片割れ chap.11 #22

(注意)性事情的表現ございます。気分を害する可能性がございます。ご注意下さい。












______Y.side______






夢を見た



俺がチャンミンのことを好きになる夢。


まずその設定からしてあり得ない。
チャンミン男だし。いやその前にずっと一緒に暮らしてきたメンバーだし。

おかしい、おかしい。絶対おかしいから。

本当に気持ち悪い内容なんだけど、夢の中で俺は好きだと閃いた途端チャンミンに告白して、俺たちの物語が始まってしまう。

ないないないない。ないから、本当。

なのにそこからもっとあり得ないことに、チャンミンが戸惑いながらも俺と付き合ってくれたっていう……何を考えてるんだ、俺は。
チャンミンにも合わせる顔がない。

欲求不満だったんだ、きっと。
チャンミンは綺麗な顔してるし、ずっと近くにいるし。そういう妄想を抱きやすかったのかもしれない。だからって許されることじゃないけど。

チャンミンのことはもちろんすごく大事だけど弟として守りたいだけで、好きにはならない。



抱き合ったぬくもりも

はしゃいで笑い合った思い出でも

寄り添って眺めた瞳も


覚えてるけど現実じゃない。



記憶と夢の区別は難しい。
記憶は証明できない。あれは現実じゃない。


あれは幻だ
























だから夢を見た、









そういう呪文を




自分にかけた。























 



 

______C.side______






湿らせたバスタオルでユノの身体を隈無く綺麗にしてもユノは起きない。
どうしようか逡巡していると久しぶりの予兆が来て、時間を潰すためのスマホを持つと僕はトイレに籠った。自分の尻に指を突っ込んで精子を掻き出すなんて僕には無理だから。
ユノの体液なら尚更。出したくない。

ただ少し時間をみて、のんびり便座に座ってゲームでもしとけばいい。


「……昨日ユノとやったゲームにしよ」


腹痛はない。
そういう場合もあるらしいし実際そういう日もあったけど、僕の場合はほとんど腹が緩くなるくらいでトイレの回数が増えるけど全く生活に支障はなかった。

男同士のセックスはユノの方にもリスクがある。何かの病気になったらなったでいつまで経っても知識を付けないユノを思いきり笑ってやろうと企んでいた反面、僕なりにすごく気をつけてきた。


「やっぱりユノってこういうゲーム強くないよねぇ。……ふふっ」


ナカ出しした方が気持ちいいだろうに。
それが男を抱く利点だろうに。
でもユノは、僕の腹が緩くなると分かってから頑なにゴムを使い出すようになった。
たまにはいいでしょ?いいじゃんもうって僕の方が焦れて強行しない限り貫き通された。
理性的なその行為が少し悔しいくらいだったけど、その何万倍も愛を感じた。


「…………」





だって二人で生きていくんだろ?って

ダメージがあることは避けようって





「……いたい……」


だからこそユノからナカ出しを請われたさっきのセックスは本物の終わりだった。こんな小さなことでそう確信する僕は細かすぎるんだろうか。
どちらにしてもユノは確実に本気で。
もう二度とない。

もう二度と僕たちの想いが交わることはない。




「……やっぱ、、おなか、痛い…、っ、、」




嘘。腹なんて全然痛くない。
でもとてつもなくどこか痛い。

胸は最早当たり前のように深く痛むけどそれだけじゃ言い表せない。身体を半分に千切って裂けたような見えなくて苦い激痛。それが僕の中に停滞してる。


「いた…、痛い…痛い……。…寒い……出よ、」


総毛立つ。胴震いする。
個室の肌寒さのせいかもとトイレを後にして熱いシャワーを浴びた。それでも体内ががらんどうになったんじゃないかと思うほどの寒気もする。なんか恐い。恐い。寒い。ぽっかり。空っぽ。


「、まだ、、寝てるかな…っ」


ユノに暖めてもらいたい。寝てるならこっそり隣に潜り込んでユノの熱を傍らに置きたい。
浴室を出てばらまかれたままのスキンケア達もそっちのけで寝室の扉をそっとそっと開けてみると、さっきと同じうつ伏せの状態で眠りこけるユノに会えた。ベッドから落ちてた布団を拾って、細心の注意を払いながらユノと隣に寝転んだ僕に掛けてみる。
ただ二人で同じベッドに寝る、それだけで酷く落ち着ける。


「、、、ふぅ、、、」


なだらかな眠気さえのぼって来る。


「……眠い……」



こういう存在の人を、今から僕は手離す。



でもその後は僕も元いた場所へ戻るに過ぎないから、やっていけないことはないと思う。
ユノと出会う前に沈んでた場所。
悲しくて悔しいから、泣いて諦める世界。


(……そうだよ、僕ってもともとそういう人間だったじゃん…)


悲しいことがある度にそれらを手離して人より劣ってる気がして人見知り。自信なんてまるで持てずに。仲の良い同じ友達とばかり遊んで。静かに大人しく、そして世界はぼんやり霞んでた。普通の、少し冷えた所。

小さい時からの幼なじみには今でもずっと言われてる。


『あのチャンミンがテレビで歌って踊ってるの観ててもやっぱり未だに信じられない。お前そんなガラじゃないのに』


デビューが決まって学校中が大騒ぎになった時も、僕じゃなくて僕と同名の男子がデビューするんだと間違えて騒がれてた。


『チャンミンがデビューって…は?お前!?シムの方なの!?ウソだろ!?あはははは!』


それは9年前の話。
無我夢中だった頃のこと。
すでに変わりだした頃の話。










時も


身体も


心も














「……ユノ





僕をここまでつくり変え、


生かしてきた存在




その光を




「ユノ、起きて……そろそろ時間」

「んー…、、」






そっと




手離した






「ほら、シャワー浴びなきゃ…ね?」

「ぅー………出るまで後何分あるー…?」

「30分くらいですかね、ユノささっと支度できる?」

「…あーもうマズイじゃん…っ」

「うん、だから早く…」

「……」

「ユノ?」

「ってゆーかさ、」

「はい?」











「その呼び方止めろ」

「え……」



















起き出してきたのは














「お前ヒョンくらい付けろよ、馴れ馴れし過ぎ」

「え、、、でも昨日ユノが…」

「だから止めろって。考えたらなんでお前に呼び捨てされなきゃいけないの。俺お前のヒョンだぞ」

「……」

「俺だってメンバーとしてちゃんとチャンミナのこと守ってるつもりなんだから。少しくらい敬えよ」

「…………す…いません、、、」



本気で苛ついた目で嗜めた後、謝った僕を受け流すユノヒョンだった。



「あーなんかすごいスッキリしてる。何でもできそうっ」

「…、そう、良かったです……」


伸びをして仰向けに向き直ったヒョンは、天井を見上げたまま止まってた。
無機質な瞳が逆に何かの決心を確認してるように見える。何か、なんて明白だけど。


「よし、シャワー浴びるわ。お前も準備しろよ」


ベッドから降りて自分と僕の裸体に気付くと眉をしかめて嫌そうな顔。髪を掻き上げて過ぎてくその後ろ姿。持っていかれる布団の中の体温。広い背中。噛んだ尻。スタミナのある太股。光るピアス。

もう僕の人ではないユノ












おはよう


ユノヒョン














パタンと扉が、最後に閉まった。


















______Manager.side______






「お待たせー」

「お待たせしました」

「おう、」


何ともない、といった感じで車に乗り込んできた二人を運転席から迎えた。バンを発進させて無言なのも疑ってるようで悪い。イヤフォンを付けようとしてるユノに声を掛けた。


「ユノ、どうだった?チャンミンの部屋。いい所だろ?」

「ん?うん、いいんじゃない。スジュもいるし。あ、あいつらにチャンミナ宜しくってやっぱり言っとけば良かった」

「まあ、また来た時でいいだろ」

「俺はもういいや。でもこの高層マンションなら彼女さん来ても大丈夫なんじゃない?チャンミナ寂しいんなら来てもらえば?」

「…そうですね、ちょっと言ってみます」

「……は???」


聞き捨てならない会話が後ろから飛んできて頭がショートしそうになる。ユノとチャンミンの関係ばかり悩んでたから話が飛び過ぎて理解できない。


「え、ちょっと待て、え?」

「あれマネヒョン知らないの?チャンミナ彼女いるよ。なあ?」

「…はい」

「は!!?」


目玉が飛び出るかと思った。思わず叫んで、そこが信号待ちの交差点でしみじみ良かったと溜め息をつく。振り向いて見たチャンミンはスマホでゲームしがてら、ばつが悪そうに俺を一瞥して液晶画面へ戻っていった。
でも気味が悪いほど驚いたのはユノの方。

何食わぬ顔で、
本当に何とも思ってない顔で、


「チャンミナも頑張ってるし気を付けるだろうから、ちょっとは見逃してあげてよ。な?マネヒョン」

「いや、お…っ、」


お前それでいいのか?と、言いそうになった自分を慌てて飲み込んで叱咤した。

いいも何もない。これが正解。
これが正常。弟思いで溺愛のユノに驚く俺の方がおかしい。


「マネヒョン、信号青ですよ」

「あ、うん…」


チャンミンに促されて、車を進めるけど頭の中が混乱していて整理しなければいけない。


「チャンミン、そうならそうと言ってくれよ。……その、、相手も芸能関係者か……?それとも一般…」

「あ、俺も聞きたいっ。夏前にはもういたよな?すごい可愛いんだろ?」

「……まあ」

「、、」





ユノに気を使って言い淀む俺の質問を遮って、ユノが陽気にチャンミンへ話し掛ける。


「チャンミナは綺麗系で清楚な女の子が好きだもんな。やっぱり芸能人?もしや日本人とか?」


ざくざく問い掛ける。

正直、ゾッとした。


「…もういいじゃないっすか。そっとしておいて下さい」

「お前冷たいなぁ。あー羨ましい、俺も恋愛したいけど今は忙し過ぎるからなぁ~。あははっ♪」


ユノが不気味で仕方ない。演技でもない。
昨日まであんなにチャンミンを追いかけてたユノが今日はあっけらかんとしてる。

夏前ってお前ら付き合ってたんだろ?
チャンミンに本命の彼女がいた。それは頷けるし喜ばしい事だけど、つまりユノは裏切られていたということで。


「……ゅ、ユノは、、大丈夫…なのか……?」

「何がー?」

「いや、悪い、、何でもない…」


ここまで吹っ切れるものなのか?
若いコの恋愛感覚?
プロだから?
それとも俺の頭の回転が悪いだけ?


「…………」


俺の結論は、その先は考えないことだった。
何せ元に戻った。
悪いことは起こらない。
正常なんだから。
悪いことは、絶対起こらない。


「……ふっ」


気付いたら鼻で笑ってた。

恋だの愛だの、結局はこういうこと。
真実のーとか、究極のーとか、皆始めはそう思うんだよ。勘違いするんだ、全員。
正当化しようとする、この胸のときめきは間違いじゃないって。
でも中を掘ってみたらこれだよ、結局。

そういうこと。
大人になったっていうこと。


「だあー!もう!お前ら本当に心配させやがって!」

「あははははっ、マネヒョンがキレたぁ~」

「すいませんでした……」

「はあ、良かったぁ」


だからとにかく、それ以上は考えないことにした。何故ならTOHOSINKIはこれから息も抜けないほど忙しくなる。そちらに集中しなければならない。集中する。集中したい。もう考えたくない。


「……よし、カムバックは思い切り攻めるぞ。集中できるよな?」

「うん」「はい」

「もう馬鹿なこと考えるなよっ」

「あははっ」「……。ふふっ」




それ以上のその先にある、
一粒の奇跡のような想いなんて。
















ありがとうございました。色々ごめんなさいね?
片割れ chap.11
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片割れ chap.11 #21








お互いの、息を詰める暫くの静寂

腹のナカと上に広がる精液の感覚



追いかけるように深い吐息がついて出ると、僕の間にゆっくりユノが落ちてきた。膨縮する胸に合わせて呼吸を整えると、ユノと一つの生物になってる気がする。

それが何故か、懐かしい

握り締めてくれてた手の力が抜けてきて、やがてユノの呼吸は寝息に変わった。


「…ユノ…っ…?」


返事のないくぐもった息を頼りに目隠しのタオルをやっと解いて、真上の弛緩した身体を思いっきり抱き締めた。
良かった、起きたままだったら先にシャワーを浴びてもらおうと思ってた。でもまだこうしてユノの肌を確かめる時間が残された。嬉しい。


「……っ、、、ぇくっ、、っ、ひっ、…ぐ、」


涙って不便だ。
なんで出てくるんだろう。


愛してますと言われて

始まりの時を聞かれて

最後だよと言われて



どうしても





「ぅぇ…っ、、ん゛んっ、、ひっ、ひっ、、」





堪えきれなかった。

今度こそ舌を噛み切る程度じゃ抑えられない、そんな涙に襲われて。ユノから与えられる悦楽の最中、場違いにも垂れ流し続けてた。


「ユノ、……僕も……」


安らかに僕へ全体重をかけて眠るユノは屍(しかばね)のよう。ちゃんと寝れてた?


そんなユノだから、告白できる。







す、……好き、、



声は出さずに。口だけ動かして。

叫ぶ。



っ、大好きっ



ピアスごとユノの耳をしゃぶって。



愛してる…



零れ続ける滴を濡れたタオルに含ませながら。



……愛してます



規則正しい寝息をたてるユノを、身体をうまく動かしてベッドへ沈ませた。ナカにまだ挿ってたユノ自身が出ていって、こんなことしてバレやしないか心配だったけど寂しくてたまらなくて落ち着いてるユノのモノを強引にまた挿れようとした。
結局駄目だったけど。寝てるユノに。狂気じみてる、僕。
諦めて僕の体液で汚れたユノの腹を拭いて、ぽかんと空いた唇に触れるだけのキスをする。



サランヘヨ、ユノ…っ、、



ユノの寝顔は穏やかで、赤ちゃんみたい。何の煩悩もない、悲しみも苦しみもない表情してる。仏像ってもしかしたら人の寝顔をかたどっているのかもしれない。


ぼ、くは…っ、楽しそうな、ユノが、、っ、一番…好きでしたよ…?


僕は泣きすぎて頭が痛い。

煩悩だらけ。駄目だらけ。 






でも僕が途中から覚悟しだしたこの終わり方は、正解じゃなくても間違いじゃなかったと思う。




………だってあんた優しいから……。僕を振ったら、罪悪感で苦しみ続けたでしょ…?



いつか選択を迫られた時、僕とTOHOSINKIを天秤にかけたら、ユノが僕を選ぶ事はない。でもユノは僕のことをずっと気にして生きていく。
ずっと、ずっと。
十字架を背負うように。
外しちゃいけない足枷(あしかせ)のように。



そんなこと、しなくていいのに。



ユノ、サランヘヨ……


抱えきれないほどの愛を貰ってきた。
誰よりも愛されてきた、ちょっと鼻高々になるくらい。実は皆に自慢したかったくらい。


「……、ふふっ♪、、…っ、、っ、、」


思い出すと涙が倍増して困る。
けどそれは本当のことだから。


っ、…めっちゃ嬉しかったですよっ


僕はと言えば、ユノと正反対で。
ありがとうとも好きとも言えず、寄ってくる女も男も牽制してはふんぞり返ってた。
ユノを試すようなことばかりして、僕は一体何様のつもりだったんだろう。


本当に、、ごめんなさい……




申し訳ない気持ちでいっぱいで、

もうユノを光の当たる場所へ帰すことくらいしかできない。




ユ、…ユノ、ありが…とう」


ベッドの上まで迎えに来た朝の正しい光たち。そういうものに導かれ、ユノはこれから夢と希望の翼をありったけに広げて舞い上がる。




「格好いい……。天使みたい……」











自由に






思うがままに










ユノらしく

















羽ばたけ








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片割れ chap.11 #20

(注意)BL表現です。ご注意下さい。


























どろどろに舐め合って、重なって股がって巻き付いて食い込んでのめりこんだ。

チャンミンと溶け合ってる

完全にくっ付いてしまって、取れない。みっちり満たされて、舐める肌や見える肌、触れる肌が自分かチャンミンか分からない。
完璧の意味をいくつも知る。
経験したことのない飽和感。なのに、


それが何故か、懐かしくて






「そうだなぁ…どうしようかな」

「アクロバティックなこと考えてる?ふふっ、」

「ん?あはは、チャンミンしたいの?」 

「いやユノなら考えそうだと思ってっ」


朝日の報せで我に返ると、俺は俺で、チャンミンはチャンミンだった。別々の、一人一人の人間。
そっちの方が信じられない、残念。でも目の前でムーっとしてるチャンミンが面白いからやっぱり別々の人間で良かったなって思う。微かな明かりを吸収した瞳が最大限に輝く。


「やっぱいいな、お前……」

「……何それ」


チャンミンの睫毛から指を動かして身体の稜線を沿ってみる。沿ってみたくなる。
顎のラインや喉仏、鎖骨、乳首を一周して肩へ流していく。ゆっくり、ゆっくり。目で追いながら。腕も血管も指先も手相も。
何が見えるって訳ではないんだけども、目には見えないものが見えそうで。


それがどこか、懐かしくて


「、っ、」

「くすぐったい?」

「ううん、気持ちい…っ、」

「ふ。なぞってるだけじゃんっ」

「だ、って…、、ぁ、」

「っ、もう…、、何なの…本当にお前は…」

「んん、、…っ」


何がそんなに感じるのかくるくる身体を捻って悶える姿に身体がかっと熱くなる。
洗面所の時もそうだった。俺の全神経がチャンミンに反応を起こす。
漸くつま先まで指を滑らせ切ると、チャンミンは快楽を耐えるように足の指から身体まるごと小さく丸まってしまって堪らない。
今度はその折り畳まれた足を強引に割って俺の欲情を晒した。抑えなんて効かなくていつもチャンミンに無理させる。

引き寄せてキスすると唇が気持ちいい。ひとつの違和感もない。自動的に抱き込んでさらにチャンミンの咥内へ向かう。


「ん?」

「え…?」

「なに…何か怪我したか?」

「え?」


鉄分。
さっきまでなかっただけに敏感に感じる。


「血の味する。ちょっと見せて」

「いや、いいって…」

「見せろって」


それでも嫌がるからまた舌を入れてイヤイヤしてるチャンミンの咥内を探った。


「んー、、……舌の、先っぽ?」

「んー…」

「舌噛んじゃったのか?いつ?」

「さぁ……」

「さっきまでなかったろ?」

「……」

「……」


何にも言わないチャンミン。
痛いと文句も言ってこない。
なんかおかしい。理由を知りたい。


「…舐めればいいのかな、ちょっと舌出して」

「口の中にあるんだから舐めても変わらないでしょ…」

「いいから。べっ、てして」

「いーっだ!」

「い、じゃない、べっ!」

「……はあ…」


諦めて出してきた舌にはぽつぽつ歯形の赤い点が滲んで、重症ではないにしても明らかに痛そう。


「何?どうしたの。チャンミン…」


傷が和らいだら繰り返し聞いてみようと思いながら、口の中に招き入れてそれをやんわり吸う。


「ん、」


沁みるのか短く呻く声がかわいそうだけど、鉄の味は止まらない。緩やかに、少しずつ、チャンミンの血を飲んだ。


すると途端に、


「、、」


俺の中で猛烈な愛しさが押し寄せてきてしまった。喉がひくついてヤバい。口を開いて短く息を切った。


「はっ、、…」

「ユノ?」

「…あ、ぃや、もういいと思う……」

「……うん、」

「………ごめん、一人でヌいてくれる…?俺シャワー浴びてくるわ……」

「は!?」

「出る準備、しないと、、」


泣きそうになった。

俺はこれから、毎晩こんな風にチャンミンを一人で想うんだろうか。
隣に横たわるチャンミンは自分の人でも何でもないのに。俺はちょっと今日だけ楽しみたかった相手でしかないのに。二人で居ると勝手に一人で盛り上がって陶酔してしまう。
勘違いする。我が儘になる。頭のおかしい奴になる。
ベッドから降りようとすると腹にチャンミンの腕が回ってきた。


「まだ時間全然ありますって…っ。2、3回はできるよ?ユノ、しよう?僕したい」

「何言ってんの、お前……マジで節操ないんだな、知らなかったわ…」

「…、、、ユノが…最近イってないって言ってたから……すいません…」


回数のことを言われて咄嗟に、ああ俺がいいんじゃなかったよなって現実にうまく対応できない。悲しそうな顔は欲情してるだけなんだろうに、呼ばれてるみたいに惹き付けられる。
勘違いする、俺は。都合のいい時だけの相手になんてなれない。簡単に扱えない。割り切れない。


好きだの欲しいだの求めて











愛し過ぎた









チャンミンを






「何か、、動画とか雑誌見るんだったら安心して。俺向こうのソファーで仮眠させてもらうわ。とりあえずシャワー借りるから」


やめなきゃいけない。
この中毒から抜け出さなきゃいけない。
正常に戻らなきゃいけない。

力の抜けた腕を腹から外して、進み出そうとするのに再びチャンミンに手首を取られる。


「、…、何……」


腕だけ上げたうつ伏せのチャンミンの顔は見えない。うなじ辺りの刈り上げがとても美しい。さっきキスした黒子が見えた。


「すごいのは…?ユノでイきたい……」

「っ、、」


呼ばれる。磁石みたいに引っ張られる。
離れたくないし離してほしくない。
でも違う。片割れでも運命でもない。
惑わされてるだけ、誘惑されてるだけ。
それでも振り返る俺は本当にどうかしてる。
外は太陽が昇り始めてる。


「じゃあ、舐めるから…ここ座って」


ベッドサイドに座らせたチャンミンは笑ってた。好き。抱き締められてホッとする。何故…。でもやっぱりな感覚。
とにかく楽しんで。
膝まずいてチャンミンを見上げた。

楽しく終わりたい。これが最後。
俺はもうチャンミンとこうならない。


「俺の舌のテクニック知ってるだろ?なーんて、あははは!!恥ずかしいっっ」

「クローバー1葉から4葉作れますもんね」

「あはーはーっ♪そうそうっ!」

「でも、…ユノとセックスしたい」

「っ、……いや、だから……、、」


呼ばれて、抗えない。すぐにチャンミンの中に堕ちてどうしようもなく求めたい。止まらない。
止まれるものなら始めから止まってた。


気が狂うんだよ、これ以上は

俺たちのカタチは完璧だった、だから


「ユノ、もうここに来ないつもりでしょ…?」





チャンミンとの記憶を消す





「うん……。こういう関係は良くないしもう来ない、宿舎にも来ないで。でも、また皆で食べに行ったりとか。な?そういうのいっぱいやろうな?メンバーなんだから」

「……」


何も答えずに微笑むチャンミンの目を朝日が透かした。とびきり透明度の深い茶色の、慈愛に満ちた、清廉さ。金色の髪によく映える。

これしか言えない。馬鹿みたいに。





最後まで。












「サランヘヨ、…チャンミン」


「ぇ、、っ、ん…」





チャンミンの腿を肩に担いで、裏筋をぺろんと舐めてから咥えて吸った。そういえばこれ男性器だったな、なんてこと今さらながら思い出す。
性別を越えた性だったから。
気にもしなかった。


「ユノ…っ、、しよ…!」

「俺もしたい…!」


立ち上がると同時にチャンミンを押し倒して、頭を抱え込んだまま性急なキスを押し付けた。ゆっくり離して腕の中に居るチャンミンに胸の内で懇願した。
今だけ思いっきり愛して欲しい。
お願いだから、チャンミン。


「……普通のにしていい…?」

「ぶっ。いいですよ、そうしよう?」


何の工夫もない、仰向けのチャンミンも覆い被さってる俺もそのままで、でも正常位がいいなと思って。ローションを足しながらチャンミンに大事なことを聞いた。


「俺が…チャンミンに告白したのっていつだっけ?」

「へ……」

「チャンミンのカルボナーラ食べ損ねちゃった時」

「……再始動前の……11月」

「そっか」

「うん……」


チャンミンを好きだって気付いた11月。







俺の世界が変わったあの時から

今目の前に居るチャンミンまで



全部消す。





「チャンミン、これが最後だから」

「うん…」

「ユノっていっぱい呼んでくれる?」

「うん…」

「……ナカで出していい?」

「うん…」

「何だよっ、やけに大人しいなっ」

「ゴム使ってたのはあんたが使うって言ったからでしょーが、僕は別に良かった。妊娠するわけでもないし」

「いやっ、それはチャンミンが腹…」

「ねえ、僕目隠ししたい。何でもいいから」

「え、やだ」

「やだじゃない、する」


元気になってくれたのはいいんだけど、チャンミンの目は見たい。そう思うのに、ささっと俺の下から抜け出してスタスタ、バスタオルとハーフタオルを持って来てまた下に潜り込むチャンミンに笑える。本当に面白い。
自分でタオルを敷いてタオルで目を隠して俺の首にまとわりついてきた。


「はい、どうぞ」

「、あはははははっ!お前やっぱりいいなっ」


俺たちはどこか違う。やっぱり正反対で。
でもそれが俺たちのカタチだった気がしてた。


「チャンミン、ありがとう…」

「ふ、…ん、ぁ、っ…ユノっ、」


慎重に蕾へ押し当てて、ぷく…とナカに挿ると心地いい。引き込まれるように落ち着く。気持ちいい。高まる。求める。何かを。呼ばれる。


「…っ、チャンミンっ、、」

「ユノ、ぅ、ユノ、ユノ…っ」




それが何故か、懐かしい




「ユノ気持ちいい…っ、んっ、は、っユノ」

「俺も…あぁ、すご…、、チャ、ミ、っ」

「ユノぉ…、ぁ、」

「チャンミン…っ!」


数時間愛撫し合ってた身体はすぐ大波に乗って、ちょっと早すぎて焦る。止めれない動きをできるだけ緩めながら手を恋人繋ぎにして、もう片方の手でチャンミンのモノを扱くと声がさらに甘く咲き変わった。ちろりと出た舌がセクシー。股関節の柔らかい足が淫ら。壮絶に興奮する。


「あぁぁぁ、、ぁぁぁ、ユ、ノ…、ぅんんっ」

「何…ゆっくりなのがいいの?」


空いてる手で目隠ししたタオルを押さえながらがくがく頷いてるチャンミンが新発見。でもこれも消さないと、名残惜しい。

もっと一緒に居たかった。


「っ、一緒に、イけるか…?」

「ユノもう…っ、ユノ、ユノっ、」


痛いくらい握り締める手

すぐに汗を流す肌

今は見えない綺麗な瞳

チャンミンのナカ





何故か懐かしい


なぜか





「ユノヤバい、ユノもうイくもうイく…っ!、」

「チャンミンいいよ、、俺も、チャンミンっ」






同時に白濁を飛ばせて嬉しくなった。こんなことでも楽しいなって思える気持ちを最後に、


























俺はチャンミンが好きだった





その1年9ヵ月の軌跡を

















なかったことにした。






 
 
片割れ chap.11
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片割れ chap.11 #19

(大注意!)再度ご確認下さい。ホミンホのBL表現です。攻受固定に拘ってらっしゃる方、18歳未満の方、イメージが違うと気分を害される可能性のある方、ご注意下さい。綺麗な表現を致しません、申し訳ありません。二人だけの体当たりの行為です、ご了承下さい。






















割れ目を押し広げる、強い指の圧力。熱い舌が強弱を持って上下や時計回りに滑る感触。鏡には目を閉じたユノの鼻先と口が僕の尻に埋まって、コクコク顎が動いてる。それらに反応しまくって先端をカウパーで滲ませる僕の昂り。


「は、、ぁ、…っ、んぅ、、ぁあ」


すっごい感じる。あり得ないほどに。
もうヤバい。イくとかイかないとかじゃない。気持ち良すぎて泣き言が漏れる。


「も、やだぁ……っ、ぁぁっ、…」

「ほんと?本当に嫌?」


少し離れてぺろん、ぺろん、と舐め掛けてくるユノに晒したい。恥ずかしくて堪らないけど。
もっと。中まで。奥まで。身体の裏側まで。


「……ぅそ、、も、もっとして欲しい…」

「だろう?前した時、チャンミナすごい気持ち良さそうだったもん♪」

「っ、」


やっぱダメだ、この人!憤死するようなこと平気で言う!


「力抜いて。もっとナカまで舐めたい」


そう思うのに、またぺろん、と遊ぶように舐めるユノにゾクッとする。鳥肌が立つ。でもさらに揉み広げられると、反動で入り口がぎゅっと絞まる。いや出口だけど…そんなものは今関係ない。身体の機能さえ凌駕していきたい。


「力…抜けるか?」

「…っ、いや、立ってられなくなりそう…で」

「あぁ、可愛い…」


また広げられる。ユノの舌が強引に挿ってくる。
この人は舌までも馬鹿力なんだなと頭に浮かんで、そして彼方へ飛んでった。


「あう、ん…っ!あ、はあっ、ぁぁっ、」


ぬくりと入ってきたり、てろんと出ていったり、出し入れを繰り返されて身体の全神経がユノに集まって支配されてゆく。
本当に力が入らない。
蕾の絞まる生理機能が壊れると舌がもっと深く分け入ってきた。


「ぁん、は…あああ、はう、ん…っ、んあっ」


官能の声がそのままに出る。ぽろぽろこぼれる。鏡なんてもう見る余裕もない。膝がむず痒い。変。力が抜けてく。立ってるつもりなのにどんどんズルズル崩れていって、ユノが離してくれた時にはもう洗面所のタイルに転がってた。なんの力も入らない。


「……そんなに気持ちいいの?」


肩で息をしながら見下ろしてくるユノの唇が濡れてる。僕は荒い息で見上げてそうだと合図するしかない。


「その顔ヤバい……もっかい咥えて…っ、」


僕どんな顔してるの?とろけた散漫な顔しかしてないと思う。仰向けにされた胸にユノが股がってきて勃き上がりきったモノを咥えさせられた。けど咥内にも力が入らない。それでもユノ自身はビクビク震えて腰を振りだす。


「ん、ふ、ぅ、」

「チャンミナ、チャンミナ、…チャンミンっ、」


僕はユノの切羽詰まった顔がヤバいなって思う。可愛いなって思う。
均整のとれた小顔が夢中になって歪む様は壮絶に興奮する。口から竿を出すのさえ一苦労したほど腰が動いてて本当に可愛い。


「もう挿れて!」

「挿る?」

「乳液取って」

「どれ!?」

「じゃあそこにあるの全部取ってっ」


挿れば何でもいい。バタバタ二人で焦って、ガチャガチャ落ちてきたスキンケア用品をはあはあ言いながら大雑把に見分けて。一番滑りが良さそうなチューブ状のクリームを取って出して二人で塗りたくって。荒々しく足を開くとすぐにユノが詰めてきた。


「ん…っ、、」

「っ、」

「あ、ぃた…っま…」

「ごめんちょっと待ってやれない…っ、、」


まずい無理かもって思うところにユノが問答無用で突き刺してきて苦しいし恐い。なのに全部挿ると不思議に落ち着いた。


「はぁ、、落ち着く、、」

「はあ、はあ、はあ、はあ……」


確かに……。
洗面所でこんな。もうめちゃくちゃだけど。


「悪い…。い、痛いよな……?」

「ちょっと…動いてみて」


脅えるようにユノが僕の両股を纏め抱いてゆっくり抜き差しすると気持ち良さしか感じない。ちょっとびっくり。


「あ、大丈夫…」

「あ、ほんと?良かった……」

「それよりあそこの取れた絆創膏、そこのゴミ箱に捨てて…」

「……へ?ぷっ、チャンミナ今それなの?ははっ」

「だって目に入ったんですもん」


足の指の巻いてた絆創膏は外れればゴミだから。確かに今ユノが挿ってるけど、それとこれとはまた話が違う。


「お前……いいなぁ、やっぱり…」

「へ?」

「床硬くて嫌だろうけど、…少しだけここでさせて?」

「いやだから絆創…んっ、、ぁ、っ、もう…っ、」

「チャンミン……」


正座するように座り直したユノの太ももに尻を乗せられる。僕のモノを扱きだし、その波に合わせてユノが動けば意識があっという間に引き戻される。またさざ波が立つ。左足を折り曲げられて指を舐められるともうユノしか見えない。


「ユノ…っ、ん、あ、は…、」

「気持ちいいんだ?これも…」


首を縦に振って。片足も前も後ろもばらばらに気持ちいい。腰を掴んでくれる腕がないから僕の腰の方がユノに密着したがって浮く。自然に力が生き返ってバランス取りだす右足。


「足の指咥えるのがいい?」

「、根…元のとこ、舐められるのがいい…っ」

「ん」



もう恥ずかしいとか滑稽とかないよね

二人だけだから




こんな小さな場所で隠れてタブーを犯してるはずなのに、全然僕たちは暗くならない。今夜の正常な世界を走って逃げてる。疾走してる。
そんな感じ。


「あ、ぅ…ユノ気持ちいい…っ、、指の間とか、、もっと…」

「チャンミン、可愛い……」




今夜僕たちは、

大声で笑って走って逃げる








「行こうか、ベッド」

「このまま抱っこして行ってよ、挿れたままで」

「ははっ!いいよ。見とけよ?」


ユノに手足を思いっきり巻き付けてしがみついて。温かい肌を感じる。楽々持ち上げられる力強い腕に、全力で今この人と一緒に居たいと思う。背中の汗ばんだ粒さえ欲しい。


「…ちょっとこのまま踊ってみれるかな?」

「はあ?」


感傷的になりそうになってたところでまたユノがおかしなこと言うから、笑いが寄せて性が返っていく。寝室までの短い道のりを揺さぶられながら行進する。気持ちいいとか楽しいとか。跳ねて飛んで波みたい。波の上で遊んでる。


「ゃっ、ん、ぷふっ、…くくっ、ぁ、」

「ん、チャンミナ、楽し?」

「ネっ、ぇ~、♪んっ、」


笑いながらキスして壁にぶつかってまた笑って。また気持ちいい。
やっと辿り着いた部屋の新しく買い直した大きめのベッドにダイブしたらさすがにユノが僕のナカから抜けた。だからまた次の楽しみを考える。


「……僕もユノの後ろ舐めていい?」

「え、……。。」











散々やった。



触れて舐めて啜ってユノが確かに気持ちいいって言うから勢いづいて指まで挿れた。充分ローションは使ったけど二本目の途中でユノが降参して今度はひたすらお互いを舐め合った。
しがみ付き合って肌と肌を交差させてフェラして掌を舐めて。頬を舐められて、爪を舐めて目が合うたびにキスをして。顔を合わせてお互いだけを確認し合ってまた身体の隅々まで這っていった。
ねちゃねちゃして気持ち悪いねってなるとローションを垂らして混ざる。味なんかとっくに分からなくなってユノを舐めてるのか僕を舐めてるのかさえも分からなくなってきてた。


「あれ……も、明るくないか…?」

「……ぁ、」


気が付くと外は白んでいて、もうすぐ現実の朝日が迎えに来るところ。


「……こっちおいで。一緒に寝転んで…」

「ん、」


ここはどこだっけと眼球を回すと、ユノの脹ら脛(ふくらはぎ)に挟まって膝裏を舐める自分だったことをようやく思い出した。ぼーっとしてると腕を引かれてユノと一つの枕に頭を沈めた。

僕の目の前にはユノが居て、ユノの前には僕が居る。何も言葉が出てこない。ただ見つめ合って、そこに居た。


「……」

「……」


少し眉間に皺を寄せて、じっと僕の目を見入ってくるユノが格好良すぎて息をのむ。これはモテるわって認めざるを得ない。だけどおこがましくも思えば、一晩の長い逃避行の終わりを残念がってくれてるように見えた。そうだったら、嬉しい。


「……そういえばチャンミナ、……イってないよな?」

「……あれ、……そうだったっけ……」

「そうだって」


くすくす笑いながら頭を撫でてくれる手にはもうすぐ迎えが来る。僕にも来る。僕たちはもうすぐ線路のような平行線の正しさに乗せられる。


「ユノも……始めの、一回?だけ…?」

「あ、そうか。どうしよっか……何がしたい?」


ユノの指先が僕の頬を下からゆっくりなぞってきて、睫毛をつついて弄ぶ。朝日が迫り始めて寝室の天井の一角にオレンジ色の矢が刺さった。もうそこまで来てる。


「ユノは?何でもしよう?」


裸で向かい合ってるユノの二の腕に金色の産毛を見つけた。
ふと気付いて、なんかいい。
そう思った途端、僕の中で猛烈な愛しさが押し寄せてきてしまった。


「、、」

「どした?」

「…ん?ううん?」


咥内で舌を強く噛んで、睫毛の震わせた涙腺を蹴散らした。心の底から安堵してユノに微笑めた。


「すっごいのしてくれるんじゃなかったっけ?」

「、あはーはーはーっ♪」




最後まで












人生最高の思い出にしたい



 



片割れ chap.11
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片割れ chap.11 #18

そんでもってのBL表現です。ご注意下さい。










______Y.side______








突飛で、明るい




「っ、ふひゃひゃひゃひゃっ。ユノ!くすぐったいっ」

「あれ?くすぐったいか?」

「くすぐったいって、ふふっ」


シャワーを後ろから浴びながら、向かい合って俺の身体を洗ってくれてる腕を上げさせて脇の下を舐めると跳ねた笑い声が浴室に響いた。


「じゃあ、、もうちょっと強くしよ」

「く…っ、ふふふあはははっ無理無理!やっぱくすぐったい!」

「……ぶっ、ふふふふふ…っ、」


見てるとこっちが楽しくなってくる。じゃあどこがいいんだろって上に向いて舌を這わせていくと、二の腕の裏側に当たりが出た。


「、はぁ…」

「ここ気持ちいい?」

「……いい、」


宝探しみたい。前もこんな風に触れ合ってた。
肘を捕まえて俺から逃げられないようにして。当たりを往復する舌には降ってくる温水が重なる。
そのままチャンミンの勃起したモノを握って上下に緩く扱いてやれば気持ちよさそうな吐息は膨れるばかりで、甘い。
誘われるように喰べたくなる。と、思った時にはもう柔らかなそこの肌を吸ってしまってた。

気分が高揚してふわふわする。何度も強く念じて浮かんでは消えた、幻の恋人。


「ぁ、悪い…キスマーク付いた……」


明日は撮影あったか?腕出す機会あったっけ?バレないか、これ。
はっ、と明日の仕事を思い出して花びらのような薄い跡を凝視していると、ソープでぬるついた手に俺の静まったモノを握り返された。また引き戻される夢うつつ。


「っ、」

「そんなとこ誰も見ない。……ね?」

「……そうだな」


水滴を散りばめた微笑に優しく諭されて今度こそ紫黒い跡をそこへ重ねると、声を上げて楽しそうに痛いって笑う。


「僕もやりたい。僕、ユノのお尻に付けたい」

「へ?、え?」

「誰も見ないでしょ?後ろ向いて?」

「あーなるほど…。ははっ!おう、いいよ♪
…………って、痛ぁ!!噛んだっ、チャンミナ今噛んだろっ!」

「あっはっはっはっはっはっ!僕もさっき痛かったんですから、おあいこでしょ。いーっだ☆」


突飛で、明るい


「ったく…。おいでっ、抱き締めさせて」

「ネ~♪」









チャンミンは










無邪気だ




















______C.side______








僕たちは素晴らしい世界に生きている。


人類の誕生から文明は進化し、科学が発見され、衣食住は豊かに。循環を繰り返しながら前より便利な方へ、前より良い方へ。それは世界が間違いなく正しい方向を選び続けている証拠の一つなんだろう。

正しい選択。正解、常識。正常な光



「すごい気持ちいいな…」

「うん……」


水しぶきが泡を流してゆく。浴室に降り続ける適温の雨の中抱き合って、お互いの中心部は同じモノがついてる。同じように少し落ち着いてきてる。しばし落ちる水の音だけ。


「ぁあー……♪」

 
その内ユノが声に音程をつけ始めて、僕のことぶんぶん左右に振り回しながら本格的に歌を歌い始めた。たぶん即興の歌、聞いたことないから。防音だし大丈夫だろうと判断してそのまま為すがままにされる。

楽しそう。ウケる。こっちまで笑えてくる。ちょっとタイルに滑りそうだけど。と、思ったら本当に滑って転けた。


「うあっ…!」

「おっ、と!」


そしたらそのままユノも落っこちてきた。狭い。重い。


「ちょっと~っ、ちゃんとしてよぉ」

「あはーはーはーっ♪」


ぎゅぎゅう。バタバタ。ぬるぬる。ぎゅうぎゅう。ザーザー。ちゅ、
とチュ。スイッチが入る。キス、
またキス。
人工の雨とユノに溺れる、複雑なキス。


「……また勃った」

「、ね……」


足の間に挟んでたユノが少し起き上がって下を確認してる。触れて固さを確かめられる。
見なくていいだろうに。触れなくていいだろうに。ユノも僕も同じように芯を持ったって、触れ合う肌の感覚で分かる。
でもユノはなんか色々僕を見たがる。触れたがる。僕はそんなユノに見られる羞恥に興奮する。触れられて触れたくなる。


「ベッド行こうか」

「…うん、もう行こ」


でも僕たちは、この素晴らしい世界に受け入れられない。つまりは、異常。
見つかったら最後。烙印を焼き落とされる。
夢と希望の両翼をへし折られたらこの人は、


「俺拭いてあげる♪」

「好きにして下さい」



ユノはもう

本当に生きていけないと思うんだ。



「チャンミナ、さっきごめんな?壁殴って」

「いいんですよ。僕もユノの一番お気に入りのそれはそれは前から使いこんできたシューズ蹴ったし」

「お前……分かっててやったな…」

「当たり前でしょ」



だから今夜は隠れて







正常な光が追ってこられない部屋で





つまらない価値観の鎖を抜けて






「…ユノー」

「んー?」


洗面台の鏡に映る裸の僕と、裸でボサボサと髪を二人一緒に拭いてくれてるユノ。
同じ男の身体。同じ男性器。


「ユノって…ココ大きいよね、」

「あはーはーっ。あーまあ、ありがと!でもチャンミナも大きいから♪」

「普通でしょうよ、あんた本当に大きいと思ってんの?」

「いや、見えるような気がする…うん……」


でも今は誰も見ていない。

男とか女とか、兄弟とか家族とか、メンバーとかグループとか、世間とか常識とか関係ない。


ユノと僕だけ

何でもしたらいい


「ねぇ、……ここ、…で舐めて…」

「いいよ」


僕の肩に口付けをスタートして、そのまま下に流れていく鏡の中のユノがとてもセクシー。ゴール地点の亀頭にまた口付けをしてユノの小さな口が僕の竿を飲み込んでいく。口元の黒子が見える。後頭部の揺れが最高に燃える。夢中になって熱く見つめていると、鏡越しのユノと目が合って涼しく笑われた。


「ん、、気持ちい?」


心臓がバクバクする。
そのままの言葉しか出ない。なんてシンプル。


「っ、気持ちいぃ…っ、ん、」

「…………後ろも舐めていい?」

「…、、」


何でもしたらいい

二人だけで


「ぅ、ん……うん…」

「えっと~……あ、ここに手ぇつきな」


側の洗濯機に手を導かれて腰だけ引かれると急に卑猥感が増して恥ずかしくて仕方ない。


「いや、、座ればいいでしょ…、」

「チャンミナ鏡で見たいんだろ?座ったら見えなくなるじゃん」

「!」


すばりと、しれっと図星を言われて焦ってすぐに言い訳できない。
ってゆーか、デリカシーないデリカシーない!デリカシーやっぱない!そこはほら、気遣いとかでカバーするものでしょうよ!
やっぱ止めると言いかけたところで、突然左の尻たぶがチクリとした。


「痛っ」


振り返って鏡を見るとユノがそこへキスしてごめんなって優しく笑ってる。


「でもお前だって噛んだろ?」

「もう……あんたね…」


僕のささやかなる文句はそこで終わった。


「あ!……っ、ユノ…!、、ふ、…ぅ、っ、」




そして僕は、
でろでろにとろけてゆく。







40000拍手頂きました♪本当にありがとうございます!急遽前の記事と至急必要な方にコメント返しましたのでお読み下さい。
片割れ chap.11
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