった。


「う~ん、じゃあ今日はどうしよかなぁ…」


子ども達から教室の外へと目線を移し、炎天下の園庭をぼんやり眺める。陽炎(かげろう)が揺らめく向こうの先に、自分の信念を見た。


「そうね、、」






ちょうどこの時期だった


あの地獄の季節は






「……みんな、サランって…分かる?」


「分かるかも。うちのパパがいつもママにサランヘって言ってる」
「好きってことだよね、大好きってこと?」
「サラン♪サラン♪」


「そう♪じゃあ人が昔、どんなカタチをしてたか知ってる?」


「赤ちゃん!」
「すっごいちっちゃかった!」
「僕しってるよ!?サルだった!」
「虫みたいなかたちっ」


「じゃあもっともっと!昔の昔はどうだったと思う?人もゾウも恐竜もクジラも、海も山も土もみんな一緒に暮らしてて、その上で神様達が見守ってくれながら生きていた頃のお話」


「「えーー!」」
「そんなに昔はわかんかいっ」


「ふふっ、あくまでも先生の作った物語だからね?昔は人ってね、……二人で一つにくっついていたの」


「「えーーーー」」
「「すごぉい!」」


園児を二人、背中合わせにしてそれを見せた。疑ったり感心したり想像がつかなかったり、皆それぞれの反応を見せてくれる。
この寓話を、無垢な魂はどう受け取るんだろう?


「…だから人間は、今の人間よりもっともっと色んなことができたの。前も後ろも見えたし、どちらにも歩けたし。誰かとお話をしながらもう片方で絵本だって読めたのよ」


「何でもできるんだ…」


「そうよ?片方が面白いことを考えたらもう片方がまた一つ面白いことを考えて。片方が悪いことを考えてしまったら、もう片方が良いことを考えて叱って。いつも一つに暮らしてたの」


「たのしそう♪」
「そっちの方がいいじゃん!」
「むてきってこと?」
「あたしピアノひきながらテレビみたいっ」


「うん、何でもできるからね。すごいの。でもするとね、何でもできる神様達が嫌な気持ちになっちゃったの」


「なんで?どうして?」
「悲しいことがあったの?」


「ううん、何も。何も悪いことはしてない。だけど…人があまりにも何でもできてしまうから、いつか抜かされるんじゃないかって神様達が怖がっちゃったの。一番は俺たちなのにって。だから神様達はこうやって……」


くっつけた園児の二人を離して……。
なんだかもうそれだけであの時のことが蘇ってしまう。


「…真ん中で切り裂いて人間を二人にして……今の私たちの体にしたんだって…」


「ええ?痛いよぉぉ~」
「ひどい…」
「ハナ先生、そんな悲しいおはなし嫌だ」
「あー、まじイタそうっ」
「ひどくない?だってめいわくなことしてないんでしょ?」


「……だよね。しかもね、二人に分かれた後、嵐を起こして波でさらって、どの二人が元々くっついてたか分からなくしちゃったの」


「「「「えぇ………」」」」


「…!」


思わず感傷的になってしまって、園児の暗い顔でやっと我に返った。


「いやいや、でもね!そこから、『じゃあ旅をして、もう片方だった自分の人間を見つけよう!』ってみんな立ち上がって探しだしたの」


咳払いをして、本題に入る。


「さて、ではここで問題♪旅に出た人たちは、どうやってその自分の片方を見つけたでしょうか??」

 
「うーん…、、」
「えー」
「かお!」


「顔は頭が後ろでくっついてたからお互い見たことないの」


「あ、そっか…」
「じゃあ声!」
「せ、いかく???」


「おっ、声も性格もあるかもしれない。でもまだ方法があるわよ?」


「え、なに?」
「えー、えー?」
「なんだ…?」


「……それはね、」


私という小さな存在にできることは少ない。

でもできることはやろうと、伝えたいことは伝え続けようと決めたの。








いつか



あの二人が認められる世界を








「…出会った人達の中の一人が、特別に好きだと想う気持ち。それが自分の片方を探す、ヒントになったの」


「きもちでさがせたの?」
「あたしいっぱい好きなこいる!!」
「すきなこが僕のかたっぽなの?」
「すきかぁー…、ふふふっ」


「そうよ、サランで探せるの。だから人を好きになる気持ちをみんな大切にしてね。そのこが……自分と同じ男の子や女の子でも…、何があっても必ず大切に……。だって本当に自分の片方と出会えたら、色んなことができるムテキになれるんだからねっ♪」


「おーたしかに…!」
「あたし男の子も女の子もみんなだいすきだよっ」
「ムテキ、カッコいい!」
「サランってすごいんだね」


「うん…。よしっ、じゃあお昼寝の時間だよ、みんな。電気消すよう♪」


「ハナ先生はもうムテキになったの?」
「ハナ先生の片方はどこ?」


「……いやそれが…、まだ見つからなくて…、、先生は探し中なのっ。先生はまだ探検中です!」


「「「あはははは!!ハナ先生、ファイティン!」」」


「あ、ありがとう…。。でも……」



言ってもいいかな…



「…無敵の二人を、先生の目で見たことはあるのよ?……凄いんだから、本当…。その二人はね………て、あら、、」


今までずっと閉まってた名前を、無邪気な子ども達にならどうか聞いて欲しい。
そう思って切り出そうとしたのに、私の園児たちはすでにあちこちバラけてさっさと大好きな小さい布団へ入っていってしまった。





「……もう。ふふっ、まあいっか」

「そのふたりは、本当にくっついてたの?」

「え」


背後の純潔な声に振り向いて見ると、クラスの男の子が一人。一人だけ立って、無垢な瞳で見上げてきた。大きな二重の栗色の、


「……チャ、…」

「ハナ先生が見た二人は、どんなかたちをしてたの?」

「……」


片方のあの人の瞳にぴったり似てる男の子。


「……私の作った、お話だから…」

「でも先生は見たんでしょ?」

「……まだ誰も信じてくれないの……、」


「何を見たの?」



「…………私が……見たのはね、まあるい…」








今でも覚えてる


神々の怒りをも買うほど















恐ろしいまでに美しい







発光













「…っ、……本当に一つの…っ、完璧な生物だったの…っ、、」



















蘇る熱い何かが、涙へ還って


あの日と同じくまた落ちた。






































______Assistant(Hana).side______地獄の季節










「……な、…んですか…っ、、これ……っ」


発する声が、震える。


「いいから…ちょっと酷すぎて他の奴らには頼めないんだ……。とりあえずユノが日本から帰って来るまでに割れ物だけは全部処理しろ。あと綿とか羽とかは…入れられるだけゴミ袋に納めて。新調する家具はカタログから適当に選んで業者に注文しといてくれ、後でユノがキャッシュで払うって言ってるから領収書はいら…」

「マ、スター……」

「……うん」

「…………ユノさんとチャンミンさんに、、」



血痕なき白い惨殺現場

そんな表現がしっくり似合う



「…っ、何したんですか…!!?」




世にも悲しい宿舎の成り果てだった。




「っ、人聞き悪いこと言うな」


竜の爪で抉ったような、何段もの切り傷が波を成している。カバーの下から飛び出して死んだ、白い羽根と白いクッションスポンジ。



「じゃあ何で部屋がこんな事になってるんですか!!」


マスターに意見する私は間違ってる。責めるべきは彼じゃない。
きっと私はクビになる。




「おかしいじゃないですか!!!」


 


でもね、私はもう



世界の真理に触れられたから





思うがままに動くの





「……別れさせたんですか…!!そうなんですか!!?」


マスターに一歩詰め寄ると散蓄するフェザーの羽根らが朧気に舞い上がった。スリッパの下でジャリリと、陶器製の欠片が砕ける。
マスターが溜め息混じりに話し始めた。


「俺は、その場にいなかったから分からない……。ユノとチャンミンが代表の所へ直談判しに行って……でも実のところ入れ揚げてたのはユノだけでチャンミンはそうでもなかったんだ。良かったよ本当…」

「……そんな訳…っ、ないじゃないですか…っ…!何ですか良かったって……、あんな…二人をっ…引き裂いて……っ、っ」


許せないと思った。
自分のことでもないのに。

なぜ皆見えないんだろう
あの二人の一体感

握り締める拳の内に爪がめり込んで、でも全然痛くなんかない。
目には見えないところが、ただ痛い。


「この前から何言ってんだ?お前。男同士でメンバーなんだぞ!?気持ち悪いだろ」

「だからって何が悪いんですか!?好き合って何が悪いんですか!?利益が下がるとかペンが減るとか…だったら事務所総出で守ってあげればいいじゃないですか!!」


もどかしくて

苦しい


「馬鹿かお前は、現実見ろ!ユノがおかしくなってチャンミンは断り切れなかっただけだ!元は二人共ノーマルで正常な人間なんだよ、間違った方向を正すのは善意だ。……どうしたんだ、本当。しっかりしろよ、全然お前らしくない。普段のお前ならきちんと指示に従って、プライベートもちゃんと現実的に考えてるだろ?」

「ご心配には及びません、教師の彼とはお別れさせて頂きました」

「…。はあ?」

「あんな美しい二人を見たら…、もう利己的な恋愛なんて阿呆臭くてできませんよ」

「……馬鹿だな。もういい、黙って部屋片付けろ」





美しいものを美しいと言って



何が悪いの?





「掃除はやります。ただ辞職と引き換えに口答えはさせて頂きます。マスターの言う通り、私はどうも自分の考えを主張したい、まだ人間らしい人間でいれたみたいです」

「……そうか、受理するよ。冷静さがなければこの仕事はできない。少ないが退職金はできるだけ気持ちを入れる。二人のことは絶対口外するな、念書を書いてくれ」

「分かりました。でも退職金は放棄はします。口外も必ず致しません。ですから聴いて下さい、」



パンドラの匣を開けてしまった。こんなことになってしまって、二人に申し訳なく思う。



でも伝えたい。



きっと二人なら、大丈夫




だって匣の中には一つだけ残った。






常識や利益や悪意に麻痺した
この世界に残ったモノ













それは、希望











「どうか二人に、自由を」





私という小さな存在にできることは少ない。
私が動いたところで何も変わりはしない。


















でも認めます
















私はユノさんとチャンミンさんのことを



認めます














貴方たちの愛は正しい






chap.10終わりです。読んで頂いて本当にありがとうございました。次はコメントのお返事をアップさせて頂いて(やっと…涙)、晩夏からまた始めます。
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片割れ chap.10 #27








______Y.side______






宿舎にもチャンミンのマンションにも帰りたくなかった。宿舎は家具が様変わってるしチャンミンのマンションには男が来るかもしれない。
それに否が応にもチャンミンと目を合わせなきゃいけないから。運転してれば瞳を見なくて済む。


「どこに行くんですか?」


行くあてはない。
ただ車を滑らせて。

どこか遠くへ


「……ガソリン入れてないんで。どこかで入れないと」


チャンミンの言葉でガソリンメーターを見ると、FよりEに近い針が俺に『止めとけ』って警告する。
残念。ふと海を見たいと思ったのに…。


「…いや、……無くなるまで…走ればいいか……」

「え」


明日を投げ出すわけにはいかない。俺達にはペンや家族やマネヒョンやスタッフや後輩や仲間、待ってくれてる人達が沢山いる。

市内の賑やかな大通りが過ぎて、車の通りもほとんど無い所まで来ると後方の安全確認をしてぐるっとUターンした。
そしてまた来た道を戻る。


「道、間違えたんです?」

「……」


間違えた訳じゃなくて、どこにも向かってないだけ。またUターンできる場所を見つけたらそこで曲がって同じ道をぐるぐる進もう。

まるで俺たちみたいでお似合いだろ

数十メートル先までは見えるけど数キロ先は見えない。見慣れた景色は闇に沈んで突き抜けても同じ道。
どこへ行っても同じこと。
何をしようと同じこと。


「ぁ……」


そんな道のりと思いを巡らせていると、チャンミンの手に握られたスマホが震動音を車内に響かせた。それに反応して小さく漏れた優し気な声が気に入らない。


「貸せ」

「ぇ…」


返事を聞かず奪い取ったスマホを何も確認しないで後部座席に投げ捨てた。激怒して降りろ、くらい言われるかと思ったのにチャンミンは探すことも拾うこともせず、諦めたようにシートへ身を埋めてそっぽを向いた。
俺たちはずっと、本当はこのように別々の方向へ向いてたなんだな…。



分からなかった、一寸の疑いもなかった



「……何するんですか、信じられない…」

「そうか」


俺はお前が信じられないよ。
彼女がいることも、遊びまくってることも。俺はチャンミンにとって仕方なく話と身体を合わせてた単なるセフレだったってことも。
それでもこいつの目は綺麗で美しいってことも。


「僕が電話出ないと…たぶんずっと鳴り続けますよ」

「鳴らせとけよ。どうでもいい」


チャンミンの言う通り、そう間隔を空けず何度も何度も後ろから感じる震動音はひどくチャンミンを求めていて、


「……」


もしかしたら俺と同じような奴なのかもしれないと思うと胸が締め付けられた。


こっちを向いて欲しくて

必死で

チャンミンのことを想う数多の男や女達


「…っ、ああ!!…クソっ!!……面倒くさ…っ、」


こんな感情いらない。
全部無くなればいい。

煩い。煩い。


「くそっ!!!」

「…、…」


フロントガラスに一喝してもチャンミンはびくっと一度肩を震わせただけ。そっぽを向いたまま。
何も響かない。

それでもまたココから、

チャンミンが俺だけを見てくれる可能性はないかと密かに探してる俺が一番面倒くさい。


在るわけないのに


「ユノヒョン…」

 
メーカーは限りなくエンプティに近付いている。
しばらくすると警告サインとアラート音が鳴り出した。緊迫感を強調する通知音が車内を染め上げる。


「……ヒョン、ガソリン…」

「入れなくていい」

「車止まっちゃうじゃないですか……」

「止まればいい」


ガソリンが無くなるまで。
空っぽに干からびて、Eになるまで。
自動的に止まってしまうまで。


チャンミンを想う気持ちがEになるまで






走り続けた。

















______C.side______







すぐにユノが、

スマホで会話してた内容を聞いてた事と電話の相手を勘違いしてることに気付いた。さっきの素っ気ない態度とは正反対の、高ぶり捲し立てるユノを見て、







考えた。






「俺も諦めつかないから…!、、頼む。。彼女さん、大事にしてあげて……」






僕がふしだらに写れば写るほど、


ユノは僕を嫌悪して
忘れられないんじゃないかって




この人は純粋だから






「……ユノ、ヒョンなら…誰でも好きになってくれるでしょう?僕のことなんて、…すぐ忘れるでしょ……?」

「毎日顔合わせてて忘れる訳ないだろ!!!それよりさっきの奴と縁切れ、早く」

「……」





愛してくれなくていい
僕はユノの夢には敵わない
遅かれ早かれ別れを宣告される

嫌われても憎まれても
でもとにかくユノにサヨナラされたくない 

忘れないで
他へ行かないで


ユノの翼をへし折って、
ここに留まってくれたらいい




「……嫌です。これからその人のとこ行くんですから…っ、、」


イェソニヒョンに、

感謝すらした。


キュヒョン達の電話がなかったら、今こうしてユノが僕の車に乗り込んでくることはまずなかった。後ですぐバレる子供騙しだけど。
巧みに言葉を選んで、嘘はつかないように。

嘘は切なくなるばかりだから


「行かせない」


がちゃがちゃ発進の準備を始めるユノの姿が
、こんなこと思ってしまっていいのか分からないけど、、、嬉しい…。

思わず笑みが漏れて、慌てて無感情を装った。


「行かせないって、どうするつもりですか?」






ユノ




僕、嬉しい






「車出すぞ」

「……ユノヒョンも、約束あったんじゃないですか?」

「もういい。お前のこと、放っとけない」





嬉しい



ユノはまだここに居てくれる






溜め息をつくユノでも睨みを効かすユノでも、僕のことしか見えないユノなら何でも嬉しい。



目的地はどこだろう?

宿舎か僕のマンションか。
説教なんて色気ないのは嫌だ。
むしろユノの激情の波に乗って押し倒されたい。
それなら尚良い。肉体を繋げればさらにユノは離れていかない気がする。


「……」


でもそんな事しないか…
だってユノだもん…

一瞬過った期待は泡のように消えて、予想通り車はどちらにも向かわず流れていく。


「……ガソリン入れてないんで。どこかで入れないと」


遠くへ行くなら給油しなければならない。
でもユノは必要ないって言う。

残念。ふと海が見たいと思ったのに。

僕たちは何も喋らずただ前を見てた。密かに僕は一分一秒を噛みしめるように、ユノと居れることを感謝した。

本当にどこに行くんだろう?そんな思いを巡らせた途端、車は大きく右折して元来た道へ。


「……道、間違えたんです……?」


ユノがやろうとしてる事が何となく分かって、聞いた返事が返って来ないことでそれは確信へ変わった。


僕たちはこの先、
合わさることもなければ離れることもできない。

共に生きれば皆が苦しむ。夢の足枷になる。
だけど僕たちは夢を共に歩んでいく。

ユノは僕を捨てられる。
僕はユノを追い求め続ける。

行ったり来たりを繰り返す、
この車のようなものなんだ。

でも物語には必ず終わりがある。
ユノは二人の物語を終わらせようとしてる。


「……」


嫌だな……
どうにかユノを引き留められないか

歪む顔を見られたくなくて頭をサイドガラスへ傾けた。サイドミラーに一部分映る僕は酷い顔してる。悪い顔してる。醜い僕の内面があからさまに浮かんでる。

異変に気付いたらしいキュヒョンからの着信に出ようか迷う。これに出たらこの旅はおしまい。
僕たちは終わる。


「貸せ」

「ぇ…」


それを持ち越すかのように僕のスマホをユノが放り投げて、ユノは段々また怒り出した。


「…っ、ああ!…クソっ!!……面倒くさ…っ、」 

「……」

「くそっ!!!」

「……っ、、」


ユノももしかしたら、僕と同じくらいの想いで、この逃れられない道のりに歯痒さを感じてくれてるのかなって思ったら。

無性に泣きたくなった。












だってこんなに、好きなのに









「ヒョン、ガソリン…っ、、…」

「入れなくていい」











愛してるのに











「車、止、まっちゃうじゃないですか……、」

「止まればいい」












なんでユノと僕じゃ駄目なの?












「警告音……うるさ……っ、」

「……そうだな」





誰か、僕たちのこと認めて


お願い……



認めてくれませんか?











これからもたくさん、頑張りますから



精一杯努力しますから











お願いします


誰か、お願い





お願いします




















誰に頼んでいるのか、誰にも届かない懇願を胸に叫び続けた。





片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #26









この感情は煩い。

ドラムとシンバルとピアノとエレキギター、低音から高音まで行ったり来たり。
渦でも波でも何も、形成しない。
ぐちゃぐちゃに鳴り響いてる。


当たり散らした宿舎。数日後には新しい家具を適当に配置してもらえて。

うん、良かった。
また暴れ出さないように抑えなきゃ。

そんなこと考えた自分を鼻で笑った。
だって敵なんていない、自分のことだから自分が何もしなきゃ何も起こらないんだから。

キッチンにある物は処分した。新しく買わないようにと、マネヒョンにお願いした。お手伝いさんにも食事の用意は断った。
ご飯なら外へ行けば食べられるから。飲み物ならペットボトルからそのまま飲めばいいから。
これからは部屋のあらゆるドアをいくらでも閉め忘れたっていい。


チャンミンはもう居ないから







『ぁっ…!』


リビングのソファーから振り向いたキッチンにはチャンミンが居て、まな板と料理本を真剣に眺めてる。なんかちょっと可愛い。
そのままじっと見てると、みるみる悔しそうな顔が実った。
何か失敗したのかなって、でも俺全然気にしないんだけどな、辛過ぎなければって思ってると、こっちを見上げたチャンミンが口を真一文字にして睨んできた。


『……何笑ってるの…お?』

『…。は!?』

『めっちゃヘラヘラしてるけど、そんなに僕のミスが嬉しいんすか……?』

『え、うそうそ、ないない、違う違う!全然笑ってない!』

『ふふっ…いやでもごめんユノ、やっぱり今日ラーメンでもいい?野菜炒め作るつもりだったんだけど、コチュジャン切らしてたっ』

『いや、いいよなくて。てか今日はもうピザでも取ればいいって、チャンミナも疲れてるだろ』

『んー、でもまあ折角作る準備したし。いいです、このままラーメン作っちゃう』

『そうか?』

『うん』


ピザ大好きなのに。チャンミンはそんなに悩まず、また顔を下へ戻してすぱんと玉ねぎを切り出す。
インスタントラーメンの袋をべりりと開ける。


『……』


何てことないチャンミンのその姿に

身体の裏側からふうわり引っ掻かれる、

そんな言い様のない甘い痺れに身悶えた。
 

幸福って、目には見えない。
ある瞬間ふと発見できる感じ。
説明は難しい。他の人にとっては何でもない事の断片でしかないから。

やっと見つけた宝物をそのままずっと見ていたい気持ちと、俺の隣にすぐにでも来て欲しい気持ちとが同じ場所に存在して、何だろう…。
とにかくこっちを向いて、チャンミン。


『ああー~~~~っ♪』


喉を丸めて高らかにビブラートを効かせると、チャンミンはまたこっちを見てくれる。


『……明日のフェス、の発声練習?』

『そう。おおおおお~~~~~♪』


笑いを堪えるチャンミンの口元に嬉しくなって、ちょっと格好つけて腕の振りと一緒にまた低い声を流すとチャンミンはもうダメで。


『ぶっ!!!うふふふふふ、っ、そんな振りないじゃん…っ、くくくくくっ』

『明日これでやってみようかな、ミュージカル風に。チャンミィ~ナァ~~~~♪』

『ぶぅーっ!だっはっはっはっ!!パボだ!この人パボだ!』


倒れて笑いこむのか、ひーひー言いながらチャンミンの姿が消えていったから。
見えないチャンミンに、


『おい、やっぱ今日はもうのんびりしよう?ピザ頼むから一緒にDVD観よう』


隣においでよ、そう思うのに。


『そうだったそうだった、作んなきゃ』

『もういいじゃん、こっち来いよ』


浮上してきた人は目尻をエプロンで抑えて、綺麗なまんまる瞳が埋まるほど大笑いしてた。大きな厚い唇から白い歯と歯茎までずらっと見える。

太陽の光いっぱいの、ひまわり




『いやっ♪なんかもう、楽しくてっ!』


  































今でも信じられない。


本当に全部、嘘だったの……?








「……駄目だ……っ、、ちゃんと、受け入れないと……」


チャンミンにはチャンミンの人生があって。我慢させるより、俺に付き合ってくれた裏でも何でも、自分のしたい恋愛をしっかりしてくれてたならそれでいい。
女の子や男と出会って、色んな経験を積んで。それで可愛い彼女ができたんならヒョンとして応援する。

しなきゃ正義じゃない。


チャンミンのことを一番に考えて…
考えて……ちゃんとチャンミンの幸せを、


一番に……




自分の気持ちを圧し殺して必死で納得して、どうして何故、うなされる夜は続いて。
納得して納得して。
次の日会って隣に座るチャンミンの手を見ると、どんな人達に触れて嬉しくなったんだろうとか、この大きな瞳には俺の知らない輝きで見つめる相手がいるんだ…とか、そんなのばかり考えてしまう。
ひたすら目の前の仕事だけに集中してこなして横に居るチャンミンは仕事仲間と割り切って。女々しい想いを振り切って。

そしてまた納得する。すがってそれでも駄目だった、それが現実なんだって。





「ヒョンも来てくれないですか?今日は、荷物の整理が大変そうで…」

「悪い。俺今日約束あるから」


チャンミンは気まずくならないように今まで通り接してくれるのに、ごめん…。
もうつらいとか苦しいとかじゃなくて、痛くて仕方ないんだよ。


チャンミンを先に新しい住居へ帰らせて、十分時間を空けてから約束のレストランへ向かう。ミーティングルームを出たところで今夜約束した仲間達にスマホで連絡して、やっぱり今日はちょっと具合が悪いから…と口から溢れる台詞が歩く足とあべこべだ。


『ユノ大丈夫?今日はゆっくり休みなよ』

「あ、おう。。…悪い、また…日を改めて会おうな……」


心と身体はバラバラで、


「やっぱり、、…今からでも、チャンミナの手伝い……行こうかな……俺も車で来たし、行けるしな…」


他に相手がいるって散々自分に言い聞かせても、傍に居たくて。隣に居て欲しくて。


「…っ。すっ…げー格好悪い…っ、俺……」


チャンミンは俺を見ないのに。

惨めだ、面倒くさがられる、止めろって思うのに手の中のスマホはチャンミンのダイヤルナンバーを探し始める。頭はチャンミンのマンションへ行く道順を確認してる。
足は軽快に動いて、駐車場へすでに着いてしまった。


「へ……」


そこにはとっくに帰ったはずのチャンミンが何故かまだいて、


「うん、やる。いつでも相手になるよ」


誰かとスマホで通話してた。
俺のことなんて全く気付いてない。夜の空を見上げて柔らかに微笑んでる。


「……」


今までずっとここで電話してたの?その相手と。


「ふふっ、今日っすか?いいですよ、でもさすがに少しは寝かせて下さいよぉ」

「……チャ…、」


お前今日引っ越した荷物片付けるんだよな?
チャンミンの返事が妙に甘ったるい猫なで声に聞こえて、胸の黒い霧が一面に濃く出てくる。
ざわざわと。

鳴る。


「……」


何をヤルって言ってる?
少しは寝かせてって………何、それ……


「もちろん受けますって、楽しみにしてます♪」

「…………」






ナニ、ソレ






毎夜必死で押し込めてる性に淫らなチャンミンの現実や自分のおぞましい感情が芽吹いて、




「…っっ、」




車に乗り込もうとしているチャンミンの肩を勢いのまま突き飛ばした。
至極簡単に助手席まで倒れこんだチャンミンの隣に座り込んだけど収まらない。怒り。


「…、っつー…、、」


衝撃で痛がるチャンミンを上の空にぼんやりハンドルを見つめて考えた。


「……」


こいつは、マンネだけど、メンバーだけど、優しいけど。
本当はどうしようもないヤリチン野郎で、俺がいても彼女がいても男女構わず他の人間と快楽を共有できる頭がイカれた奴なんだ。


「何なの、お前…っ」


全然分からんわ、俺。
チャンミンの思考回路が理解できんし分かりとうもない。


「え……」


ゆっくり振り向いて俺を確認するチャンミンの瞳はただ、突然の暴力に怯えて見上げるだけ。
やっぱり俺たちは、繋がってない。


「お前今彼女いるんだよな?幸せなんだよな?今の誰だよ!!?遊んでる男だろ!?」

「え…っ、」


思わず声が張り上がって、チャンミンはさらに怯えてしまう。でも止まらない。


「…っ、大切にしろよ…!!!バレなきゃいいとか…考えずに……その子一人だけ、じゃ駄目なのか?好きなら、、ちゃんと……っ、」





俺ではできなかったことを


せめて、


見せて、






納得させて








解き放って、俺を









「俺も諦めつかないから…!、、頼む。。彼女さん、大事にしてあげて……」



どうして、何故…

どうしてなんだろう



「……ユノ、ヒョンなら…誰でも好きになってくれるでしょう?僕のことなんて、すぐ忘れるでしょ?」

「毎日顔合わせてて忘れる訳ないだろ!!!それよりさっきの奴と縁切れ、早く」



「…………嫌です。これからその人のとこ行くんですから」

「……」







最低






今まで出会った中で最悪の、人間



なのに、どうして






「…行かせない」


いつもそこに閉まってあるチャンミンのカバンを奪い取って見つけたキーを刺してエンジンをかけた。シートベルトを乱雑に引っ張りながら睨み見たチャンミンの目は、どうして……


「行かせないって、どうするつもりですか?」

「……」




なんでこんなに













綺麗なの?





「……車出すぞ」

「…ユノヒョンも約束あったんじゃないですか?」

「もういい。お前のこと、放っとけない」

「……」


ギアをPレンジからDレンジへ。
それ以上チャンミンを見ないように、ひたすら前を向いて。周りの景色と道路に気を配りながらチャンミンの車を発進させた。





きっと俺の目は腐ってしまった










チャンミンの目が


今も変わらず















この世界で最も美しく見えるんだから






片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #25









隣にはユノ。
今日の作業が終わって、僕に背中を向け音楽監督さんと談笑してる。


「さて、と…」


ワールドツアーやアルバムの番宣に関する書類を片付けて、スマホでキュヒョンにこれからマンションへ向かう旨を連絡した。引っ越し初日で色々手伝ってくれる。


「チャンミン、今日自分の車か?」

「はい。マンションの駐車場へ置きたいんで自宅から乗ってきました」

「荷物はもう部屋の中に運んであるからな」

「…分かりました」


引っ越し準備はまるごとマネヒョンがやってくれた。一度くらい戻りたかったのにマネヒョンに断固として阻止されて、結局僕は宿舎に全く足を踏み入れず済んでしまった。
別れたと言っても簡単には信じてくれないのが現状か。


「……」


心配しなくても、本当に別れたのにね。


「……。ユノヒョン」

「んー?」


側に僕達を気にする人達がいなくなってから、スマホでゲームをしだすユノに話しかけた。


「…今までお世話になりました」

「うん。頑張れよ」

「ぇ、と…僕の荷物で、無くなって何か困る物なかったですか?」

「大丈夫。何かあれば買い足すから」

「あぁ、すいません……」

「台所用品は自分で買ってくれる?宿舎にあるのはお手伝いさんも使うから」

「あ、はい…マネヒョンにも言われました…」

「そう」

「……」


僕専用の食器や僕が買った料理器具だってあるのに。何故かそれはマネヒョンにも無視された。
でも強く言えない。


「……」


僕はユノにとって『裏切り者』なんだから。


「うまくいってんの?」

「え?」

「彼女さんと」

「…ああ…っ、まあ…」

「じゃあ、幸せなんだな」

「、、」


どこにも行けない僕だけど、


「あ、勘違いするなよ?別に怒ってるわけじゃなくて。俺のせいで今までチャンミナにはすごい負担かけさせたから。今は幸せでいてくれたら本当に嬉しいなって思って」


ユノや皆の前では、
『幸せ』な振りをしなきゃいけない。


「…はい。今すごいラブラブなんですっ。可愛くて仕方ないって言うか、何でもしてあげたくなります。ヒョン、本当にごめんなさい」

「いや謝るの、俺の方だから。チャンミナにとって最低なこと散々してたのに、俺。今まで本当にごめん。あと…ありがとう」


「……」











何これ……





猛烈に、切ない…………










胸の痛みに連動して皺の寄る眉間がつらい。
ユノの見つめる液晶画面のゲームが、
さっきから何も動かさずゲームオーバーを繰り返しててつらい。
自分の大嘘がつらい。
僕たちの幸福な時間が
「最低なこと」に成り下がっててつらい。

「ごめん」がつらい。
「ありがとう」がつらい。



完全に別れのエンドロールみたいな
この感じがつらい。





「……っ。…僕、そろそろ行こうかな、」

「おう。スジュの皆によろしく言っといてな?」


恋人としてのユノは、
これでサヨナラなのがつらい。


「…。あの、良かったら…、ヒョンも来てくれないですか…っ?今日は、荷物の整理が大変そうで…」

「悪い。俺今日約束あるから」

「あ……そ、ですか…じゃあ…」

「うん。お疲れ」








ユノが次の恋へ歩き出しそうで、つらい。








「お疲れ様です……」


事務所の廊下をぼんやりと進みながらユノの事しか考えられない。

ユノは今夜誰と約束したんだろう。
思い切って何気なく聞けば良かった。

男だろうか。女だろうか。
その人はユノを好きなんじゃないだろうか。
男も女も可能性がありそうで何だかとにかく嫌だ。

ユノが誰かと付き合いだしたら、僕は笑ってその話を聞いてられるだろうか。
ユノが結婚したら、僕はその式をぶち壊すことなく大人しく座っていられるだろうか。
ユノに子供ができたら、僕には不可能なその遺伝子の継承を疎むことなく慈しめるだろうか。



僕たちにできなかったことを

静かな地獄で祝福できるだろうか



「……どうしよ…っ、、」



どうすることもない。

ぐるぐるぐるぐる
ぐるぐる回って

僕は幸せな振りをしながらこの地獄で生きていかなければならない。

白旗を上げたからって、二度とユノと会わないわけにはいなかい。


「……行かなきゃ。キュヒョナ待ってる…」


車の前でやっと親友を思い出すと、計ったようにスマホが振動して通話ボタンを押す。


「はい?」

『チャンミニ?今日暑いけど鍋でもいいだろ?リョウクが作ってくれるって。マンション着いたらスジュの部屋来いよ』

「うん…ありがとう。そうする」

『えっと、、話は、いつでも聞くから。チャンミニが言いたい時に……それより皆、お前とゲームしたいって騒いでてさ、煩いからっ。皆、お前が同じマンションに越してきてくれて大喜び!』


キュヒョンにもスジュの皆にも、ユノとは別れたことしか伝えてない。ユノはユノで僕のあまりの非道さに、沈黙せざるを得ないのかもしれない。

とにかく周りの仲間が今、何があったのか知りたい気持ちを押さえて僕達のために気を使ってくれている。


「…うん、やる。いつでも相手になるよ」

『チャンミン??今夜は寝かせないからねー♪』


次はイェソニヒョンの声が聞こえてきて、昔から可愛がってくれたヒョンの変わらない優しさに自然と口が綻んだ。


「ふふっ、今日っすか?いいですよ、でもさすがに少しは寝かせて下さいよぉ」

『いいやっ、僕が勝つまでは絶対寝かせないっ。早くおいで、鍋食べたらすぐやろう!受けてたて!』

「もちろん受けますって、楽しみにしてます♪」


スマホを尻ポケットに収めて左ハンドルのアウディのドアを開いた。

荷ほどきは少しずつやればいいし、やる気も起きない…。

そんな事を思いながら運転席に乗り込む僕の身体は空っぽのように無防備で、


「!!!」


突然の左肩への衝撃をまともに食らって潔いほど助手席のドアノブまで吹っ飛んだ。


「…っ、いっー…っ」


何が起こったのか分からない。
右肩と腕の痛さに縮こまって、混乱してる頭にはバタンとドアが閉まる音だけが浮き上がった。
振り向くと、




「………ユ、、」




平然と僕を見下ろすユノが運転席に座ってた。







「何なの、お前」

「ぇ……」









現実のホミンホ様を満喫してきました!!!((ノ∀`)・゚・。
それでは2012年夏の「片割れ」へ戻りますー。( ´-`)
ちなみに「猛烈に切ない」は、「Rock with U」から頂戴しましたーっ。

片割れ chap.10
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★YOU-Know TIME★








こんばんは、りょうです。


ユノが帰ってきました。



動きますね、











ユノタイム!!!!!!!(>д<)ノ












TILL2含め、昨日のユノとチャンミンのライブ配信を覗いて涙し、もうお腹いっぱいなんで何をどうこう語るより、さっそくホミンホでいじり倒して宜しいでしょうか???←やりたいんだろ





















超大型スペクタクル短編!?


国民の息子
(元)特級戦士チョン・ユンホ


輝かしい人格と経歴を残し、見事兵役期間を全うした。


そんな誇るべき彼が、
今一番食べたいものとは…??












さすが国民の息子である。
決しておごらず、日々の中で仲間と噛みしめた思い出の品をあげた。






しかし彼の情報を網羅する世界一のスパイキャッチャーがソウル市内義務警察に存在していたのである!!!
(注:ちなみに情報は本人からのカトクや電話や、動画やキュヒョンや同僚や事務所からやら仕入れます)















このバンビです。←












これは、今日か明日か…


はたまた明後日くらいの
出来事である。(たぶん、絶対←)






















長い兵士生活を終えた彼の癒しとは、何だろうか。









そう、それはやはり、何を隠そう
『家』なのである。

この愛しきバンビはスパイなどではなかった。ユンホの心の拠り所、シム・チャンミンなのであった。










そしてチャンミンにとっても今日この日をどれだけ待ちわびていたことだろうか…。











そりゃそうである。彼が食したいものを用意する。内助の功が格別である。
(↑あ、すいません。これ昨日私が作ったやつです。本場のジャジャン麺じゃないですからね💦)















ユンホの顔が、ぴたりと静止した。












そして彼は、告白したのである。


















うおおおおぉぉぉい!!!!???いや普通作るよ!?普通は作って待っちゃってるよ!!?









しかし、ここで疑問が浮かぶのだ。

なぜあの「国民の息子」とまで呼ばれたユンホが、チャンミンという人間を選んだのか…。



それはきっと、


チャンミンという人間の内側から放つ空気そのものを愛しているからなのである。一瞬でチャンミンに心を奪われる言動や品格、それがユンホを捕らえて仕方ないのである。







例えばこのように……、


















(皆さん、是非参考にしましょう)




















彼は、決断したのである。

偉大なる特級戦士よ!
幸あれ!!!



















必死必死、必死すぎ!でも頑張って!ファイティンファイティン!!チャンミン見てるよー!もう体全部使って表現して下さーい!
貴方は全人類の旦那の鏡です!!!涙











しかし夫婦とは、詰まるところこういうものなのである。
想い想われ、命尽きるその時に感謝する。


私たちはこの瞬間、
究極の愛を垣間見るのだ。
























一生やってろwwwwww





















これが私達が未だ見ることない、究極の愛のカタチ…







〈Fin〉



























おもしろおかしくして、本当に申し訳ございませんでした!!謝ります!!!( >д<)、;'.・

















TILL2楽しかったです。
盛り上がったしデュエットはペンラが動かせないほど聴き入りました。




そしてユノさん除隊と。








チャンミーン!!!!!チャンミン居ないと東方神起始まらないってユノさん言ってるよーー!!?早く帰ってきてーー!(´;ω;`)と、心の中で叫びながら








午後のチャンミンの公演見てて

















王の帰還を待ってたのはやっぱり誰よりもチャンミンだったんじゃないかな、と感じました。









誰もが死ぬほど会いたかったって言うけどね、チャンミンには敵わないと思います。だって世界一のユノペンだもの。

そう思うと泣けて泣けて、でもそれは間違ってないと思います。



























もう1人の王が帰還して、


東方神起が動く





























X-DAY→8月18日!!!!!!!!!


coming soon!!!!!!!!!!!!









私昨日からずっとジャージャー麺作って食べてます。。自分でも何がしたいのか分からないです。涙
(画像、お借りしました)
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大丈夫、貴方はこんなにも愛されている。








こんばんはー、りょうです。


最近試練ばかりの「片割れ」にお付き合い頂いて本当に本当にありがとうございます。







最近は……、あれですね。

毎日毎日お二人がどういう気持ちであの時期を歩んでいたのか、物思いにふけり日々を過ごしています。


特にここ数日は気が気じゃないと言いますか、、、はらはらと言いますか、、ほろほろと言いますか、、











うわああぁぁ!!!明日だ明日だ!!!うおおおおお~~!!!









心が痛くて痛くて、、










待ってたのよおお~~!待ってたのよおおお~~~!!!涙
去年の年末からずっとずっと待ってたのよおおーーーっ(´;ω;`)









読んで下さる方には、本当に申し訳ない気持ちもありつつ進めている次第であります…。










TILL2行ってきます♡(´;ω;`)自慢じゃない!涙
やっとですよ!!!1は行けなかったんですよ!涙











結末はまだほど遠く、すぐに仲直りできるのか、まだ少し先になるか、、、もしかしてこのまま……それは私自身も分かっていませんが、











はあうあ~~♡あああーっ!(歓喜)何買おっかなあ~♡











私が見ているユノとチャンミン、そのままをできるだけ忠実に書いていこうと思っています。











何買おっかなあ♡有り金全部持ってかなくっちゃ♡(フィルムコンで破産だ、どんと来いっ!)





 





何故かと申しますと、、、









もう今から家飛び出て行きたい!!!いやでも明日、まずは朝から瞑想を行い自分の心を清めてから行って参ります!!!











感じた二人が大好きだからこのブログを始められた、それに尽きるからです。










!!!ってゆーかさ…!?












なかなか頭の中で悩むこも多く、最近は毎日更新するのも難しいのですが、当時の過去記事や出来事をよく読んでゆっくり丁寧に進めていきまたいと思っておりますので、どうかどうか、これからもゆっくり遊びに来て下さい。











帰って来るんじゃあーん!!?
素敵な怪物帰って来るじゃあーん!!!涙
もうそわそわして自分の生活全然変わんないんだけど、それでも「おかえり!」って唱えたくて今日1日中ペンラ持ってニヤニヤしてたのはこの私です。


「ポクちょと恐い。。」








今日は何だか、ふとビギタオルを洗いました。理由のちゃんとある方から譲り受けたものです。何故でしょう、心も洗われた気分です。。















明日タオル羽織って行くよ!てかさっきまで羽織って家の中徘徊してた!!←もう止めとけ

「ちょっとユノをビビらせないで下さいっ。ってか、ユノは僕のものなんですけど~」

そうだよ!あんたのもんだよ!!!涙
知ってるけどね!!!涙
これからもユノを宜しくお願いします!涙










あ、すいません。。最近少し忙しくて……数日また更新ができないかもしれませんが、、









もうね!本っっ当分かってるから!!!言わなくても!!こんな顔や仕草されたら愛されてるって分かるから!!!涙

↑何このもぎゅもぎゅ感。涙

↑綺麗過ぎてちょっと引くわ。汗









そしてコメントにポチ、ありがとうございます。
今、こんな内容で拍手ポチは押しづらいというコメントを頂いたんですが、最近のポチは拍手じゃなくて、読んだよポチだと思ってます。大丈夫です。笑
あとですね、コメント全然返せてません!本当にすいません!いつも力をもらっているのに。(。´Д⊂)
片割れ10を終わらせて、一度頂いた方々に申し訳ないんですがまとめてお返事記事をあげますので。汗











まあ、、何が言いたいのかと申しますと……




















ユノとチャンミンが大好きでしてっっっ!!!(*ToT)


東方神起が大大大好きなんです!!!




チャミ溺愛ユノペンと言っていますが、どちらも選べないくらい本当に好きなんです。







金銭的にそんなに貢献できてないと思いますし、全然トンペン歴は短いです。。よく頑張ってらっしゃる方には何言ってんだって話かと思いますが( ノД`)…









で、読んで下さって更新を待って下さっている皆様に本当に申し訳ないんが、数日だけ本物の二人に浸らせて頂いてよろしいでしょうか。。(´;ω;`)

ちょっとそれがすごく引っ掛かってまして…更新しなきゃ…ああ、でも…的な。










本当に本当にすいません、、

あ、でも……やっぱり少し更新できたらします。。







とにかく修行へ行ってきます、、
↑TILL2だろっ






(画像、お借りしました)
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片割れ chap.10 #24

(注意)BL表現ございます。18歳未満の方、ご注意下さい。










______C.side______








ユノは僕を





怨んでいるだろう








僕がユノにあんな状況であんな事をあんな態度で言われたら、きっともう何も考えられない。
激昂してユノを刺し殺すかもしれない。


「……、、」


でもユノは翌日きちんと遅れることなく打ち合わせに来た。目も合わないし合ってもすぐ逸らせるし指先一つ触れなければ名も呼ばれず、ただ「おい」と言って僕を呼んだけども。

その次の日からはいつも通りのユノに戻ってた。
スタッフさんとは笑って話す。日常会話は僕も極力混ぜてくれる。レコーディングもフェスやライブの打ち合わせもよく話し合って褒めたりしてくれる。

とにかくきちんと一日を過ごしてた。
だから僕もきちんと日々を過ごした。


「…んーーー、、、」


ぼやけた覚醒が身体の重さを主張する。瞼を開ければまた今日が始まる。

今日は引っ越しだ。
今夜帰る場所はこの自宅でも宿舎でもなく、キュヒョンの暮らすスジュの宿舎と同じマンション。


「……」


起きたくない。ユノに会いたくない。
シーツに身を包まれてこのまま、深い眠りに沈んでいたい。


「…~ん、ぉ兄ちゃ~ん」




それでも今日は来る。
朝は来る。




「お兄ちゃ~ん!十時よお~!」

「……。やばっ!!」


もう事務所へ向かう時間。ベッドから飛び出してリビングに向かう間に朝食とシャワーの優先順位を考えるけどどちらも時間を取るのは難しい。


「母さんごめん!もう行くから!今まで色々ありがとう、父さん達にも宜しく言っておいて!」

「あらー?まだ九時だったわ♪お母さん、間違えちゃったわ♪」

「…え!?」


シム家の永遠の少女がとぼけて笑う。


「まあ起きれて良かったじゃない♪ゆっくりシャワーでも浴びてらっしゃい♪その間に朝食用意しておくから♪」


そう言えば、宿舎生活を始める前、中学校へ通う僕を母さんはいつもこんな風に起こしてくれてた。その頃は十五分とかの時差だったけど、学生の朝の十五分は肝が冷えるほど貴重。


「…ははっ。また騙されたぁ~」

「お兄ちゃんは昔から変わらないわねー♪」

「……入ってくる」


変わらないのはユノだ。

純粋でひたむきで情熱的で信じたものを信じ抜く。いつもストレートで直球で、でも辛い感情や体調の悪さは表に決して出さない。


「…あつ……」


今浴びてるような熱いシャワーは苦手で、アイスチョコは毎日買って飲んでる。


「ユノ……」


でも何より甘いのは、ユノ本人。

ある日ふと夜中に起きた時、隣に眠るユノの寝顔を見た。
前は口をぽかんと開けて寝てたのに、僕がからかいまくってるといつの間にか閉じて眠るようになってた。
意識のない時間でも僕の言った事を気にしてくれてるのかなって嬉しくなるのに、天の邪鬼な僕がまたユノにイタズラする。

ユノの口に二本指を突っ込むと唇は簡単に開かれる。楽しくなってそのままユノの舌を挟んだり白い歯をなぞったりしてると寝惚けたユノの舌は僕の指を追いかけて舐めてくれる。そうするともう腰が疼いて堪らなくなって、指を入れたままスウェットとパンツを脱ぎ捨てユノの顔に股がったところでユノが薄く目を開けた。


『舐めて…』


夜中なのに。無理矢理起こしてすぐなのに。
指を抜いて既に勃起した僕のモノを下に向けてユノの唇に当てると、猫みたいにふにゃんと目が弧を描いて抵抗なく僕を咥え込んでくれる。


それを思い出して、浴びるシャワーの中で手を自身に絡めてみると、オナニーなんて久しぶりで何だかユノにされてるように感じる。


「ぁ…っ、っん、」


僕の性欲は全てユノが受け止めてくれたから。


僕をとろとろに甘やかすユノは小さな口を全力で締めて吸ってくるから気持ち良くて思わず腰が引けてしまう。なのにユノの手が尻を掴んでさらに咥内の奥へ押し込めるから痺れて触られてもないのに乳首が立つ。


「ぅ、ん、っ、ぃい…っ…」

『んっ…チャン、』


止まらなくてユノの髪に両手を差し入れて、もっとねだってもユノは底なしに僕へ甘い。


『ユ、、はぁ…っ、…音たてて。じゅぼじゅぼって…』

『……じゅ、ちゅ、ジュ…、…、…、』


言葉以上の昂りをくれる。


「ぅ、っ、ユノ、ぉ…、っ、」


それと同時に後ろの蕾を揉んでまた別の快感を与えてくれるから、ユノの顔の上で開いている太股はがくがく震え出してどうしようもない。


『……シていい?』

『ふ…っ、ん…』


自分からユノに股がる位置を下半身にずらして下着を脱がせて、ユノは上体を起こしてゴムを着けながらローションを用意して。

淫らな、誰も知らない、僕たちだけの時間。


「ユノ、ユノもぅ…っ」


そこまできてもユノはなかなか挿いってこない。
興奮した溜め息を吐きながら僕の上のTシャツをゆっくり脱がせてまず抱き締めてくれる。少し離れて優しくキスしてくれる。またきつく抱き締めてくれて、キスは深い口付けに変わっていく。


「ぁ、…っ、ん」


肩や背中や腕や腹、鎖骨や尻、頬をなぞりながら、左手は僕の限界なモノを扱いて、右手は胸の突起を弄って、後ろを少しずつ具合をみるように指で解されるからもう堪らない。
頭を振って髪を自分で引っ張らないとイってしまう。


『もう、っ…』

『…っ、』


待ちわびたユノは少し強引で。腰を掴んで奥まで一気に沈め込まれる。でも性急さに身体も心も震える。
もう我慢できないって気持ちが伝わる。


『…くっ、ぁああっ、…ぁ、あ…っ』

『悪い…っ、、』

『大、丈夫…、』



「ぃ、れて…っ」



『横向いて寝て』

『んっ』


今度は覆い被さってきたユノに片足を取られて、対角線上の肩に掛けられると思いっきり腰を使って一番深いところから一番浅いところまでユノの太い肉棒がナカを這いずり回す。


『チャンミナ、我慢汁出てきた…』 

『ぁ、ぅ、ごめ……』

『なんで?嬉しいって』


「挿れて、欲しい…っ、、」


どれだけ扱いてもユノは居なくて、後ろに挿れたいものもなくて、でもユノでイくしかない。

だって僕はユノに創られてる。


『もっと感じれる…?手ぇ貸して。触ってみな……』


「はぁ、ユ…っ挿れて…っ」


居ないけど。


『挿いってるのつらい?』


頭を横にぶんぶん振る。
もっとして欲しいから。


「気持ちいい…、ぅ、っ、、」

『チャンミン』


もっと呼んで欲しい。その声で。


『チャンミン、好き。可愛い』


別に可愛くないけど。
ユノに言われると照れてしまう。
何とか可愛く見えるようにならないかと試行錯誤する。
そしてそれは、僕の仕草の癖になった。


『キスしよ…』


僕もすごくしたい。

舌を絡めモノを掴まれ痛いほど一番奥でぐりぐり掻き交ぜられるとユノに捕われてる感じがして、その苦しさがすごく好きだった。


ユノが狂暴なほど激しく突き上げながらまるで壊れものでも触れるように。
そっと僕の、息が上がって乾いた唇を舌で舐めてくれるから訳が分からなくなる。


「ユノ、ユノ、、」


『はぁ、、…っ、チャンミンヤバい……すごい…挿いってるな…っ、』


「ぅんっ!!、、」


最高に高まる。


「、はあ、はあ、、っ……イけた…、、」


どくどく出てくる精液がそのままお湯にさらわれ流れて行く様を見ながらどっと安心して溜め息をついた。

オナニーも久しぶりならユノの挿入なしでイくのも久しぶりで、最後はナカでイく感覚を何回も味わったまま終わっていたから自分の身体が今どうなってるのか正直分からなかった。


「……あれスゴかったな、」


『イく』というより、『堕ちる』という感覚。
ジェットコースターの一番上から真っ逆さまに落ちる時の浮遊感。恐怖に近い快楽もユノに導かれて真っ逆さまに堕ちて行った。


「……」


たぶん、


「女の子は……もう無理だろうな……」


綺麗で可愛らしい大好きな女性達。
観賞して愛でる熱帯魚のような存在。それ以上は求められても僕は快感を追求できない。


「もうソッチじゃないし……」


かと言ってユノ以外の男になんて欲情しないししたくもない。そんなの考えただけでゲロ吐ける。


「……どこにも行けないな……」


ユノ以外はいらなかったから
ユノ以外は捨てた



僕はこれからどこへ行けばいいんだろう








「はーい。出来てるわよー♪」

「ありがとう…」


これからまたしばらく食べられない母さんの朝食を咀嚼しながら、こんな朝でも美味しいと思える「お袋の味」に感謝する。


「お兄ちゃん、今日から一人暮らし。頑張ってね♪」

「……うん。同じマンションにキュヒョナも居るし、楽しみ…」


向かいに座ってにこにこ僕を見つめてくれる母さんはやっぱり穢れなき少女だ。母さんの純粋な励ましに声のトーンはどうしても下がっていく。


「ユノ君は宿舎に一人で残るの?」

「さあ、そうなんじゃないかな…」

「寂しくないのかしら?ずっとお兄ちゃんと一緒だったのに」

「……そんな、、もう大人なんだから大丈夫だよ…僕もゆっくり一人の時間が欲しかったし…」


そうだ。ユノの純粋さは母さんにどこか似てる。純粋な人に僕はとことん弱い。


「そうなの?だってお兄ちゃん、ユノ君のこと大好きだったじゃない」

「……、」


一瞬息を飲んでしまったけど違う違う。これは「普通」の意味の好きだ。


「…、まあ…うん、好きだけど…」

「なんで宿舎出ちゃうの?」

「それは、だか…」

「ユノ君が心配じゃないの?」

「…ぃや、その…」

「ユノ君より大切な人がいるの?」

「……っ、」


そんな風に畳み掛けないで欲しい。
ユノより大切な人なんているわけない。

僕はもういっぱいいっぱいで、うっかり目頭が熱くなってしまって。これを流したら絶対まずい。変に思われる。
額を擦る振りをして左手で両目を見られないよう隠す。


「頭が痛いの?」

「別に…」

「チャンミン、人と話す時はちゃんと目を見て話なさい」

「……」


母さんの言うことは絶対。やっぱりユノっぽい。顔を上げて母さんを見ると変わらない柔らかな笑顔があった。


「お母さんに何か知って欲しいことはない?」

「……」


言えないよ。


「なんでこの前あんなに部屋で叫んでたの?」

「……仕事、で」

「そうだったの?てっきり失恋したのかと思っちゃったわ♪お母さん」

「…いや…っ…」

「そうだ♪じゃあお兄ちゃん恋人がいるのよね?近い内に紹介してね♪」

「…っ、、」



もうどこにも行けない
ユノしか居ない
でもユノはもう居ない
 


「……してくれないの?」

「…もう、その人は、、」

「何かお母さん達に分かって欲しい事はない?例えば…、そうねぇ~…♪」


  


だけど僕の全ては

生涯ユノのものでしょう、なんて

 



「お母さん達に海外旅行プレゼントしてでも、どうしても分かって欲しいこととか」


「…っ」
 









スヨン…!!!










「ごめんなさい…っ!」

「うん」





シム家の女性は最強。









「僕たぶん、……結婚は…、、…っ」





僕はそれだけしか言ってない。















母さんがどう解釈したのか




どう受け取ったのか























「誇るべき子供が泣き叫んでね、味方にならない親に私はなりたくない」










片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #23










______Y.side______







始めから分かってはいたんです。

始まる前から言われていましたから。




『気持ちばかり押し付けてきて覚悟が足りないんですよ』

『僕を覚悟させて欲しいんです』

『見せて下さい。ヒョンの覚悟を』






チャンミンはおそらく、




言っても
一向にできない私に諦めてくれたのです。



そんな不甲斐ない人間を好いて貰える筈もなく。
一顧すれば容易く承知できるものを。





是が非でもチャンミンが欲しかった私は

チャンミンのその優しさにつけこんで



同情で、
共同生活のため、
TOHOSINKIのため、


本当は嫌だったろうに
呆れていただろうに





欲情のまま身体を拓かせて

精神までも繋げた気になって






気持ちがあればそれでいいとか、
肉体的なことなんて考えてなかったとか、
プラトニックならとか、



チャンミンを獲得するため言い訳を並べ立てていた今までの自分を酷く恥じ入ります。


そんなの偽善です。



心も

身体も

時も

全て合わせてないと気が済まない。




そんな自分は
いっそ跡形もなく流されればよい。












だって今、頭の中に浮かぶチャンミンは…






















______Manager.side______







どんな大失恋をしたとしても

止まない雨はない




明けない夜はない







昨日、ユノが号泣したのには驚いたけども。それでも時間は過ぎて、今日は快晴の朝が待ち受けていた。

きっとチャンミンから別れを告げたんだろう。
先に代表室から戻ってきたチャンミンは平然とした顔で、「ヒョンと話し合って別れました。宿舎を本格的に出て、一人暮らしします」と言うだけ言って帰っていった。

対称的に立ってられないほどショックを受けていたユノはヒョジェと宿舎に運んで、敢えて一人で一晩過ごさせた。

振られて泣き顔を見られて、プライドは傷付いただろうし、何よりユノに頭を冷やして欲しかった。

昨日のユノは朝から晩まで恋に狂ってたから。


「それにしても、」


とにかく俺は今ホッとしている。
チャンミンも自分の気持ちを何となく認めた時はどうしようかと思ったが、結局俺の思い過ごしだったようだし。
性病検査でユノを庇ったのは、単にチャンミンの人としての思いやりだ。愛じゃない。


「さあ~、、…今日はさすがに起きれてないだろうなぁ……、」


ユノの状況も考慮して、今日は早めに自宅を出てきた。
送迎車を宿舎の地下駐車場に停めてエレベーターで階を上がる。廊下を右手に進んで一番奥の扉の施錠を外して中へ入った。


「ユノヤー、生きてるかー」


なるべくラフに。さも気を使ってないように玄関から声をかけながら靴を脱ぐ。
失恋なんて、他人が憐れめば憐れむほど当人に深い傷を自覚させてしまうものだから。

静まり返った部屋は外から聞こえる蝉の鳴き声を際立たせてる。短い通路には白い羽が数枚舞い降りている。


「おーい、打ち合わせ行くぞー」


ユノの部屋をノックしてそのままドアを開けて、


「ユ~ノヤ…」









絶句した。









「…………」


脳が認識したその場の有様をひとまず閉じ込めるようにドアを閉めて、このまま帰りたいと思う気持ちを奮い立たせてゆっくりリビングへ足を運ぶ。

少しずつ目に見えてきた空間も同じような状態で、その中心のダイニングテーブルの前にユノはぽつりと座っていた。




「女々しいだろ?俺」

「……」




何で切り裂いたのか、




「チャンミナの部屋には何もできなかった」

「……」




ユノのベットもリビングのソファーもずたずたで、スポンジとスプリングは盛大に剥き出し、




「大丈夫……今まで通りちゃんとする……」

「……お、う…」




羽やら綿やら
毟(むし)り取られた残骸が散乱してる。




「だからチャンミナには言わないで」

「……スリッパ、持ってくるから。動くなよ……」




ユノの裸足の足下からキッチンにかけて

コップや皿の破片が無機質に散りばめられ、
フライパンや凹んだ鍋は無造作に転がっている。
投げ出された包丁や料理ばさみが鈍く光る。



膝が笑う。



「……っ、」









惨状だった。








「……ほら、履いて…っ。…片付けは、…誰かにやらせるから……」

「チャンミナには言わないで……」

「……怪我は、ないか…?」




虎色の乱れ髪が侘びしい。




「……チャンミナには、言わないで……」

「分かったから…っ…」




痛そうに安心するユノに、従うことしかできない。同情でも冗談でも発しようものなら、たちまち暴れ出し噛み付かれそうで。


憐れむことさえできない。
















______Y.side______









我慢ならなかった






悪いことを考えたくない。
俺に付き合い切ってくれたチャンミンに感謝したい。


なのに頭の中に浮かぶチャンミンは俺じゃない誰かとセックスしてる。誰かと幸せそうに過ごしてる。


壊れそうなほど細い女の子の足の間に入って、女性特有の乳房を優しくしゃぶって腰を突き上げてる。

そんなチャンミンを振り払って新しいチャンミンを想うと、次は四つん這いで上気した顔から嬌声をあげてる。逞しい男の腕に腰を掴まれ引かれ、奥まで貫く挿入を繰り返されてまた喘いでる。

どんなに頑張って幸せだった姿を思い浮かべようとしても、またチャンミンは華奢で可愛いらしい次の女性と料理を作りながら抱きあって嬉しそうに笑ってる。




「……地獄だな…………」




地獄の果てに連れてきたチャンミンは、

心も身体も、違う時を刻んでた。









片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #22











______Y.side______











何も、見えない
 
















どうして見えないの?チャンミン









































無だ



































「…さん、ユノさん、大丈夫ですか?」

「……」


目の前には白いブラウスに黒のスカートをあわせた女性がいた。


「退出をお願いできますか?」

「……」


ヨンミンさんの秘書だ。


「申し訳ありません。来客のお客様がいらっしゃいますので」


ここはヨンミン代表の応接室だ。


「……はい」


壊れた世界から孵化すると、そこはモノクロームの世界だった。
産まれたばかりでまだ焦点が合わない。よく分からないまま立って、歩き出す。

寒く感じる。暖まりたい。

白と黒の殻のような部屋を剥き出て、代表室を抜けて非常階段を降りた。冷房が効いてなくて蒸し暑いのにまだ寒い。

エレベーターには近付けなかった。とても悲しいことがあった気がする。

身体を自由に泳がせていると、更衣室に入って着替えを済ませることができた。そのままふらふら肉体に任せて、練習室のドアを叩いて入る。中には男性が二人いた。


「おー、ユノ…」


それは俺の名前


「ユノ…!お前、、代表と何話したんだ?……チャンミンは、先に帰ったぞ」


それは俺の片割れ


「……チャン、ミナ、、」








だと、



思ってた。








「……っ、っ、、ウソだろ…っ、、?」







信じてた










確信してた








「ユノヤ……」

「ちょ、どした?ユノ……」


ひ弱な足では身体の重みを支えきれなくて、やっぱりフロアに崩れてしまう。マネヒョンとヒョジェが肩や背中を撫でてくれるから、二人にも俺のお祖父さんにも心の中で謝った。









「ぅ、ぁ、ぁあ、っ、ひっ、、」




少し泣いてしまったから。




「…ユ、、」

「……」

「…、っ、ひっ、ぐ…っ」


だけど勘違いしないで欲しい。
それは痛みに耐えられなかったからで、別に悲しみの涙じゃない。



背中の両翼を引き千切られた痛み。
心臓の片側を刃物で抉られた痛み。



痛かったから泣いてしまっただけで、生理的な涙なだけで、寒い真夏のせいにして。


「…っ、チャンミ、ぃ……っ、…っ、、」


自分の綻びを隠した。
ずっとチャンミンを見てたはずなのに、振り向いてしまった。


思わず引き寄せられた百万人の大歓声と希望と熱気の光景を、もしかしたらチャンミンにも見られてしまったのかもしれない。
でもそんなこと、あるわけない。




『ユノに好きだなんて、僕一度も言ったことない』




俺達はまったく繋がっていなかったんだから




「ユノ、、とりあえず…帰るか。。ヒョジェ、肩貸してやってくれるか?」

「あ、うん…」

「マネヒョン、マネヒョンの言う通りだった…っ」

「え?」

「…っ、全部俺の自己満足だった!!全部俺の一人相撲で、チャンミナは同情してくれてただけだった…っ!!」

「……へ…??」「え…」




悲しいから泣いたんじゃない。
ただ痛かっただけ。

 


「………俺が、好きだっただけ……」












片割れだって










信じてた






















______SooYoung.side______







この国の同性愛は、受け入れられにくい。
芸能人、それもスターの人達がそれを認めたことはない。


「…っと、、…ねえっ、見てよお母さん♪またオッパとユノさんの動画上がってるよ♪」

「うーんっ、何だかたくさんありすぎて追いきれないわね~♪」

「これとか見てっ、すっごい仲良し!」

「あぁ、本当ねー♪お兄ちゃん、楽しそう♪」


だけどカップリングで楽しむペンは多い。
女性とくっつくよりそっちの方が秘密の花園っぽいし萌え?るらしい。

ホミンだとかミンホだとか。オッパとユノさんが付き合ってるんじゃないかって、小さな動作や目線の動きで検証し(萌え?)てる動画なんてのもある。
今お母さんに見せてる動画が、まさにそれ。


「な、なんか可愛くなぁい!?」


オッパ達ごめんなさいっ、可愛いとか言っちゃって!でもここは王道らしい萌え?責めでお母さんを攻略したい。

……実の息子に萌えるのかは怪しいとこだけど…。


「ふふふっ♪本当っ。いたずらっ子の兄弟みたいね♪」

「…はあ、、、」


兄弟じゃなくて恋人なんだって。
iPadに流れる二人は、歌番組のエンディング中、カメラには映ってないステージ脇で目線を合わせて笑い合ってる。動画はペンが個人撮影してくれたものだろう。


「……オッパ本当に幸せそう…」

「そうね、ユノ君が居てくれて、本当に本当に良かったわ」


ユノさんが隣のオッパをずっと見てて、それに気付いたオッパがはにかみながらユノさんに笑顔を返す。
この上なく優しい眼差しで、涙袋がぷっくり浮かんで、とても綺麗。
そんなオッパの表情を確認して撮影者側に振り向いたユノさんの顔は……、確かに……、、


「……」


ニヤけてる。。。


「……ユノさんって、格好いいイメージしかなかったけど…」

「あらそう?お母さんくらいの年になると、ユノ君は可愛いわよーっ♪」


二人の事情を知っちゃったからそう見えるのかもしれないけど、……これは明らかにラブラブってやつでしょ。。何なのこれ…、あなた達仕事中でしょ!?ちょっと只今絶賛フリー中の身としては腹立つんですけど。。ってゆーか、私カシオペア!涙


「……」


SK-Ⅱフルセット、+トライアルキット付きをオッパに絶対絶対要求する。


「……お母さんにね、ちょっと相談があるんだけど、、」

「うん。なぁに?」

「ちょっと…私の…友達のことなんだけど、ね」


だけどオッパが、死んでしまうなんて嫌だから。


「男の子同士で……恋人として付き合ってる子達が居て…」

「あらー」

「あっ、でもでも!本当に本当に好き合ってる二人なのっ。真剣に想い合ってるのが私にもすごく伝わる二人で、、なんかこう…この、オッパとユノさんくらい仲良い二人、で…」

「うんうん」

「本当こんな……オッパとユノさん、、」


何て言えば、お母さんも分かってくれるだろう?何で示せば、理解を得られるだろう?


「あ!!お母さん、オッパが海外旅行プレゼントしてくれるって!」

「え、え?何、突然?ふふっ、スヨン話が飛びすぎよ♪」

「……だよね、、」


何をどうしたところで、分かろうとしてくれる人でないと、分かってはもらえない。


「……でも真面目な二人だから、本当は親に自分たちの事を知って欲しいんだけど、悲しませるのが怖くてなかなか言えないんだってさ……」






それでもオッパを助けてあげたい。






「お母さんだったらどう思…」

「お兄ちゃん……、どうしたの……?」

「え?」


お母さんが顔をしかめて見る方向を追うと、いつの間にかリビングの出入口にオッパが立ってた。


「オ……、、」

「何が?何もないよ」

「……オッパ」


オッパの充血した両目の、
目頭から目尻から


「ちょっと疲れたからもう寝るね、お休み」


雫が止めどなく流れて、顎先から落ちてた。
ぽたぽたと。止めどなく。


「……」

「……」



ユノさんの事だ、と直感した。
ふっとパスタ鍋で火傷したオッパを思い出したから。

でも私達が言葉を発しようとした時には、もうオッパは部屋に入った後だった。
突然現れたり消えたり、幽霊みたい。死んだ人みたい。
   

「……お兄ちゃん、、」 

「……」








お母さんと私が身体を強張らせたのは、その次の瞬間だった。











「ぎゃややあああああああああ!!!!!」




「っ!」「っ!」












オッパの部屋から、常軌を逸した叫び声










  
「ああっ!!ああっ!!あ″あ″あああ!!!」

 
   





発狂









「いああああああああああああ!!!!」







 

慟哭








「……」

「……」




お母さんと二人、何も喋れず、動けず





「…!……!!!……!…!」






産まれたばかりの赤ん坊が狂ったように泣く

そんな叫びが聴こえ続けて、









お母さんと少し泣いた。












片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #21










「俺は、俺達の音楽を聴いてくれる人達に希望を持って欲しいんだ……」







その時、







「………」






僕がどれほどユノと繋がってたのか


分かったんだよ






「ぁ……」






ユノの、僕を捨てる音が








聞こえた







「…ふっ、ふふ…」

「……。チャンミン、ユノの言ってることはおかしいか?」

「いえ、何も」

「ユノの立派な信念だ。笑うのは止めなさい」


そんなもの現実に聞こえるはずも見えるはずもないのに、僕の頭の中には視覚的なものさえ見えて笑える。目を閉じてその幻影を追えばもっとはっきり視えた。

額を合わせてくすくす笑い合ってたユノが、突然我に返ったようにきょろきょろ辺りを見渡しだし、僕を捕らえてくれていた腕は離れ、胡座していた足が立ち上がり、やがて一方に走り出す。
僕はそこへ置き去りにされたまま、ユノは光の中へ消えて行った。

それは正しい光だった。きっとそれがユノ本来のあるべき姿そのものなんだろう。


「…ふううぅ、、、……」



だけどあんまりじゃないですか?ユノ

あれだけ大丈夫だと




愛してますと囁いてくれて




「心配することはない、ユノ。これから一年、ワールドツアーに日本ツアー。日本ツアーは全てドームを予定している。…驚くなよ?ラストはあの日産スタジアムも検討してるんだ。フェスも合わせると百万人に近い人達が二人のパフォーマンスを楽しみに来てくれる。凄いだろ!?お前達の力は」

「……百万、人…」

「TOHOSINKI史上初、過去最大になるぞ…!二人の音楽で見る人に大きな希望を持ってもらうんだ。その…、まあ……そうだな……何とか…そのユノの信念と…恋愛を両立できる方法を探していけたらいいんだがな…?」

「あの、俺……」


適当な相槌さえも打てないなんてさ

あんまりじゃない?ユノ……


「では私は次の会議に行くから。とにかく二人と話せて良かった、これからも宜しく頼んだぞ?私は二人の味方だから、また何かあったらいつでも教えてくれ。協力するから。じゃあ、またな」

「……」

「ふふっ。よくもまあ…」

「何だと?」


聞こえるよう嫌味ったらしく言ってやった台詞を、ヨンミン代表は凄味を効かせて拾ってきたけど何の恐怖もなかった。

代表はペンからの愛を使って脅した。
ユノはまんまと情熱の狭間に落ちて動けなくなった。


「……」

「……」

「……」


誠実で真面目な、ユノらしいけどね







ぱたんと閉じられた二人だけの応接間に、ユノがおかしな事を言い出すからさらに笑える。


「……とりあえず……。。チャンミナ宿舎に…帰るぞ……今夜一緒に帰ろう?」

「くくく…っ」

「チャンミナ?」


僕を捨てるくせに戻れと言う。
戻ったところで僕はどうするのさ?

この人は僕をもう見ない
もう戻らない


「すいません…っ、ふふ。まさか、こんなオオゴトになるなんて思わなくって…、」

「……。どうした?」











もう戻れない










「ユノヒョンがあまりにも僕を好きでいてくれるんでずっと言えなくて…ごめんなさい、僕が悪いんですけど」

「………なに…?」



ユノが居ないと僕は死んじゃうから



「本当にすいません……」





















僕は心に



鍵を掛けた












「もともとそこまでヒョンのこと好きじゃなかったんです、僕」







「ぇ………、、、、、」





「なんか色々やってくれるし、悪いなって思って付き合い始めましたけど……」


「ぇ、、、ちょっと。待、って…だって、、っ、」


「もう色々言っちゃいますね?ユノヒョンのいないところで実は僕けっこう遊んでました、女の子と…本当にすいません」

「は……遊ぶ、って、、嘘だろ…っ、?」

「……すいません」

「……」


僕もヨンミン代表のことを言えない。よくもまあ、よくもまあこんなにべらべらと。だけどさっきの代表のクサイ演技よりよっぽど迫真だな、なんてどうでもいいこと思い浮かべながら。


何もかもえぐり飛ばした。


ユノの声は今まで聞いたことないほど震えて顔は息をするのさえ苦しそうだったけど、僕はもう鍵を掛けたから大丈夫。
涙なんてとっくに捨てて潤みもしない。



「し…ん、じない……。チャンミナはそんな人間じゃない……っ、、」


何があっても信じる力。
ユノって本当、恰好いい。





大好き
大好き

愛してる


だから全部







































滅茶苦茶に、ぶっ潰してあげる

























「信じないって言われても…。あと受け入れたのはユノヒョンが初めてでしたけど、ヒョンとできるようになった後は、他の男ともヤってましたよ」


「……、…は…チャ…え……」





もう二度と迷わないように、
ぐちゃぐちゃの嘘をあげる。





「でも最近付き合い始めたのは可愛い女の子なんですけど」

「チャンミ、、っ…」

「ヒョンには情もあってどうしても言えなくて…。それで散歩だって嘘ついて会いに行ってたんですよね」




シックなモノトーンのこの応接スペースの細部まで、僕は一生忘れられないと思う。




「料理作ってたのもユノヒョンにっていうより彼女に作る練習みたいな感じで…」


黒い革張りの高級ソファー
白い光沢のローテーブル
その上の乾いた宣材写真、分厚い名簿
壁には何も飾られていない
小振りの窓はあるけど夕日は沈んだか
大理石らしいフロアに二つだけ黒い汚れ
ユノの黒い練習着は汗の跡がまだ胸元に残ってる


「一人で自立できるくらい行動したいとか格好つけてましたけど、それも本当は宿舎出る口実探してたんです」


「……」

「……」

















ユノ
















一緒に壊れよう
























「お、俺…っ、…チャンミンのこと…本当に好きだっ、たんぞ、…っ」













僕も










地獄の果てまでも愛してる

















「ユノヒョンごめんね、、」

「…っ、……チャンミナ、お願い…っ」


そう言って僕の腕に縋りついて俯いたユノの初めての姿を見ると、捨てたはずの涙が浮かんできて困る。
小さく丸まっているユノにばれないよう息を潜めて深呼吸して、力ずくで涙を抑えこんだ。


「僕が悪かったんです。事務所にこんな迷惑かけるまで言えなくて…。こんな事ならユノヒョンの気持ちを始めからちゃんと断ってれば良かった」

「…、っ、チャンミン、チャンミン……っ」


歯ががちがち鳴り震えて、ユノに聞こえないか心配だ。


「ヒョンとヤるのは別にいいんですけど、代表から睨まれるとかって面倒は正直嫌なんですよ。僕やっぱりこの勢いで宿舎出させてもらいます。…本当にごめんなさい、ユノヒョン。でも本当に、尊敬はすごくしてるので、これからもメンバーとして宜しくお願いしま…」

「チャンミン…っ!!!」
 

「……ユノ、」






















もう戻れない
















「ユノに好きだなんて、僕一度も言ったことない」



「、、、、、」

























僕にはユノしか居なかった。



  




片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #20








___ Young-Min.side______








そう

チャンミンはさすがとしか言いようがない


簡単に併合しない
考察する
思惑に感づく
時間を置けば必ず対策を練ってくる


もう少しチャンミンが成熟した頃
まともに言い合えば、
下手するとこちらが丸め込まれかねない










叩くべきは、ユノだ






強い光は強い信念から生まれている

説得でも諭すでもない

ただ信念を思い出させてやればいい



逃げ道を無くせば












恋は散る














______Y.side______






「ユノは本気なんだな?」

「当たり前です」「……」

「そうは言っても…恋人とは別れるもんだ。別れたらどうするんだユノ。活動が辛くなるだろう?」


やめろ、とか、気持ち悪いとかじゃなくて。親身に今後の建設的な話から打ち出してくれるヨンミンさんの計らいが嬉しかった。


「俺たちは絶対別れませんから。一生、大丈夫です。本気でチャンミナのこと想ってます、間違いじゃない!本当は結婚して、皆から祝福されたいくらいなんです」

「ユノヒョン止めて下さいよ!そんな話したことない…!」


強い意志がないと人の心は動かない。
いかに気持ちが強いか表すべきだろ?チャンミンの悲痛な押し殺す叫びが理解できない。


「俺は本気でそう想ってる」

「ヒョン…!」

「まあまあ、チャンミン。…そうか、結婚かぁ。韓国では難しいが……オランダ、ベルギー、スペイン…。近い将来アメリカでも認められるはずだ。永住権を取得すれば可能だからな。あり得るよ、ユノ」

「とんだ茶番だ!!」

「チャンミナ…」


できないことなんてない。
俺たちが結婚できないっていうなら、そもそも恋人になること自体できないことだったんだ。

ヨンミンさんはそれを証明するような可能性を示してくれたのに、ヨンミンさんを一喝して睨むチャンミンの方がまるで俺も守ってくれてるように見えた。自分自身、そんな妙な心地の中でチャンミンを制した。


「……」


俺は、ちゃんと落ち着いて話できてるよな……?


「ユノ」

「あ、はい」

「公表したいのか?」

「公表はしません。今まで通り、それでいいんです。ただ仲間内で理解してくれる人は広めていきたいと思ってます」


ヨンミンさんは、ふうっと一息吹くと、ぽそりと昔話を始めた。二人で話すといつもそうなる、馴染みの物語。


「お前達を見てると…私はいつも原点を思い出すよ。……TOHOSINKIがデビューする以前辺り。世界中の市場調査で飛び回って…事務所を世界規模まで大きくするんだって息巻いて…。なあ?ユノ、懐かしいな?」

「はい、アジアポップというジャンルを確立したいと」

「うん」


向かいの皮製ソファーで目を伏せてゆっくり頷くヨンミンさんは昔と変わらない野望を今も持ってる。隣のチャンミンは何故か急に背中を丸めておどおどしだして、手を組み替えたり俺を不安げに見上げたりして忙しない。背中をさすって「大丈夫」と呟くと、なぜか不安そうな表情は一層濃くなった。
心配しないで。大丈夫だよ、チャンミン。

だってこんなに愛してる


「ヨンミンさん、ところでチャンミンのことを…」

「ああ、うん。いいんだ。チャンミン早く宿舎に戻りなさい」

「!!ヨンミンさん、本当ですか!?」

「ああ、いいよ。あれはマネージャーが勝手な判断をしただけだ。二人の絆を知ったらあいつも納得するさ」

「チャンミナ!ほら!良かったろ!!」


子供みたいに飛び上がって喜びたい気持ちが溢れてチャンミンの方を振り向いたのに、チャンミンの様子はさっきからちっとも変わらない。


「チャンミナ?宿舎戻っていいって!聞いてたか?」

「……」

「おい…」


全然嬉しそうじゃない。それどころかどんどん青冷めてる感じがする。
どうした?
どうした?チャンミン


「ははっ。ユノ、本当に嬉しそうだなぁ。そんなお前を見てると私も嬉しいよ。マネージャーには私の方からも言っておくから、もう少し私の自慢話にも付き合ってくれよな?代表にもなると、なかなか簡単に高飛車なことが言えんでな♪」

「あはーはーはーっ。ヨンミンさん本当にありがとうございます!」

「……話が終わったんなら失礼させてもらいます…」

「チャンミナ、そんな事言うなよ。ご苦労おかけした分いくらでも聴かせてもらいます♪」


気持ちは晴れて、元通りに戻るだけなんだけどチャンミンがずっと傍に居てくれる有り難さに改めて感謝した。ヨンミンさんの砕けた話し方は、昔彼の家へ住まわせてもらった懐かしい日を思い起こさせる。
尊敬すべき夢追うヒョンだ。


「と言っても、お前達もよく知る仲間たちだがな?」


軽快に席を立ち、腕いっぱいに抱えた宣材写真や名簿をヨンミンさんが応接机に広げた。


「私の自慢の、宝物」

「ああ、はい…!」


そこにはBoA、カンタヒョン、スジュ、エクソ、シャイニー、少女時代、エフエックス、所属俳優や女優、タレント、まだ小さな写真だけの大量の練習生、名簿の事務所スタッフ、社員、傘下の小会社。外注や協賛会社。


「大きくなったろ。うちの事務所は」

「はい、間違いなく韓国一の芸能事務所です」

「本当に……お前達のおかげなんだ。二人がいてくれるから、TOHOSINKIのブランドと収益力でこれだけ多くの人間が輝いてる」

「ははっ。そんな。でも、ありがとうございますっ」

「ヒョン、笑い事じゃない……」

「え?」


さっきからチャンミンが本当におかしい。
だって嬉しい話ばかりなのに。
チャンミンはどんどん沈んで今はもう無表情の殻に閉じこもってしまっていた。


「……ふっ、そうだな。チャンミンの言う通り笑い事なんかじゃないんだ本当に。二人が支えてるんだ。韓国最大の芸能事務所員全員の誇りと生活を」

「……」


ひたすら走って、走って走って
走り続けて気付いたら

俺たちは、ずいぶん遠くまで来ていた


「……はい、プレッシャーもありますが、やっぱり嬉しいです。でも俺たちもペンの皆さんにずっと支えてきてもらったんです。最近は後輩も成長してきていますし、これからも鏡となるよう精進します」

「そうだなぁ、お前は本当にペンに愛されてきた」

「はい。辛い時も苦しい時も、待っててくれたペンの方がいるからここまで頑張って来れました」

「うん……そのペンを切り捨ててユノはチャンミンを選ぶんだ。絶対幸せになるんだぞ?」



「え?」





ヨンミンさんの寂しそうに微笑む顔の意味が、分からなかった。





「ああ、悪い。酷い言い方だったか…私は経営者だから、どうしても常に最悪の状況は想定するんだ。経営でなくとも本来の仕事というものはみな全てそうだ」

「解散、または契約解除ですか…?」

「何言ってるんだチャンミン。さっきも言ったろ?お前達はうちを支えてくれている、したくてもできないのが現状だよ。分かってるからチャンミンもこんな所までのこのこ来れたんだろう?」

「……そうですね」


二人の会話と、さっきまで和やかだったヨンミンさんと俺の会話の温度差があまりにもありすぎてついていけない。


「ヨンミンさん、どういうことか分からない……」

「一生チャンミンと一緒に居たいんだろ?一生と言うことはいつか必ず世間にバレる日が来る」

「……公表はしません」

「しないから安全という保障はどこにもない。それは記者に証拠をすっぱ抜かれるかサセンの盗聴器からか、または仲間内からの密告か、運良くお前達の死後になるかもしれない」

「……」


いつか、公になる日が来るんだろうか?
俺たちは本当に祝福されるんだろうか?


「仕事は激変するだろう。依頼内容も変わってくるだろう。同性愛のイメージが先行して普通のドラマや映画の出演はもうできないだろう。どれだけストイックに頑張ろうがアーティストという肩書きは外されゲイカップルデュオとして一瞬は見せ物のように世界中で話題になるだろう。でもそれだけだ。覚悟ができているなら、それでいい」

「……」


俺たち、アーティストじゃなくなるの……?


「事務所の規模も最小限になるだろう。でも私はそれでもお前達も事務所も守ってみせる。今まで礼儀を尽くして事務所に貢献してくれたお前達を絶対見捨てない。でもな、一番辛いのは…ペンだぞ?」

「……へ……、、、」

「お前達は愛されている。苦しい時期を幾度となく乗り越えて、ペンの信頼度は絶大だ。中には離れていくペンもいるだろう、だがそれでも応援してくれるペンが必ずいる。何物にも代え難い、本物のお前達のペンだ」

「…はい」



「その大事な人達が今度はお前達の身代わりになるだろう……。お前達のペンだと周りにバレた時、『あの人はあの有名なゲイカップルのペンなのよ』と笑われて見せ物にされてるんだ」


「……………」



































真っ黒だ
























触れたことない深さの黒に、


心の臓が震えてる
















「……それでもきっと応援してくれるだろう。チケットを勇気を振り絞りながら購入して、人目を避けながらライブ会場に来てくれるだろう。自分が辛くても悲しくても、もはやゲイの二人に自分は夢見ることもできないけど『ユノとチャンミン、頑張れ』とな」

「俺は……」





頭の中が真っ黒で

暗くて沈殿して

何も浮かび上がってこなくて





「責めてるわけじゃないんだ、ユノ…。人の心は自由なんだ。チャンミンを好きなままでいい。ただ、そういう愛を忘れないようにな」

「……俺、は、、」















チャンミンも見えなくなって














「…素直に思ったままを。なあ?チャンミン…」

「……」

「俺……、」












ただ素直に






思ったままを











ゆっくり



















声に出した




























「俺は、俺たちの音楽を、聴いてくれる人達に、希望を持って欲しいんだ……」





























___ Young-Min.side______















大正解だ、ユノ



信じていたよ









ありがとう















片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #19










______C.side______








上昇する箱の中で、後ろ姿のユノに聞くことは一つだけ。


「どこ行くの?」

「ヨンミンさんとこ。昨日からずっと電話してるのに出ないし何回代表室行っても席外してるって言われて話できない」

「え…」


てっきり昨日何かしらの話し合いを二人でしたんだと思ってたのに。

ユノからヨンミン代表と連絡できないなんて話はこれまで聞いたことない。代表は昔からユノに一目も二目も置いてる。どんなに多忙でもユノの話を聞く時間は取る人だ。
重大な話なら。
尚更そうだろう。


「ねえ、……わざとなんじゃない?それ…」


なぜ話す機会が、いつまで経っても来ないのか?


「そんなのどうでもいい。早く話をつけてお前を宿舎に戻さなきゃ」


僕たちは待ち伏せされていないか?
やきもきしていきり立って、火のように熱い感情を持ったところで打ち砕かれる何かに。


「……話なんてつくわけないですよ。よく考えよう、ユノ。それよりひとまず僕は宿舎を…」

「大丈夫、絶対戻してもらうから。早く帰っておいで」


振り返って顔を近付けてくるユノはやっぱりどこかおかしいけど格好良くて。目を逸らしても頬を捕まれて舌を絡めるよう促す口付けまでは拒めない。


「ん…ふ、っ」


喰われるように被さる唇からぬるぬるで力強い舌まで。気持ち良くて。気持ち良すぎて。ユノ全部が気持ち良すぎて。脳天が痺れて溜め息が漏れる。


「はぁ…んっ、」

「ん…」


その漏れた息すら飲み込まれてまたユノに浸されるから頭がぼぉーっとしてしまう。

兄弟だなんて思えない

こんな時でさえ久しぶりのキスに浮上する僕が恨めしい。
ポーンとまた明るい到着音が鳴って、離れた唇がまた「大丈夫」と囁きながら、ユノはもう歩き出して僕を見てなかった。


「ユノ!」


僕は開ボタンに手が伸びてエレベーターから降りられない。ユノと入れ替わりで乗り込んできた社員の二人がドアの開閉を急かすような顔で僕たちを見てる。


「……あ、僕着替えないと!そろそろ練習始まりますから。後にしましょう、ユノヒョン」

「……」


何だかとても恐い。
僕はもうユノの中で生きてる。
そのユノが僕より大事なもの。それにこれからぶち当たりそうで。


「ほら。もうすぐトニー・テスタが来韓するんですよね?振り付けすごく楽しみですし、柔軟もよくしとかないとっ」


降りたら最期、さっきのキスがさよならの儀式になる気がしたから。
方向を変えて戻ってくるユノに抱きつきたいほど安心した。


「……ヒョン、行きましょう」

「結婚しよう?」

「え?」

「俺たち結婚しよ…結婚して下さい、チャンミン」

「え!!?」「え!!?」


びっくり声と共に息を飲む社員達の方をちらりと見てまた僕を見つめるユノの瞳は静かに狂ってた。

もう誤魔化せない。けど、知ったことか。内部の人間に知られるなんてどうせ時間の問題だ。


「……。落ち着いて……僕たちは、結婚、できません……」


この人は、


「そんなのやってみないと分からないだろ?もしできたら俺たち離れる必要なんてないだろ?」


今、自分が言っている事を理解して言っていない……。


「ユノヒョン……」

「ついて来て、大丈夫だから」


何を言っても聞こえないユノに落胆して俯いた足下しか見えなくなった視界に、ユノの左手が僕の手首を掴んで前へ促す光景が見えたから。


僕はそれ以上見たくなくて、

右手で目を覆って、


「冷静になって…お願いします、ヒョン…」

「おいで。絶対守るからな」

「……っ、、」



我を忘れたユノに従った。



馬っ鹿だよなぁ……っ


あんなやっつけの『結婚して下さい』、ユノはもう覚えてさえないと思う。



それでも嬉しいって

それでもついていくって



信じてるんだ、僕は


ユノを



















だからお願い、僕を捨てないで














だってほら。おかしいって。


「失礼します!」「失礼します……」

「おう、悪いなユノ。チャンミンも。最近ずっと忙しくてな。やっと今時間が取れて、ちょうど呼ぼうと思ってたんだぁ」


全然連絡つかなかったんでしょ?やっぱりおかしい。僕たちは翻弄されている。

レッスンの休憩の度にジェウォニヒョンとダンサーさん達の不思議そうな目に見送られながらマネヒョンの制止も振り切ってユノに連れられて代表室へ向かっても秘書に断られて。
なのにユノが「だから何時でも待つからヨンミンさんに会いたいって言ってるでしょうが!!!」って声を荒げた途端、


「ヨンミンさん、チャンミンを宿舎に戻して欲しい。お願いします!!」

「あぁ、そうだったな!?マネージャーから話は聞いてるよ。ま、とにかく座りなさい。ほら」


心配そうにまるで親身に寄り添うように応接セットへ通されて。


「ヨンミンさん。黙ってて申し訳なかったけど、俺たち…」

「ユノ、私はな、何となくお前の気持ちが分かるよ。チャンミンは本当に善い人間だ。正直私は…うん、二人を応援したいと思ってる」

「…っ、ありがとうございます!!」

「……」

「……チャンミンは、さすがだな…」


頭を下げるユノと対照的に何もしない僕の何が「さすが」なのか分からないけども。

おかしいよ、ユノ。
自分で自分を追い詰めないで。追い込まないで。




これはきっと、


心理戦なんだ





「すいません、お騒がせして……。でもユノヒョンともう一度よく話し合って…」

「チャンミナ、大丈夫だから」

「ユノヒョン、まず代表と顔をあわせて謝れました。あとレッスンも残ってますし…」

「いいよ、チャンミン。久しぶりに三人で会えたんだ。今日はもう夕方だし終わりにさせよう。いいよな?ユノ」

「はい」

「たまには息抜きしないとな?折角だからゆっくり色んな話をしよう」


柔らかに微笑んで内線をかけに席を離れたヨンミン代表に、僕は彼の凄まじい本気を感じてぞっとした。

代表はこんな甘い人間じゃない。
パフォーマンス時ユノと比べてどうしても息の切れる僕に、幾度となく喧嘩腰の低い声で「客にそんな辛そうな姿を見せるな」と忠告されてきた。


「ユノ…っ、」

「良かった…チャンミン、これで戻って来れるな」

「本当に……」


僕を捨てない???


「ヨンミンさん、話して良かったな?もっと早く言えば良かったかな…?」


駄目だよ、そんなすぐほっとした顔を見せて人を信じちゃ。
あんたは本当、昔からちっとも変わらない。


「待たせたな、今ジェウォンに今日は解散させるよう伝えた。…チャンミンは嬉しいだろ?いつも厳しい事ばかり言ってしまうからな、私は。ははっ」

「……」


笑う代表の後ろに、笑う男と女達の影が忍び寄って来る。
何も言えない。恐い。
隣のソファーに前のめりで腰掛けるユノが僕を突き放したら、僕はどこに行けばいいんだろう。


「ヨンミンさん、チャンミナのことは全部俺が分かってるから。俺が全部話す」

「…そうだな。分かった」


僕言ったよね?







お願いだからちゃんと縛ってて



一寸でも解けたら、



僕の魂は






どこかに飛んで行ってしまう






片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #18









______Y.side______









チャンミンの腰は

大食いなのに俺よりよっぽど細くて
向き合うソファーの上で腕を回しても

後ろでゆったり指が組める


その祈りの中にすっぽり収まるチャンミンが
触れるか触れないか程度に喉を触るからくすぐったくて

思わず目を閉じて「それやめろ」って臥せて笑うと、こつんとおでこが当たる感覚とくすくす震える楽しそうな肩

遊ばれてるのに楽しくて

どんな顔で笑ってるんだろうって瞼を開けるとまだ、俯いて笑ってるチャンミンのふさふさな睫毛が掠めてまた、くすぐったい


また瞳を閉じて笑って
また額を合わせて

でも見なくてももう分かる



二人で同じ幸せ、感じてるって


確信してる















俺の片割れは




チャンミンだ




















______C.side______






嫌な予感がする。

切られて繋がらない電話が、そのままユノの高ぶった感情を表してるようだった。掴み所のない不安が気持ち悪くて、うまく寝れた気がしない。


「あら♪お兄ちゃん、アンニョ…」

「ごめん!すぐ出る!」

「え?遅刻?」

「いや、時間通りなんだけどちょっと確認したいことがあって!」


母さんを振り切って送迎を断ってでもユノの様子を早く見たかった。乗って帰ってた車を自分で走らせると気分が少し落ち着く。

マネヒョンかヨンミン代表に連絡を取るべきなのかもしれない。でも憚られた。
結局みんな敵だから。


「……ユノ…


僕たちはきっと、分かって欲しいと願えば願うほど攻撃される。息の根が止まるまで断罪される。祝福なんて永久にされない。身体の一部を切り捨てるように二人の生活を分けて。隠れて潜んで、逃げるしかない。

僕たちの世界は二人しかいないって思い切らされたけど、でも二人居れば十分じゃない?何でそこまで周りに認めてもらおうとするの?


信号待ちでスマホを取り出すと、昨日のユノの大声をまた思い出して溜め息が出た。


「……ふぅ、、…っ、」


ユノは限界だったのかもしれない。強くて男らしいけど、本当は寂しがりやで繊細な人だから。

案外杞憂に終わるかもしれないと思うのに、事務所へ着くと足は運転席から飛び出て早足を止められない。事務所の裏口エントランスをパスカードで抜けてすぐ左に。小走りでエスカレーターに乗り込んで、足を止めるともう汗が流れ始めてる。


「……」


ユノはヨンミン代表を説得すると言った。


「……どうなったんだろ……」


何があっても話は平行線のはず。
ユノは僕を捨てない。
代表は事務所を守る。


「……大丈夫。何も起こってない…」


髪を乱暴に掻き上げたところで停止階を知らせる明るい音が鳴った。自動ドアが開いて、まず更衣室へ向かう前に練習室へ向かおうと思った。


「……、、」


ドアの先には、ユノが居た。


「ちょ…あんた!何で電話出ないんですか!?」


キャップ帽の跡が残る茶髪に上下黒のラフな練習着を着たユノを一番に見つけられて、でも問い詰めずには居られなくて。
右足を踏み出してユノを押そうと腕を伸ばしたら反対に掴まれてしまった。


「何ですか…」


目が据わってて、なんかおかしい。
生気が無い感じのユノに、昨日もう少し別の言い方があったんじゃないかって自分の提案に戸惑う。


「チャンミナも来て」

「え」


元来たエレベーターの奥まで遠心力で引っ張られて、ユノの背中越しの自動ドアは閉まった。













片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #17









______Manager.side______





検査を受けろなんてかわいそうで仕方なくて、口に出すのを何度も躊躇って頭を抱えていたら、チャンミンの方から「何かあるなら言って下さい…」と声を掛けてくれた。

二人を正しい道へ戻したいだけなのに、なぜこんな罪悪感しか生まれないんだろう。


「……分かりました」

「……チャンミン、い、いいのか…?」

「まあ…ヤっちゃったもんは、ヤっちゃったんで」

「お、おいおい……開き直り過ぎだろ…っ」

「あっはっはっは!ですよねー♪」

「お、お、お前もおかしくちゃったのか!?」


そうは言ったが、深い井戸より暗く沈んでたチャンミンが急にあっけらかんとしだして心底ほっとした。


「…、、」

「……チャンミン、、」


いつもよりさらに下がりきったなで肩は微かに上下へ息していて、明らかに平静を保とうとしている。
そして俺を困らせないために明るく振る舞ってるだけなんだという事に気付いて、また罪悪感が生まれる。


「……俺だって本当はこんな事したくないんだよ、、悪いな、チャンミン…」


とにかくチャンミンをさらにえぐるような尋問まではしなくてよくなった。


「マネヒョンが謝ることはないです。どんな目で見られても事実はそうなんで、仕方ないじゃないですか」


今度は、俺の目の前が真っ暗になってしまう。
ユノの話を聞いてそのようだとは検討もついていたが、これで話は単純に二人の距離を離せば収まるわけでは無くなった。
それでもユノよりチャンミンの方が話ができる。


「チャンミンはあれだろ?ユノに…その…ユノの気持ちを汲んで、、そう思い込んでるんだろ?」

「……気持ち悪いですよね?」

「……」


精神をエグれ、と言われた。


「前の僕だったら確実に嫌悪してたんで、……分かります」

「……悪い。。そうだな、俺には考えられない。正直今気持ち悪いって思ってる。お前達、血よりも濃い兄弟だ…」

「そうですよね……」


チャンミンの項垂れるうなじに申し訳ないという気持ちを必死で隠した。
今、血も涙も捨てるのは二人のため。二人は絶対間違えている。


「チャンミン、悪いけど世間も事務所も皆、お前達のことは認めないよ」

「そうですよね……」


説得するならチャンミンだ。
ユノは何だか危うい。ぶれない気持ちが真っ直ぐ過ぎて、まるで弾力のない棒のようにどこかでぽきっと心が折れてしまいそうな気がする。


「……チャンミン、事務所自体も大変なことになるんだ。お前は思慮深いコだから、…分かるだろ?ユノのことを想う気持ちは分かる、でも一度外に目を向けてみないか?」

「……」

「ユノのことは気にするな、ちゃんと俺がフォローしてケアしていくから」

「……分かりました、考えてみます」

「!!本当か!?」


ほら、やっぱりチャンミンで正解だ!


「その代わり検査するのは僕だけでいいですか?検査項目は感染病がほとんどですから。どちらか片方やれば十分なはずです……」


見上げた大きな瞳が、懇願するように悲しみを訴えてきて。一瞬浮上した自分の心がまた罪悪感に苛まれる。

そしてまた気付かされるんだ。
俺が今どれだけ惨いことを要求しているのか。



「……」





お前等、そんな必死に







「僕の結果で異常なしならユノヒョンはする必要ないです。だからヒョンにこの話は持って行かないで下さい。それでいいですよね?」






庇い合ったってな






「…よく知ってるな」

「リスクは予め調べたこともあるんで。ほら僕、健康恐怖症じゃないですか」

「そうだよな……お前は本当に思慮深いコだから、、そうだよな…」







認められないんだよ…


どうしても…
















______Y.side______








チャンミンの声が聞こえる。
俺はすごく焦ってる。


『たぶん、僕もう宿舎に戻れないと思う…』

「は!?ちょっと待て、何か言われたのか!?」

『…そうじゃないけど、冷静に考えるとかなり難しいじゃないっすか。マネヒョンもすごく悩ませちゃって。だから事務所には、僕たち反省して別れたってことにしません?』


「別れ」って言葉の刃が胸に刺さる。
スマホの通話口から聞こえるチャンミンの声が信じられなくて、俺はもう一度チャンミンの言った提案を繰り返した。


「だったら…そう言うんだったら宿舎戻ればいいだろ!?なんで!?別に宿舎出る必要なんてないだろ!?」

『宿舎戻るけど別れましたなんて誰も信用しませんって。本格的に別々の場所に住んで、ここは一旦ほとぼりを冷まさないと』


考えられない。
チャンミンと離れるなんて。


「そんなの考えられない」

『……ねえ、僕達のこと周りから“認めてもらえない”現状を、“認める”ってことも大事じゃない?』



だって俺は

チャンミンが居ないと



「……駄目だ。俺がヨンミンさん説得して絶対チャンミナを宿舎に戻す」

『だから……、無理ですって。それより別々に暮らしさえすれば、たまに行き来するくらいメンバーとして当たり前だし、事務所も何も言えないですよ。周りに怪しまれる心配もないし、誰にも迷惑かけなくて済むでしょ?』



一分一秒



「俺は嫌だ……これからもチャンミナと一緒に暮らす、、」

『……ユノ、毎日会えてる。一緒に仕事もできてる。それを大事にしよう…?』

「そんなの当たり前だ!!」



人生が一粒、ひとつぶ、

無意味にこぼれ落ちてしまって



『お願いします、落ち着い…』

「絶対戻す。大丈夫だから俺に任せろ」




チャンミンを手離せない




『ユノ!』 


終話ボタンを押してヨンミン代表の携帯番号を探す。




そんな夢












「……ん、」


ソファーから起き上がってカーテン越しに明るい日射しを確かめた。
服は昨日帰ってきたままで、床に転がるスマホを取るとチャンミンからの着信履歴とヨンミン代表への発信履歴で埋め尽くされてる。


「……夢じゃない……」




夢じゃない


チャンミンが言った





僕、宿舎を出ますって








「ヨンミンさんと話さなきゃ…!!」


またスマホをタップして、昨夜から一向に出ない発信履歴をコールし続けた。











片割れ chap.10
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片割れ chap.10 #16

(注意)性に関する病名等が一部出ます。気分を害される可能性があります。閲覧には十分ご注意下さい。









______Manager.side______







韓国芸能人で史上初めて同性愛者とカミングアウトしたのは男性俳優。西暦2000年のこと。
日本やアメリカに比べると非常に若い歴史だ。

所属事務所は不当解雇と分かりつつ公表した彼を切った。社会的弾圧が恐かったから。






保守的なこの国の芸能事務所に、
同性愛の容認は存在しない。

何故なら、当事者だけの問題ではないから



バレたら終わり

事務所自体も国家規模の批判と社会的制裁を受ける。
グループ分裂時の騒ぎどころじゃない。

事務所の前にはデモと暴動の嵐が起こり、石を投げられて人糞を撒かれ、火を放たれる。







それほどの大罪なんだ


ユノの恋は













______C.side______






困難な障害で引き裂かれた運命の恋人達すべてが、会えた途端込み上げる熱い想いを胸にきつく抱き締め合う…わけではない。

毎日会ってるユノに、そんな映画のワンシーンみたいな挨拶をやるわけにはない。


「チャンミナ、アンニョン」

「ヒョン、遅かったっすね」

「また忘れ物して、車引き返してもらってた」

「またぁ?ちょっと、お願いしますよ」


事務所の練習室や控え室でユノを待つ日が続いてる。
遅刻をしないユノが少し遅れるようになってきた。それは数分の誤差で特に支障はないんだけど、知らないユノだから心配になる。

朝の支度はちゃんと準備しないのか
部屋の片付けはちゃんとしてるのか
ご飯はちゃんとしたもの食べてるのか

カトクでユノは『やってる』と言うけれど、そこだけはやっぱり信用できない。


「ねえ、本当お願いしますよ?」

「なあ、いつ?」


僕たちの話題で「いつ」とは僕が宿舎に戻れる時で、ユノは分かってるくせに何度も聞いてくる。


「まだ何とも…」


ユノは不安なのかもしれない。でも僕だって不安の色が隠せない。

宿舎を一旦出て自宅から通いだし、事務所から何の連絡もないまま何日も過ぎた。
このまま待たされて“あやふやに何となく”の状況に慣らして僕を宿舎に戻させない可能性だってある。


「誰かに何か言われたか?」

「まだ何も。ヒョンは?」

「…俺も」

「……」


はっきり言ってその可能性の方が高い。
そうじゃないにしろ、事務所が僕たちの関係を容認するという事はおそらくないだろう。

もしかしたら、もう戻れないんじゃ……?
ユノのところに……


「チャンミナ、眉間に皺」

「あ、、すいません……」


ユノの声が柔らかく僕の鼓膜へ響いてきたけど、ユノの指は僕の額に触れてきてくれない。


「……」


前のユノなら意識せず僕に触れて猫の額を撫でるように揉んでくれてた。
ユノは決して言わないけど、相当マネヒョンに責められて僕との接触を自制してるのかもしれない。


「……どうしよ、」

「あははっ、チャンミナまた皺できてる♪」

「……はあ~、、僕、駄目ですね。何か色々考えこんでしまって」


すぐに事務所から何かしら追及されると思ってたのに何日経っても何もないし。こうやって警戒してるだけで疲れる。

周りのスタッフさん達がなるべく遠のいた頃合いで、それでも気にしてあくまでヒョンとしてユノと敬語で会話する、こんな気遣いさえストレス。


「大丈夫。俺も居るし、何か言われたら俺が答える。毎日会ってるんだから何かあったらすぐ言えよ?」

「……はい」


こういう時のユノは強い。
僕も守らなきゃって思うのに、結局いざという時はユノに頼ってしまう。
成長って難しい。


「あんまり…寂しくはないです?」

「ん?」

「いえ、ほら今、ユノヒョン一人ですから」

「あー。なんだかんだマネヒョンがよく泊まってくれてるから。あんまり一人とは感じないかな」

「そうっすか…、、じゃあ、まあ、良かったです…」

「うん」


僕はものすごく寂しくて。
僕の大部分だったユノが仕事場でしか会えなくなって、激しい変化に頭がついていけない。
家族の誰と話してても、何を食べて何のテレビを観て笑ってても、それは僕じゃない僕が動いているだけの毎日で。ベットに入ると必ず、何で僕一人で寝なきゃいけないんだ?って不思議でたまらなくなる。


「チャンミナは?過呼吸とかもう出ない?」

「…あー、」


でもこうして顔を合わせて一緒に仕事できてるだけ幸せか。。
何があっても僕たちを離して活動させることはできない、その最大の強みに安心する。

僕たちは二人でTOHOSINKIなんだから


「あんまり苦しかったんで、またなったらどうしようって怖い気持ちは正直ありますね」

「そうか……」

「でも、もうならないと思います」


ユノが居るなら大丈夫


「またなりそうになったら何時でもすぐ言えよ?」

「イエスっ」

「マネヒョンとか、誰かに何か言われたらすぐ言えよ?」

「それさっき聞きましたね」

「本当何でも言えよ?」

「分ーかったからっもうっ。ほらもう打合せ行かないと!」


僕はこの人を欲しいのは

居るだけで、



幸せで


楽し過ぎて






悲しい気持ちばかりの僕に


光を射してくれるから





「ユノヒョンは何か僕に言うことないんですか?」

「ごめん、実は部屋荒れてる……」

「……戻ったら掃除、絶対手伝ってもらいますからね!?」

「はい…」






光は手離せない












______Manager.side______






「え……」


そのように思い知らせていくのかと、そんな形で無駄に傷付けて、残酷だと思う。
でも確かに危惧するべき点だった。

予め知識を身に付けて置いて良かった、知りたくも使いたくもないものだけど。


「ユノとチャンミンに受けさせといてくれ。頼んだぞ」


寒いほどクーラーの効いた代表室で、芸能事務所らしい華やかなインテリアが飾られた書斎机の書類を整えながらヨンミン代表はさも何でもない事のように言う。


「……次は…性病検査、ですか……」


酷い話だろ?ユノ
だがな、こういう事なんだ

お前のやってることは


「あの……、今まで症状のようなものは何も出ていませんし…現在は別々に暮らさせてます。特に必要はないかと思います」

「これから発症する可能性だってある。潜伏期間の長いHIVの感染は否定できない」

「HIVなんて、そんな…」

「エイズだよ」

「……」


代表は、本当に冷酷だ。
その単語だけで、恐れおののく者だっていると言うのに。


「……実は私個人で徹底的に調べましたが、それは不特定多数の人間と性行為を行った者の場合で、二人の状況からは極めて低い可能性です。むしろ女性の方が感染率の高い病気ですので、検査等につきましては必要ないと思います。それよりユノがかなり本気のようで、てこでも考えを改めようとしません」

「じゃあチャンミンから受けさせろ」

「お待ち下さい。ここは個々に説得して、今後恋愛感情を持たないよう導いてやらないと繰り返してしまいます。これから一年二人にとって飛躍の年になりますので、どうかこれ以上下手に二人の心を乱さないようカウンセリング等で対応をお願い致します。でないとツアーも何もかも滅茶苦茶になってしまいます」


早口で言いくるめられる相手ではないと分かっているけれども。
それだけはやらせたくない。本気なら尚更、心はぼろぼろに傷付いてしまう。


「そうだろ?ただ『二人にとって』じゃない、事務所にとっての飛躍の年だ。今や二人がうちの事務所の純粋利益の約三十五パーセントを支えている。海外収益の約九十パーセントを占める日本に関して言えば半数近くにもなる。二人の身体を案じるのは当然。検査も必然だ。渋ったら今までやってきた行為そのものの内容まで聞け。それからやはり性病の可能性があると言えば応じるだろ」

「しかし……わざとプライベートな所まで粗探しのように聞けと仰られたり…っ、、」


プレイまで晒させるなんてな
そんな馬鹿な話あるか??


「お言葉ですが、それは代表がただ悪戯に二人へショックを与えたいだけではないでしょうか?」

「そう思うか?ショックを与えれば今自分たちがどれほど愚かしい事をしているのか再確認できる。自ずと二人で結論づけれるさ」

「いえ、代表の指示はやり過ぎです。必要以上のことです、現時点で外部に漏れた情報もありません。元々ネットワークの警備は常時しているはずです。それに盗聴器やカメラの有無など、不測の事態に備えて各グループの宿舎はもちろん宿泊部屋さえ予め確認されてますよね?フェイクの問答を本人達に確認してわざと心を乱しても、全く意味もありません」


血気盛んな若い人間を束ねる芸能事務所は、自分たちの管轄下では一寸の綻びもないよう管理してる。恐いのはサセンの奇襲のような突発的侵入で、スキャンダルなんてだいたいSNSや本人の自己管理ミスだ。


ユノに一晩かけて聞いた時も場所も、実は全く意味がなかった。「聞け」と指示されたから聞いた、それだけだ。

ユノの話を聞いた限りでは、確かに、


「…これ以上は法に触れてしまいます」


ユノがどれだけチャンミンを大切に、必要としてるのかまで感じてしまったけども。
そして、たぶん…チャンミンも……。


「同性愛は現在の憲法では違法とはされていません。軍刑法も同姓間の性行為は個人の問題であると、セクシャルハラスメントの無効化を決定しています」

「決定などしていない。未だ最高裁判所の裁判止まりのはずだ。決定は下されていない。あやふやな事を言うな」

「しかし代表の指示は告訴されてもおかしくないレベルだと判断します。義理堅い二人だから何でも受け入れると見られてませんか?」

「……」

「勝手な意見を申し訳ありません、…私にとっても、、」



愛してるんだよ

二人の誇るべき弟達



「二人が弟のように可愛いものでして!!……さすがに我慢なりません……大声を出して失礼しました…」


全く謝る気もなかったが、相手が最高幹部責任者だからそうする他ない。
もがいている二人と冷静なヨンミン代表の狭間でついに爆発した。
俺だって苦しいんだよ。いつも熱くなり過ぎるユノのことを何も言えない。


「……ユノの夢をな…

「はい?」

「…いや、何でもない。じゃあ、SME『帝王』の看板外すか?今年はエクソを本格的に中国進出もさせた。スジュもシャイニーもエクソもTOHOSINKIを呼び水にして鰻登りに認知度を高めてるからな」

「うちの二人はどのグループにも代替できません!後続する練習生達も高い目標を失って迷走してしまいます」

「じゃあ、二人の精神をエグれ。自分達の存在価値と危機的状況を再認識させろ。言っとくがな、TOHOSINKIが崩れたら事務所も共倒れだ。今やあの二人が事務所も金も支えてるんだよ、契約解除はあり得ない。ヒョン気取りは止めて早く血も涙も捨てろ」

「あのコ達は、、まだほんの二十代の青年なんですよ……」

「知ってるよ、幼い時から私も見てきた。私にとっても大切な弟達だ。お前ができないから他の者にやらせる、二人の事情を必然的にその者にも伝える事になるが…いいんだな?」

「……」

「いいか、チャンミンから受けさせるんだぞ。ユノは怒ると恐いからな、はは」


こんなの、拷問だ


「……まずは、カウンセリングを…」

「私達には二人がどこまでの想いなのか知り得ないし、知る必要もない。遊びが興じてそうなったのかもしれない。だが関係ないんだよ、そんな事。私達が必要とするのは、情報漏洩の徹底的排除、危険因子の回避、事務所設立史上最大の収益見込みの達成、以上」

「……了解しました」








酷い話だろ?





だがな















それほどの大罪なんだ



二人の恋は








すいません!なんで…なんでか分かりませんが#15#16の順序がブログの不具合か逆になり、直してたら…!涙
頂いたぽち消滅し…(´;ω;`)本当に申し訳ございません!でもお気持ちは頂いてます、ありがとうございます!

片割れ chap.10
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