片割れ chap.1 おまけ






済州島によくいる、数人グループの観光客がわいわいガヤガヤ近付いてきた。若い男性たちばかりだが、その中の一人が特にガラが悪い。

旅行に全身ヒョウ柄って……

はははーうっそーん……

…もうどうでもいいわ



「……おい」

「また来ちゃったよ♪チャンミナ!」

「あーーま~った来ましたかーそんな服で。斬新すぎやしないか?…二回も来られると有り難みがなくなりますねぇ」

「あはーはーはーはー!いやいや今度は俺の友達連れて来たよ、チャンミナ!皆、お前に会いたいって言うからさー」

「お邪魔します!……って、ほぼユンジャの独断だろ…」

「はじめまして!……って、友達にも迷惑かけてるんじゃねーですよ!!!」

「あ、いや。でも一回俺らも来てみたかったし二日前に言われて焦ったけど。飛行機代ユンジャ持ちだし。あんま気にしないで、チャンミン君」

「……本っ当にすいませんあとできつく叱っておきますので…

「そうだよ、チャンミナ気にすんなよ♪チャンミナが恐いから今回飛行機で来たし

「あんたが言うな!!!」

「チャミ、大声出さないでーウルサいよー。前のシャイチャミどこー?キングユノどこー?

「そんなんいねー」

「あはははははは!!チャミ、めっちゃおもしろい♪」

「イ・ヨナさんだ!」

「こんにちわ~♪」

「あの、ファンです!ドラマ頑張って下さい!!」

「な?だからお前ら来て良かったろ?」

「だっから、あんたが言うな~~~~~~!てかホテルの予約してるのか?忘れてないか?してないなら早く手配してもらわないとっ














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片割れ chap.1 #6









___Y.side___




その時のことは 

まだ誰にも打ち明けてないよ



罪深いことかもしれないし

チャンミンもきっと笑うだろ?





でも確かに見たんだよ






俺を見て微笑んだ姿が

敬愛する『彼女』に見えたんだ





チャンミンが






微かに

柔らかく

子供をあやすように優しく笑うから










チャンミンが










聖母マリア様に見えたんだ














___C.side___






隣にいるユノヒョンが僕を見たのが分かった








予感がする







鼓動が耳の裏側で聞こえる

心臓が飛び出そうで舌が痺れる


嬉しかったり苦しかったり
楽しかったり腹がたったり

男とか女とかじゃない

このぐちゃぐちゃな感情が
何なのか分からない





ただ本当に


ユノヒョンは特別なんだ



この気持ち、伝わるかな ?

伝わって欲しい

伝わって欲しいんです




僕はただその気持ちだけでユノヒョンを見た。

そしたらヒョンが呆気に取られたような緊張したような変な顔をしていて、僕だけがこんな感情じゃないんだなって思ったら何だかおかしくなって。



笑ったまま

僕はそっと

ユノヒョンにキスをした



キスと言えるかどうかも危うい、触れるだけの口づけだったけど。




「…………」

「あ~~~~恥ずかしっっ。ああぁ、もう~~……!!!なーんで言い出した張本人が固まってるんですかねっ」

「いや、なんか……」

「分かりましたか?」

「え?」

「……僕にとってもユノヒョンは、男女の関係じゃないけど特別なんですって。それを分かってほしくて、こんなアホみたいな提案にのったんです」

「……ありがとう、チャ ンミナ」

「根拠も何もないですけど、やってみましょうか、二人で」








その夜、僕は夢をみた。




二人で見つけたあの砂浜に
僕は一人で座っている

目の前には暗闇の海
波の音だけ聞こえてる

雲の切れ間から満月が現れる
スポットライトのように海を照らした

その上で
ユノ・ユノが踊りだす


すごく、綺麗だ

頭の先から 指先まで つま先まで 


完璧だった



翌月、マイケル・ジャクソンの追悼公演を観に行った僕は息を呑むことになった。ステージ上に現れたユノヒョンが、夢でみた彼そのものだったから。







僕はこれからも

困惑し、

悩み、

立ち止まりそうになることがあるだろう。





その時はまた済州島に行こうと思う。



あの砂浜に行こう









未来のユノヒョンが

また見られるかもしれないから












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片割れ chap.1 #5





チャンミン


いっぱい、いっぱい


話をしよう











チャンミンお薦め…?の動画を観て散々からかわれた後、俺たちは砂浜を目指してドライブした。本当は事前に調べてた近くの表善海岸で夕焼けを見たかったけど、さすが人気のスポットで人のひく気配はなかった。少し北上したところで見つけた静かな浜辺に着く頃には、とっぷりと日が沈んでいた。

周りはほとんど見えない

海と砂浜と月明かりと

二人だけ


車を降りて、海岸沿いを進む。
俺は波で遊んで、チャンミンはそれを見て笑った。


「別に無理してここまでくることなかったですよ」

「いや、一緒に砂浜で寝そべってみたくてさ」

「ええ~嫌ですよ~。砂だらけになる」

「そう言うと思ってね、途中で買ってきた♪」


持ってきたビニール袋からビックサイズのレジャーシートを取り出して見せた。


「……そういうこと、やればできるんじゃないですか」


俺が急いで広げたシートの上に、チャンミンは素直に腰を落としてくれた。
二人で仰向けに寝ころんで、視界いっぱいに広がる星空を眺める。ちょっと肌寒いけど、今はそれくらいが気持ちいい。
いざ何を喋ろうか迷っていると、チャンミンが話し始めた。


「僕は……、知ってると思いますが両親が厳しく躾てくれたおかげでマナーを気にします。マナーにはそれぞれ意味があるんです。ペットボトルに口をつけないのも、つけるとそこから菌が繁殖しちゃうからです」

「あ、そうなの?」

「あとこれは、エゴかもしれませんが。僕の前できちんとマナーを守ってくれる家族や友達を見ると、僕に敬意を持ってくれているんだと感じるんです。それが嬉しいんです。分かりますか?」

「うーん、親しき仲にも礼儀ありみたいなこと?」

「そうですそうです。でも最近僕はユノヒョンに強要させようとしてたかなって思って。そこは本当にすいません……直したくもないものを他人に強要されるなんて、辛いですよね」

「いやいや、直そうとしてないわけじゃないんだ。チャンミナの言うことはいつも正しいよ。でもその時その時、本当忘れちゃったり他にやることが重なってたりして。俺ね、いつも後から気付くの。それで、あ、またやっちゃったわって落ち込んだり」

「え、そうなんですか?」

「うん。あらかじめやることが分かってたら考える時間もあるから大丈夫なんだ、今日みたいに。チャンミナと海で寝そべって話するんだって決めてたから、チャンミナの嫌がらないようにレジャーシート買わなきゃって思いついたし」

「あー、確かに」

「ほら、濡れてもいいようにタオルも買ったよ」

「ははっ。宿舎から持ってくれば良かったじゃないですか」

「その時はまだ気付いてなかった」

「はははっ。なるほど」

「だからさ、俺たち……全然性格は違うけど、きっとうまくいくよ。大丈夫だよ!」

「はははははっ、全然根拠ねー!」

「いいのっ!!!ちょっと恥ずかしいけど、仲直りのぎゅーしようチャンミナ!」

「ちょ、ぎゅーって!なんですか、その恥ずかしい言い方はっ。こういう時はハグでしょ!」

「あ、そうだな」


自分でもびっくりするほど、俺たちは流れるようにハグをした。


お互い横向きになって

片腕で抱き合って

片方は自分自身の腕まくらにして

頭を合わせた






こうやって、

お互いの気持ちが見えたらいいのにな?





「あ~落ち着くわぁ~」

「…僕はヒョンの胸が改めて柔らかいなって思っちゃって若干ビビってます」

「お、お前ね~~~!!!人のコンプレックスをからかうなよっ」

「さっきのペンが作った動画、最高に面白かったでしょ!?『ユノパイ♪ユノの自作ソングにのせて』ふふっ…、あれはマジで笑えますっ」


しっかり抱き合った腕を離して、俺たちは座り直した。並んで胡座をかいて、チャンミンと今度は海を見つめる。



この先に

未来があるとして

どんな道になる?






「ドライブして夜の浜辺って本当デートの王道っぽいなぁ 。色々恐くてデートらしいデートもしたことないから憧れるわ」

「ですねー。僕も今日彼女と電話で別れたんで相手は未定です」

「マジで!?あ~そっかー……。なんか俺、タイミング悪い時にきた?ごめんな?」

「ぜーんぜん。もう自然消滅に近い形でしたし、未練もありません」

「でも……」

「なんすか」

「さっき、スタッフの人から、チャンミナがよく休憩中に海を眺めに行ってるって聞いて……。何か悩んでるのかなって思ってて。……出ていったメンバー達のこととか」

「はははははっ」

「よくこの話で笑えるな……」

「はははっ。だって、あのヒョン達にも未練はありません。もう戻ることもないでしょう。僕は割り切りましたよ?」

「チャンミナって、すげーな」

「僕が考えてたのは……
ユノヒョンのことだけです」

「そうなの?」

「はい、これからヒョンと二人きりでやっていくんです。二人で言い争って喧嘩しても、また二人で前を向いて歩いていける方法、それを考えてたんです」

「チャンミナ頭いい!すごい!何だろうな、、ソレ今決めときたいな」

「まーこの場で思いつけるとは思えませんが、何か糸口でも掴めるといいですね」





南のリゾート地

夜の浜辺で

二人でできること









「……キス、とか?」


「はあああ!?男同士っすよ僕たち!気持ち悪いですわ!」


「バカ!!例えばだよ!!!なんか…なんて表現したらいいか分かんねーんだけど、 チャンミナは俺にとってすごい特別な存在だし。それぐらいできるよってことが言いたいわけ」



「はぁ……まあ、気持ちだけ頂いときます」

「はいよっ!」




「なんか……まあ、そうっすねー」

「うん、なに?」





「分かりますよ、気持ち」

「何の?」











「だからっ、…すごく特別だから……できるよって気持ちが、です」







俺は思わず横を向いた。



チャンミンはまだ海を見てる















予感がする


いやもう……







今、チャンミンと目が合ったら、たぶん……

















俺、チャンミンとキスする









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片割れ chap.1 #4











「嬉しくて堪らない」と呟いたまま、何かを見つめるチャミの目線の先を追って見る。


ちょうど一台の車が撮影現場の端に停まるところだった。キャストの友人や関係者が応援に駆けつけてくれるのはいつものことだから、特に驚くことはない。


なのに、

その人が助手席から姿を現した瞬間から、私は身動きが取れない。
目の前で作業していたスタッフさん達もぴたりと止まって動かなかった。

何も特別なことはない。

車のドアを閉める、シンプルなジーパンと黒のPコートを着た長身の男性。サングラスをかけていて顔なんてほとんど見えない。唇が微笑んでいることだけ教えてくれる。

右足を出して 左足を進めた



ゆっくりと歩き出す

私たちのいる場所に近づいてくる



その時そこにいた全員、たぶんこの何でもない光景を一生覚えてると思う。

誰も動けなかった。



彼の放つ空気そのものに支配された



信じられる?




その男性が私の隣に座るチャミの前で立ち止まった時、やっと納得したの。



あぁ、これがユノ・ユノなんだって









周りの見物客や観光客がユノさんが応援に来たことに気付いて、どよめいて色めいた。現場が落ち着くのに時間がかかってまた少し撮影が押してしまったけれど、ユノさんは一緒に来たマネージャーさんとケータリングを携えて丁寧に謝罪してくれた。私にもきちんと挨拶してくれて、チャミの言う誠実さが伝わってくる。


「ヨナちゃん、ドラマ観るからね。応援してるよ」

「ありがとうございます。チャンミン君と精一杯頑張らせて頂きます」

「チャンミナ、チャンミナ!!」

「ヒョン」

「来ちゃったよ♪」

「……みたいっすね……で?」

「うん??」

「撮影決まった時に来なくていいって言ったじゃないですかぁー」

「だって、会いたくなってさ」


チャミの大きな目が見開いて、それを見るユノさんは茶目っ気たっぷりに肩をすくめた。さっきの空気が嘘みたい。


「お、お!?じゃあ飛行機の方が早いでしょ!車でどんだけ時間かけて来たんですか!」

「ええ?? んーっと……、マネヒョンと色々立ち寄りながら来たから時間忘れてたわっ。
あはーはーはー!」


すでに車へ戻ったマネージャーさんは運転席のシートを倒して両目にタオルを被せている。二人交代で運転しても相当疲れる距離を、ユノさんは事も無げに笑い飛ばした。


「本っ当に、有り得ないですね~」

「チャンミナとドライブしたかったんだ」

「……!!まさかそれだけのために車で来たんですか!?フェリーまで使って!?」

「そうだよ?ドライブ行こうよ、チャンミナ」

「あー…レンタカーって選択肢もありましたね~。ま、ユノヒョンだから仕方ないですけど。今日の撮影撮り終わったら行きましょう」

「や~たった、やったった♪♪♪」

「そんな歌ばっか歌ってるから、ペンに変な動画アップされちゃうんですよ」

「え!そんなん、あるの??」

「あるあるマジで。すんごい面白いユノヒョンの動画ありました。後で一緒に見ましょう」



なんか

うん


なんか いいな

この二人




それからユノさんは周りのスタッフ全員にも握手を求めて、ひたすら「チャンミンをよろしく」と言いながら回っていった。
チャミは、その日、一度もNGを出さずに撮影を終えた。監督に「チャンミン君のその笑い声が撮りたかった」って言われてて、チャミはまたさらに大きく笑った。











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片割れ chap.1 #3







ユノヒョンと

六日間会話してない



正確に言うと、

六日間ユノヒョンを無視し続けて、そのまま済州島へ来てしまったから、実際には



……一ヶ月近い。




ユノヒョンは行儀が悪い
僕が何度言っても直してくれない
ユノヒョンは直そうとしない


僕はそれを許せない







非常にまずい、と思う。

話し合わなきゃ、と思う。


でも来月からユノヒョンは忙しい。L.A.でダンスレッスンを受けた後ソウルでマイケルジャクソンの追悼公演の予定だ。

しばらく二人一緒の仕事もない。


どうしよう


日にちが空き過ぎて宿舎に戻ることすら恐くなってる。


「ユノヒョンに会いたくない……」





会わなきゃいけない、んだけど

会いたくない




会いたくない、けど

会いたい












再開時間になって現場へ戻ったのに、撮影の始まる兆しはなかった。少し時間が押してる。


「チャミ、気分転換できた?」

「ヨニありがとう。海、気持ち良かったよ」


ヨニが僕の腕を引っ張った。そのまま自分の隣の椅子を引き寄せてくれたから、僕はそこに座ることにした。


「まだ時間かかりそうだから、昼寝しよっと」


ヨニはゆっくり背伸びして目を閉じた。
僕を腫れ物扱いしない優しさがある。


「ドラマの相手役がヨニで良かったよ。演技は大変だけど、ヨニのおかげで気楽にできてる」

「だって同じ事務所で同い年じゃない。TOHOSINKIの状況も知ってるし。いくらチャミがシャイでも、落ち着けるのは当たり前でしょ」

「ありがとう。でもチャミってやめてよ
、変なあだ名だよ」


ヨニが目を開けて、笑った。こうやって僕をそっと励ましてくれる。だけど、僕は未だに暗いままで悪いなって思う。


「まー、色々あると思うけど。ユノさんと一緒なら大丈夫じゃない?」

「そうだね……。……全然性格違うから困ることもあるけどね」

「ユノさんって、どんな人なの?」

「うーん、そうだなぁ……」


喧嘩してても、尊敬してるヒョンだ。


「誠実で、皆に優しくて、」

「あはは!チャミは確かに冷たい!」

「でもお茶目な所があったりする」

「それから?それから!?」

「それから~……」

「うんうん♪」



……………………バカか?



「……バカ

「へ?」

「単細胞だね」

「あはは、何それ?」





僕たちは些細な事で喧嘩ばかりだ

本当に馬鹿みたいだ



「人の気持ちは考えないし」












でも



受けてたちます












「いつも何も考えずに行動するんだ」




それは





「でも、それが」







ソウルから恐ろしく離れた

この美しい済州島で







今、有り得ないものが見えてるから








「たまに、嬉しいことだったりするんだよ」











僕の見馴れた

あの車が見えてるから




「チャミ?」










正直に言います













「嬉しくて堪らないんだ」











本当はずっと会いたかったんです



ユノヒョン














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