片割れ chap.5 番外編#11 ユノの過去












「TOHOSINKIだ!」

「……とーほー、しんき、っすか……」

「そう!決定!お前ら頼むぞ~っ」

「あー、……あのやっぱりもう一度考え直してもらえませんか!?」

「どうした、ユノ?」

「ユノヒョン…!」

「あ……」


チャンミンに袖を引っ張られて、ちょっと落ち着けた。






でも、やっぱり……





……ダサい…………。。





「チャンミナ」


今度は俺が小声でチャンミンを呼んだ。


「はい」

「……ダサくない?」

「あー……ふふ、TOHOSINKIってないですよね、あははっ」

「だよな~!絶対売れないって!」


グループ名が決定した。決定して、しまった……。


「まー売れない時は売れないっすよ、名前じゃなくて実力ですよ、結局」

「あーそっか」


涼しい顔でチャンミンはすんなり言い放った。


確かに、そうだよな


スマンプロデューサーとヨンミンさんのニコニコ顔には応えたいし、チャンミンの言った言葉で本当に納得した。その通り、結局実力なんだ、名前じゃない。


「あと、君達、芸名なんだけど」

「芸名!!」

「あ~はい」

「じゃあ、ユノは~……」


スマンプロジューサーの発言は絶対。言われたら最後。


「はい!!俺自分で考えますっ!!」

「お、何かいい名前考えてるのか?」

「えっと……その……すいません、一番最後までには考えますので」

「何だそれ。まあ、いいよ、じゃあ後は私達と一緒に考えていこう」


皆次から次へ意見を出しあいながら時間をかけて決めていく。でも俺は自分で考えたい。


「よし、じゃあ次はチャンミンだな」

「はい、僕は特に希望もないです」

「う~ん、チャンミンはどうしましょう、スマンプロデューサー。最近チャンミンはヒョン達にもはっきりものを言うようになってきて、マンネですがしっかりしてますよ」

「じゃあ、チェガンでいいんじゃない?海外いけばMAXだし」

「あ…あ~~、、はい」

「よし、決定な。チェガン・チャンミン」

「あ、はい」

「え!?チャンミナ、それでいいの!?」

「あ、はい」

「マジかよ……」


チャンミンって凄すぎ。

一生ものの芸名を流されて決めた、こういうところは理解できない。


「そういうお前はどうなんだ、ユノ。決めたか?」

「俺はですね……」





何か、意志あるものを















置いてあったメモ用紙に書いてスマンプロジューサーに渡した。











「『U-Know』にします」











「ユーノー?」


「これでユノって呼びます。本名とかけてユノ・ユノ、呼びやすくないですか?あと、英語で『知っている』って意味があるから。『私はアナタのことを理解するよういつも努力します』って意味も込めてます」








メンバーのこと

ペンのこと

仲間のこと

スマンプロデューサーのこと



ヨンミンさんのこと







自分に関わる全ての人を理解したい








「……ユノヒョン」

「なに」

「それ、今やってるオンラインゲームのIDじゃないですか……」

「……バレた?」

「バレバレです、……でもなんか、まあ、意味合いは良いんじゃないですかね?」

「だろ!?」

「はい♪」


そう言ってくしゃっと笑ったチャンミンが











チャンミンが










チャンミンが
















なんだろ……?














……ま、いいや


















性格も


育ちも


考え方も








俺とは正反対のマンネ








チャンミンを理解していきたい











『アナタを理解したい』



















これから、ずっと




















































「ユノ?」



「……」






「ユノ……?」




「……あ、すいません、ヨンミンさん」

「どうした?ぼーっとして」

「はは、すいません。……デビューする時のことを思い出してました」


振り返ると、変わらず綺麗な大都市ソウルの夜景。遥かに想像もできなかった景色。


「ユノ……ところで、、」

「はい?」

「『お前が欲しい』んだが……」

「…………」


苦笑しているヨンミンさん。







分かっています


理解しています、アナタのことを








「あの約束は……、本当に必要ですか?」

「あはははははは!!お前やっぱり覚えてたかっ!!」

「あはーはーはー!当たり前ですよ、衝撃でしたから!」


いい大人がいい夜景の中、フェラの約束で大笑い。アホみたいに素敵な夜だ。


「いや本当に悪かった、あの時は。お前……吐いてただろ。ずっと謝りたくてな。……申し訳ない」

「いいえ、ヨンミンさんあの時俺を試してくれたんでしょう?本当にありがとうございます」


ヨンミンさんがいきなり真顔になった。



「いや、本気だったらどうする?」

「……ヨンミンさん」


「なんだ」




「本気じゃない。試しただけです、貴方は」




「……なぜ分かる?」













「だって『U-Know』ですよ?
私はアナタを理解しています」


「……!」


「でもヨンミンさんはまるで約束を守るように、本当に多くのことを私に教えて下さいました。ここまでこれたのは自分だけの力じゃない。ヨンミンさんや皆のおかげです」


ヨンミンさんは最高に優しく微笑んで、アルコールを飲み干した後、再びソウルの景色を眺めた。


「本当にお前は生意気だな」

「申し訳ございません」

「でもな」

「はい」



「やっぱり光るんだよ、ユノは」



「ありがとうございます」

「これからも頼むぞ、チャンミンと」

「あ、そうだっ!!チャンミナに晩ご飯持ち帰りたいんで、やっぱりチゲ頼んでもらっていいですか?五人分くらい♪にゃははっ」

「……あー……どうぞぉ。。……って、お前やっぱりポワポワしてるな~!!もう何っ、私だって今事務所の代表だぞ!?威厳持たせろよ!!」

「あはーはーはー!すいません、やっぱり二人になるとダメですね、俺たち!」






ヨンミンさん、本当にありがとう















宿舎に戻ると、チャンミンがバタバタと玄関まで迎えに来てくれた。


「ユノ!おかえり!電話したのに!」

「あ、ただいま。ごめん、気付かなかった」

「……なんか、あった?」

「え??」

「マネヒョンが代表とユノの会食なんて予定組まれてないって言うから……プライベートだったんですか?」

「うん」

「なんで!?……っ、……すいません、勝手に代表のマネヒョンにも確認したんですけど、、知らないみたいでした。……おかしくない?朝、何だかユノ変だったし。なんか……あるの?代表、と……」


あぁ、俺が変な間作ったからか……


「すごい!俺チャンミナのこと理解できるようになってきてる!」

「……はい??」

「男としたことあるのか~ってやつだろ?それ聞いてるんだろ?」

「ああ……、、まあ……」

「ないないないない!!全然ない!」

「……本当?代表、昔から異常なほどユノびいきだったし」

「うん、本当に大事に育ててもらったんだ、代表に。今日はカムバックのお祝いに何でも好きなものをって奢ってもらった。ほら♪チャンミナ用にチゲも持たせてくれた~♪」

「そうっすか、……あんた何でも許して受け入れるから。変な取引でもしてるんじゃないかと思いましたよ」


ホッとしたチャンミンが愛しくて。
でもチャンミンだからこうなったのに、まだ伝わってないのかな、なんてふと考えてしまう。


「チャンミナ」

「ん?」

「ユノパイいる?」

「………………はい!?」

「胸大きいの好きだろ?」

「……まあ、……ってユノパイって自分で言ってる、あはははは!」

「じゃあ、いいよ!チャンミナだったら揉まれても!」

「あははははっ、だめだっ、本当にユノがおかしい!!」

「ホントホント!恥ずかしいけどチャンミナだけ許す!!」

「だははははっ!!!じゃあ揉みますわ、遠慮なく!てか、チゲくさいユノ」

「あ!……こぼれてる、チゲ……」

「ふふっ、拭くよ!早く!」






ぎゅーってぎゅーって抱き締め合いながら、俺たちはリビングへ戻った。











好き



チャンミン










チャンミンを理解したい





チャンミンを知りたい













永遠に
















ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございます。楽しんで頂けていることを願います。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 韓流二次BL小説へ
にほんブログ村

Fc2


本当は巻きで書こうとしてたので、チャンミンとの出会いはここまで書く予定じゃありませんでした。でも何人かの方からコメ頂いて、ゆっくり書かせて頂く方向にしました。結果、良かったと思います。感謝します!ありがとうです。
スポンサーサイト

片割れ chap.5 番外編#10 ユノの過去









ヨンミンさんは「とにかく大丈夫だから心配するな」と言ってくれたけど、それからも俺とチャンミンの距離は縮まらなかった。このままデビューなんてしたらヨソヨソしさ全開で韓国でのヒットすら危ない気がする。


「チャンミナ!風呂入るぞ、風呂!」

「いえ、僕は後で入ります。学校の宿題終わらせないといけないので」

「じゅあ、待っとくわ!」

「いや本当にいいんで。先お願いします」

「あー、…そう?」

「はい」


凍りつくほどの距離感……





仕方がないから一人で風呂場に行こうとしたら、イトゥクとドンへとシウォンと他のメンバー達もついてきた。


「あはは!!多い多い!入れねー!」

「ユノヤ~一緒に入ろうぜ!」

「ぎゅーぎゅーで入ったら面白いだろー♪」


俺たちはワーワー騒ぎながらシャワーを浴びた。ここの生活ももう少し。デビューと一緒にグループメンバーだけの宿舎へ移る。


「はぁ~……」

「んだよー、溜め息?デビュー緊張?」


ドンへが気を使ってくれた。同期で近隣出身だから何でも話せる。ドンへが大好き。ここにいる皆、大好き。


「いやいや、ちょっとチャンミナがさ……」

「チャンミン?」

「なかなか懐いてくれなくて。俺ヒョンなのに頼りないのかなー?それかまだ恐がられてるとか?」

「へー。でもあいつめっちゃ性格いいぞ?始めは特別待遇で皆粗探ししてたみたいだけど、歌もうまいし礼儀正しいし可愛いし。結局打ち解けてるじゃん」

「まあ……。ま、いいや。出ようっと♪」


そう、皆とは打ち解けてるみたい。俺だけなんか違う気がする。気のせいであって欲しいけど。

ガヤガヤ大勢で風呂から出て、リビングで寛いだ。男同士で気楽だから全員パン一で涼む。気持ちのいい夜。宿舎がなくてソウル駅で野宿した時には想像もしなかった。



これからまた

遥かに想像できない景色が見れるのかな




「ユノって、……やっぱり……ぷ」


シウォンが笑いながらこっちを見てる。


「何だよー」

「胸でかっ!」


爆笑の渦。皆に釣られて俺も笑った。


「だー!!仕方ないの!!どうしようもない、もう。ダイエットしても胸だけ小さくならないっ」


大笑いの声はさらに張り上がってウルサイ。でも皆大好きだから、本当に悩んでるコンプレックスだけど一緒になって自分も笑える。

みんな、ありがとう





「ってかさー、その胸、寄せて上げたらまじ女みたいに見えるんじゃない?」

「へ!?」


それは、ちょっと……


「ユノ~、ちょっとでいいからさ。やってみようよ!寄せて上げてよ!」

「あ、俺も興味ある!ユノの胸がどんだけ大きくなるのか!」

「…え~」

「一度でいいからやってみろよ♪」


男なのに前も横も発達しちゃってる胸。本気で病気かもと思って病院にまで行ったほど悩んでる。正直、、めっちゃ嫌、だけど…。


「じゃあ……」









「おいっっっ!!!!」


怒鳴り声で一気に静まり返った。











「……っ、ヒョン達男同士だろ!そんな事しても楽しくないですよ」

「んだよチャンミン、ノリ悪いなぁ~」


チャンミンがいつの間にかリビングに居た。凄んでる。初めて見た。


「そうだよ、遊びなんだからさ♪」

「遊びじゃねーっすよ。悪ふざけも大概にして下さい。気分悪いです」

「!なんだと~、お前なんだその態度…」



なんかさ、……嬉しくて







「チャンミナ!!!」

「はい?」

「俺やるからさ♪お前もこっち来いよ!」


無理矢理チャンミンの手を取って隣に座らせた。


「いやチャンミナもさー、実は興味あったんだよな?けどムッツリだからー♪仕方ないから今日は可愛いマンネのために一肌脱ぐわ~、ワ・タ・シ♪」

「なんだよ~チャンミン分かりにくいわ~。お前も仲間じゃん♪」


また皆大盛り上がりになって、結局胸を寄せて上げて写メ撮って。俺たちのスタイリストさんにどっきりでメールを送信した。皆返信待ちでワクワクしてる。


「ユノヒョン…!」


隣を向くとスゴい顔で俺睨まれてた、でも初めて「ユノヒョン」ってちゃんと呼ばれた気がする。


「あ、悪い。別に俺の胸なんか興味ないのは分かってるって!」


チャンミンの肩を叩いて宥めた。眉を寄せて口を真一文字にしたチャンミンは弟みたいに可愛いかもしれない。


「……っ、そうじゃなくてですね!」

「ん?」

「イヤならイヤって何でちゃんと言わないんですか……」


あ……、分かってくれてた?


「あ~……でも皆楽しそうだし。俺、みんな大好きだからさ、まあいっかなって」

「なんで何でも許しちゃうんですか、ヒョンはっ。そんなの、ヒョンを利用して漬け込んでくる奴なんてたくさんいますよ!?」



マンネに怒られてるのに嬉しいなんて

おかしいよな?



「……俺バカだから。……信じちゃうんだわ」

「はぁ……本当に、ユノヒョン見てるとイライラしますよ、僕が」

「あははっ、今ここで怒ってるのお前だけだぞっ」

「……ちっ」


スタイリストさんからの返信がきたらしく、皆再び大爆笑。『どんな女だ?』って合唱してるのが返信内容なんだろう。俺とチャンミンだけ、ぼーっと二人で座ってた。


「それとですね、」

「うん」

「別に僕弱い人間じゃないので。さっき揉めそうになった時ヒョン庇ってくれたでしょ。そういうの、いらないですから」

「なんか……チャンミナって……」

「はい?」





強くて、優しいんだな







「俺今すげー嬉しいわ、どうしよう」

「はあぁぁ!!?全然言ってること繋がってませんけど!」

「お前そんな大声出すんだな!スゴい!新鮮!」

「だめだ、この人。頭おかしい……」

「なに~~!?あー顔真っ赤になってる!恥ずかしいんだろ!」

「…っ!やっぱり胸寄せるだけじゃなくて、僕が揉んであげますよ!頭の調子良くなるかもっ」

「ちょ!やめーーーいっ!!」





そうやって俺たちは初めて

じゃれあったんだ


そしたら皆もどんどん突進してきて

皆でじゃれあって



笑い合った











笑い合えたんだ


チャンミンと










誰にも言わなかったけど



嬉しくて痺れた















良かったら、ぽっちんぽっちんよろしくお願いします!頑張ります!
Yunho&Changmin
にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村

Fc2


片割れ chap.5 番外編#9 ユノの過去











「なんか全然俺だけ興味持ってくれないんですよ……仲良くなるどころか避けられてる感じで」

「うーーーん、そんなにまずいか?」


ユノが相談にきた。まだチャンミンと打ち解けられないと言われて、ひとまず二人で宿舎へ行くことにした。あと数ヵ月後にデビュー。チャンミンの様子が見たい。


「皆、お疲れ様。差し入れ持って来てやったぞ」

「ヨンミンさん、こんにちは!」

「うわぁ~、助かります!頂きます!」

「本当にありがとうございます!」


宿舎の連中が物凄い勢いで寄ってきて、一瞬にして差し入れが消えた。さすが大食漢のチャンミンは、インスタント食品を大部分さらって行った。宿舎生活自体には慣れてきたみたいで、一安心する。

一緒に帰って来たユノは、靴を放り投げるように脱いで、真っ先に小銭を大型のペットボトルに落とした。


「ユノ、何だそれ。貯金か?」

「はい♪いつかこれが満タンになったら、福祉団体に寄付しようと思ってるんですっ」

「……でもそんな見えやすいトコ置いて、誰かに取られないのか~?」

「あはーはーはー!大丈夫ですよ~注意書、書きましたし!」


確かにボトルには、『これに触ったヤツは痛い目にあう!!』って書いてあるけど……、差し入れに群がる連中にどこまで効果があるんだろう。


「……せめて、見えない所に置いとけよ?」

「あははっ、大丈夫ですよ!仲間だし♪これは寄付に使いたいんですけど、ヨンミンさんに経営学のことも少し教えてもらってから、いつか福祉施設を俺も経営できたらなって考え始めました」

「お前アジアのトップはどこいったんだー」

「だから歌って躍りながら、福祉施設も経営するんです!」

「うーん、夢がどんどん膨らむなぁ!」

「にゃはははっ。ちょっとシウォンのとこ行ってきます!」





目的のチャンミンを探すと消えていた。


「?」

「ヨンミンさん、お疲れ様です」


後ろから声がして振り返るとチャンミン。何で突然玄関に?


「……。お疲れ様、チャンミンも差し入れ取れてたよな?」

「はい。大好物の辛(しん)ラーメンは全部ゲットしました、ありがとうございます♪」


大分馴染んでる感じがする。リラックスできてるようにも見える。


「どうだ?他のメンバーとも仲良くやれてるか?」

「…あ~、まあ。ヒョン達からすれば僕は新参者なので。逆に気を使ってもらってます」


微妙なニュアンス。でも現実。チャンミンは冷静に周りを見てる。


「うん、まあ、そうだろうな。確かに否定できないな、それは。どうにもならない事があれば必ず相談しろよ? 」

「あ……」

「ん?」


玄関にはもう私とチャンミンしかいなかった。話すには絶好のタイミングかもしれない。


「……」

「いいぞ、何でも言ってくれ」

「……あの、リーダーのユノ、ヒョンのことなんですけど」

「うん」

「なんか僕、ユノ、ヒョンだけは全然理解できないんです……」

「何でかな?」

「何でって……、あの人の行動って突拍子もないっていうか、全然先が読めなくて困惑します」

「うーん、そうだなぁ…そこが、魅力な時もあるんだけどなぁ」




誰にも真似できない光








「……ダンスのことになると鬼のように厳しくて、」


躍りが命だからなぁ


「だけどマナーは滅茶苦茶ですし、」


脱いだ靴も酷いしな…


「それでも皆から頼りにされてて、」


愛されてるよな、ユノは


「だから皆のことも一人一人面倒みてくれるんですけど、」


無条件で信用するしな


「貯金箱を他のヒョン達に、手を着けられてるの知らないんです……」


やっぱり…………


「あ~!ユノってそういうトコ抜けてるんだよー!!」



「はい…、熱い人なのに普段はぽわぽわしてます、ヒョンは」

「……!」




よく分かってる、チャンミン

よく見てる、ユノを




「なんか……苦手です。ユノ、ヒョンは。一緒にいて落ち着かないんです……」





「……それって、さ」

「はい?」





気が付いた。


なんでチャンミンが玄関に来たのか




「別に嫌いってことじゃないよな?ユノのこと」



バラバラだったユノの靴が

きちんと整えられてる。




「それは……まだ分かりません。メンバーですし、努力はします」

「……そういえばユノは今どこかな?」

「戻るといつもシウォニヒョンとこ行くんで、今もシウォニヒョンのとこじゃないですかね?」



うん、チャンミンはユノを

ちゃんとよく見てる。



「……あいつはさ、熱すぎる所があって空回りもするからさ」

「あぁ、それは分かります」

「だけど本当に真っ直ぐで純粋な人間だから、できたら誰か冷静なヤツが傍にいてくれると安心なんだよな」

「はぁ………そうかもですね…」

「あとさ、」

「はい」

「あいつ、あまり辛すぎる食べ物は嫌いだから。覚えておいてやって?」

「あ、……そうなんですか。…覚えておきます…」




ユノの貯金箱になっているペットボトルの隣には、辛ラーメンが数袋置いてあった。












ユノ、大丈夫



チャンミンは大丈夫だよ













番外編。あと2、3話です。
U-know
にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村

Fc2


片割れ chap.5 番外編#8 ユノの過去







とに、かくだ

とにかくチャンミンと仲良くならないと




新しい宿舎はだだっ広い部屋で皆で雑魚寝状態。個人のプライバシーなんてないけど楽しそう。昔から知ってる仲間がたくさんで、何よりデビューする前提のメンバー達だから気持ちも前向きになれた。


「ユノ、ついにだな!」

「ヒチョルヒョン!いや、もうヒチョルでいいか!ははっ」

「お前な~!まあ、お前と組んだグループはダメだったけど、お互いどうにかデビューできそうで……やっぱ嬉しいもんだな…」

「うん、嬉しい……!シウォンも皆もいるし」

「これから楽しみながら準備していけたらいいな!」

「あ、ああ……あの、ヒチョル、ヒョン」

「もういいよ、『ヒョン』は。何どした?」

「えっと、チャンミンとだけ……なかなか今まで話す機会がなくてさ」

「そりゃお前が、初め会った時先制パンチ喰らわせたからだろ?『早くやめろ』って強烈すぎ、だはははは!」

「う……。。でもこれからグループのメンバーになるんだし、とにかく仲良くまずはなりたいんだ。なんかいい考えないかな?」

「うーん」


隅っこで荷物を解いているチャンミン。黙々とこなして、それから他のメンバーと話し出した。


……他のヤツらとは、大丈夫なんだな…


「なんか、さ。何か、ないかな……」


なんか、焦る。


「おー…、じゃあさ!」

「うん」

「お前はなんか普段ポワポワしてるだろ?よく皆にいじられるし。まあ、可愛がってもらってるってことなんだけど。でもあれはヒョンらしくないな。チャンミンにとってお前はヒョンでリーダーなわけだし」

「お、おう……頼りがいのあるとこ見せればいいってことね?」

「そうそう、あと、お互いのこと全然知らないから仲もよくなれないんだよ。お前のこと、教えてやれ」

「ほー……さすがヒチョルヒョン」

「だはははっ、まあ、頑張れよ?」







名案を思い付いた。









ある日、寝る前にチャンミンをリビングへ呼んだ。


「おい!チャンミン」

「あ、はい……何ですか?」

「ちょっと来い」

「え……あ……えっと……」


完全に警戒されてる……これは仕方ない


「いいから!」

「は、い……」


堂々と!ヒョンらしく!


「いいか?これを見ろ」


ビデオデッキにテープを入れて再生ボタンを押した。


「ユノ…先輩、これは何ですか?」

「ヒョンって呼べよ、これからは」

「ああ……はい」


画面に映し出された映像を指で差してチャンミンを見た。


「これ、俺!」

「……」


映像は、前にラッパーのパフォーマンスが放映されたもの。ラップしてバックダンサーとして踊ってる所を何回も巻き戻してチャンミンと二人で観た。


「な?俺だろ?」

「あー、……まあ」

「どう?」

「あー……カッコいい……ですね」

「だろ!?」

「……はい」


なんかイマイチ打ち解けてくれないけど、これで俺のこと少しは知ってくれたかも。


「俺はこういう感じ」

「え??……?こういう、って、どういう事ですか?」

「こういう感じで頑張ってきた。チャンミンは入って間もないし、俺のこと知って欲しかったんだ。これから同じグループのメンバーになるんだし」

「はぁ……なるほど」

「俺、お前と仲良くなりたいんだ」

「ユノ先…ヒョン。仲良くもいいですけど、仕事なわけですから。メンバーのこと知り合うのは賛成ですけど、無理に仲良くしなくてもいいんじゃないですかね?僕はそう思います」





まあ、正論


正論……なんだけど……





「俺チャンミンを好きになりたいし、チャンミンには俺を好きになってもらいたい」

「ふぁ!!?」


チャンミンが変な声出したけど、気にしない。ここは堂々としないと。





だって、そうだろ?


信頼関係ってそういうものだろ?




グループってきっと信頼しあってできるもの





「だからさ、お前のことも教えてよ」

「いやいやいやいや……」

「イヤか?」

「いや、なんか、違いません?」

「何が?」

「……なんか方向間違ってません?変な空気になっちゃってません?これ……」

「何で?なんないよ」

「……空気読めてます?」

「は?」

「…………」


チャンミンは俯いてしまって顔が見えない。唯一見えてる耳は赤くなっちゃってて、もしかしておかしな事言ったかなって不安になった。



どうしよう

もっと距離ができちゃった感じ。

何とかしたい……



「あと、……やっぱり仲良くなりたいし。これからチャンミンじゃなくてさ、愛称で呼ぶな?」

「……もう、好きにして下さい……」

「チャンミナ?チャンミニ?チャンドラ?チャンドル?」

「途中から犬になってるじゃないですか!」

「じゃあ、チャンミナ!」

「……それでもうお願いします」



「あ、あとさ」

「え、まだ?はい……」



「初めて会った時、キツいこと言って悪かったな」

「ぁ…………」

「俺、お前のこと……見た目で辞めるヤツって判断しちゃって。でも実際聴いたら、すげー歌うまいし」

「いや、そんなことは……」

「いや本当にうまいわ。ビックリしたよ、聴いた時」

「……どうも、ありがとうございます」

「俺もこれから頑張っていくから、チャンミナも一緒にやっていこう?」

「…………」








まあ、まだ先は長いし


ゆっくり




ゆっくりいこう




















U-know
にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村

Fc2


片割れ chap.5 番外編#7 ユノの過去










「ええ!!?」

「……はい」


まあ、そうなるだろうな……


「スマンプロデューサーの決定だ。予定は一年後。一年後にこのメンバーでデビューする。これからデビュー組の宿舎に移ってもらうから。チャンミンも実家離れるけど、準備しといてくれ」

「あ、はい…。分かりました」


あまり文句も聞きたくなくて、それだけ言うと解散した。だけどやっぱりユノは突っ掛かってきた。


「ヨンミンさん!!」

「……ユノ、良かったな。ついにデビューだぞ!期待してるから頑張ってくれよ?」

「それは頑張りますけど、、あの、このメンバーで決定なんですか!?」

「暫定だけど、まあ、決定に近い。……不満か?」

「…………」


ユノと一緒に自販機へ向かって、ジュースを奢って一緒に飲んだ。糖分を摂取してなるべくユノを落ち着かせたい。ユノは苦労してる分余計に熱くなり過ぎる。


「あの……」

「うん」

「俺、本気でデビューしたいってのはあるんですけど、そこじゃなくて。本気で成功したいんです」

「うん、いい心掛けだ」

「だから……一緒にやるメンバーもそういう気持ちの仲間がいいんです」

「……どういう意味だ」

「すいません、言っていいか分かりませんけど、、チャンミンはなんか……苦手です。全部他人事みたいな反応するし、冷めてるっていうか」

「あははは!お前と正反対だなぁ~!確かに!」

「……絶対、、合わない……です」

「うーん……というかさ」

「はい」

「お前、……チャンミンが羨ましいんだろ」

「……!!!」


ユノは目をぎゅっと瞑って小さくなった。


「ユノ、大丈夫だよ。何も恥じることないから」

「……っ」

「お前が欲しいもの、全部持ってるんだもんな、あいつは……」

「くそっ!!!!」


ゴミ箱を蹴り飛ばすユノを止めなかった。






チャンミンは確かに凄い。



甘いマスク

強靭な喉

ハイトーンボイス

躾られた礼儀正しさ


未知数の可能性







きっとチャンミンは


もっと可愛くなる

もっと格好良くなる

もっと声が出るようになる

もっと声域が広がってくる






「ユノ……落ち着け。座れ座れ」


ユノをもう一度座らせて、もう一本ジュースを買った。次もイチゴ牛乳、こんな時もなんだかポワポワのユノ。皆に愛されるユノ。



だけど、チャンミンの方にも問題があった。練習生からの話で、チャンミンはストレスが溜まるとやけ食いするというのは知っていたけど、最近特にひどいらしいと聞いていて……。


「お前さ」

「……はい」

「インスタントラーメン四袋食べた後、そのスープの中にご飯二杯と冷凍餃子入れて完食できるか?」

「……今聞いただけで胸焼けしましたよ」

「だよな……」


チャンミンもダンスに苦心してた。陰で友人に電話して泣いてたりしてた。だけど辞めるとは言わない。そこは不思議だったけど。



みんな大変

みんな苦しいんだ




「…ヨンミンさん?」

「分かった、、お前をこのグループのリーダーにする」

「え!?」

「これからはグループで一つだと考えろ。個人プレーじゃダメなんだ。お互い持ってるものを出しあえるグループを作れ、それを一年かけて築き上げろ。分かったな?」

「……はい!」

「なるんだろ?アジアのトップに」

「なります!!」

「やれることは全てやれ。私もたまには宿舎に差し入れ持って行ってやるからさ。やってみよう、ユノ」

「はい!」






しばらくして、ユノとチャンミン達は大所帯の宿舎へ移動した。


















U-know
にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村

Fc2