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【ホミンホ合同企画ミーアゲ】8月18日のハーモニー、運命の恋人か?なし崩し的彼氏か?~ chap.21~

(注意)もちのろんでBL表現です。苦手な方はご注意下さい💦ホミンちゃんです。









______Yunho.part______





一年前まで
男と抱き合えるか、なんて考えたこともなかった。

まさか身体が反応するわけでもないし。
男同士で触れたり舐めたり、あり得ない。
気持ち悪い。 

なのにチャンミンに触れて、










 
簡単にそうなった。



















気付いたらチャンミンをむさぼってた

















______Changmin.part______






射精して急速に興奮が冷めていく。脱力した身体の上で、股立ちになったユノが腹の白濁を掬った。


「チャンミン、見て」

「…」


返事さえも億劫な僕は本当にユノを見ることしかできない。拭き取るためのティッシュはそこにあるよと言いたいのに、声を失った。目をみはった。


ユノのせいで


「、ん、…、っ、」

「、、、」


右手で竿を扱くユノに釘付けになった。精液にまみれた太長いモノはぬらぬら光って、さらに膨張してゆく。


「お前のぬるぬる…気持ちい…っ、」


色白で、小顔の端正な顔立ちをしかめて感じ入ってる。先端から根元まで指を滑らせて。僕の精液でオナニーしてる。僕を見落ろす濡れた黒目。


「っ、ぁ、チャンミン『可愛い』…」


壮絶に官能が興奮した。芯から熱いもののこみ上げる感覚がして、鼻血が出るんじゃないかと咄嗟に鼻を隠した。でも隠すべきはそこじゃなかったみたい。


「……俺のこんな姿にも興奮するの…?」


包帯を巻いた左手は非日常で、またも完勃ちした僕の中心を弄られる。優しく微笑まれて、やってる事とのギャップが激し過ぎる。濡れる機能のない後ろがびしょ濡れになってるような気がした。今すぐ繋がりたい。綺麗なユノにふさわしい自分で。


「ユっ、ユノ…シャワー…シャワーあ、びたい…っ、っ」
 
「大丈夫だよ」


手淫を一旦止めたユノが再び僕の上に降りてきた。


「後で一緒に浴びよう?ここ、好きだよな?」

「はぁ…!、ぁ、…あっ、ん、あん…っ」


腹筋の、筋肉の間の溝を舌で虎視眈々となぞられて堪らない。そうかと思えば乳首を転がされたり、キスしたり。噎せかえるような甘さに喘ぎ声が部屋中、広がって跳ねた。それをまた深いキスで塞がれる。甘い。ひたすら。ユノに酔う。


「気持ちいい?」

「ぃぃ、いい…っっ、」


頭が回らないまま自動的に「もう挿れて」と口走る。
自分からうつ伏せになってた。腰だけ持ち上げられて、晒された後ろが期待でひくひく波を打ってる。はしたないけど止められない。ローションを揉んだユノの中指が挿いってきて、ナカは明らかに悦んでる。


「チャンミン、スゴいね…」

「、ぁあ、、」


ユノのために性別を捨てた。
初めは怖くて痛かったけど、何の未練もなかった。

いらないものは捨てたらいい。


手にしたものはユノの側に居れる権利と   


「今日は……どう……?」

「…。ん、始めからいい…っ、っ、」


男でも女でもない、独特のアナ。


「ぁ、あ、あ、あ、」


前立腺を擦る指先に合わせて声が漏れる。ユノとセックスするまで知らなかった感覚。でも指でも竿でも挿入されると最後まで苦しくてユノがイくまで我慢する時もある。逆に体調が当たれば、最奥の精のうを突かれると死ぬほど気持ちいい、射精なんて比じゃない。
第三の性器のような、不思議な排泄腔。

ユノが長い指をしつこいくらいに出入りさせて、今日の具合を確認する。


「っ、ぅあ…っ、は…っ、ん、いいぃ…っ、、」

「可愛い…」

「っ、ん…!はぁっ、」

「すご…」


今日まさに。
心と身体が溺れて最高に気持ちいい。セックスが身体だけのものじゃないと知る。だからユノが他の人間とするのを絶対許せない。こんな情熱的な目で誰も見ないで。女も男も駄目だ、僕はワガママになったね。
昔の冷めた僕には微塵もなかった、焦げるような火まで与えてくれたユノ。

指を抜かれて暖かい舌が這う。その蠢く感じに性が暴れる。触れられてもないのにまた射精しそうになる。絶頂の予感がする。倒錯的な行為の片隅で、ゴムの袋を破る音が聴こえた。待ちわびたサイン。


「チャンミン可愛い、、もう…っ、」


涎が垂れた。









呆れた理性が僕のもとを去った。









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片割れ chap.9 番外編#31 チャンミンの平行世界












一緒に暮らして
一緒に仕事して
一緒に1つのベットに入って

よく考えてみなくても、僕たち2人にデートなんて概念は今までなかった。
だって待ち合わせなんてしなくても居るんだから。どこかに行っても、必ず帰ってきてくれるんだから。そしてユノは、外に出るととても目立ってしまうから。

部屋でご飯を食べて、何とはなしにDVDを観たり音楽を聴いたり。
そういうものを、大切にしてた。





「へー。こんな所にお店あるの?住宅街の中?」


ユノの車を停めて、駐車場からお店までの道を2人で歩く。

予め電話で確認を取ってくれたユノは、「暇だからって貸し切りにしてもらえた♪俺はジュースでも飲むわ」って銅雀区までの道のりを明るく運転してきたけれど、飲食店を2人で貸し切りにしてアルコールも飲まないなんて失礼な気がしてはらはらする。ユノはまったくその事に気付いてないのか気にしてないだけなのか分からないから、せめて僕だけはきちんと味わおうと思った。

辺りは少し年数を経た一軒家ばかりが建ち並んでいて、高層マンションは見当たらない。どこも寝静まっているのか、灯りは街路灯と月だけ。道端の紙屑が夜のそよ風に乗った。


「そっ!穴場~♪俺が弱った時とか話を聴いて欲しい時とかに、1人でたまに来る店」

「知らなかった……」

「チャンミナはどこに誘っても来てくれないだけだろ。俺何回がっかりしたことかー」

「だって、、ユノと出ると誰かしら集まってきてその場が賑やかになるんだもん。僕はそういうの少し苦手だから」


ユノは、ふとした時に自分の手の内を見せてくれる。自分の弱さを見せてくれる。
それは強くあろうとする者にしかできないこと。


「まあな~、でもここは誰にも言ってないぞ。チャンミナが彼女を宿舎に連れて来たって勘違いした時も、この店でずっと飲んでた。とても1人じゃ居られなかったから」

「……」


本当に、強くて優しい男。


「11月だったな」

「11月…」

「そう、カルボナーラとワイン用意してくれてた時だよな?」

「……。そうでしたっけ?」

「そうだよぉ」


とぼけた僕を笑いながら、ユノは一角の家の看板も掛かってない、でも確かに重厚な赴きの扉を開けながら。


「その時気付いたんだ。チャンミンが好きだって」


不敵な流し目でまた、“水”を注いでくれる。




貴方は素晴らしい






「……注がれ過ぎて骨抜きにされそう……」

「?マスター、来ました」

「お待ちしておりました、ユノさん」

「…え…」


つい最近、聞いたことのある声が出迎えてくれて。

ユノの背中越しに、その声の主を見た。
僕はきっと笑ってた。
あまりにも、嬉しくて。


「いらっしゃいませ。その方がユノさんの?」

「そうです」

「そうなんですね。初めまして。こじんまりした店ですが、どうぞごゆっくりお過ごし下さい」


柔らかくお茶目に、ふさふさの白髪をオールバックにした老人が微笑む。かっちりバーテンダーの制服に身を包んだ姿は見たことないけど、僕はその人を知っている。


「今晩は…」


平行世界にはそれぞれの『自分』がいて、それぞれの道があったとして、それぞれの選択が違ったとしても、きっとどこかで繋がっている。

こんなふうに。


「チェさん、…ですよね?」

「……はい、左様でございます……」

「え、チャンミナ、マスターのこと知ってるの!?」

「……申し訳ございません。貴方様にお会いしたことがございましたか?年を取ったためか記憶違いで……本当にお恥ずかしい。申し訳ございません……」

「いえいえ!違います違います!」


カウンター席に座った僕に深々と頭を下げられて、こっちが恐縮してしまう。僕には親近感と感謝しかない。


「マスターにお会いしたことはないんですが、…家政夫のチェさんにはお会いしたことがあるんです」

「え?」「え?」

「珈琲とウィンクがお得意ですよね?」

「……あらま」

「え、チャンミナ何で知ってるの!?」


リュックに揺れるペアキーホルダーを外して、訳の分かっていないユノを尻目にマスターにそれを渡した。これはチェさんのものだから。


「それ俺があげたやつ……ミッキー君とミニーちゃん……付けれなくなってごめんな

「大丈夫、これはユノに貰ったやつじゃないから」

「?」

「これ……前にお若いお客様から頂いたまま見当たらなかったんです。……なぜ貴方が?」


ほら、こんなふうに

繋がっている


「あの、、突然で変な奴だと思われるかもしれませんが、……パラレルワールドのお話してもいいですか?これは貴方に返さなきゃいけないんです、僕」

「はい。そういうお話、大好きですよ♪」

「???」


それからもユノそっちのけでチェさんと話して、彼の出してくれるお酒は予想通りどれも最高に美味しくて。結局普段は出してないという珈琲までご馳走になった。懐かしい味に口元が緩んだ。
酔っ払いの戯言かと思われたかもしれないけど楽しくて仕方なかったのは、アイスチョコを作って貰って嬉しそうに飲むユノが隣に座ってるから。


「また是非お越し下さい。ユノさんとご一緒に♪」


ユノが隣に居るだけで、嬉しくて楽しい。











車の助手席で待っていると、お会計を済ませたユノが息を弾ませて運転席に乗り込んできた。
エンジンの掛かる音が好き。
始まりの音に似てる。           

「もうちょっとデートしようか」

「どこ行くの?」

「海とか?着くまで寝てていいから」


少し酔ってるのかもしれない。
とても嬉しい。とても楽しい。
さっき僕が書いた歌詞に勝手に音程をつけて口ずさみながらユノはハンドルを切る。ギュラインの曲に比べたら陽気なリズムだけど、それはそれで悪くないなと思った。


「ユノは……作曲してみたいの?」

「そうだな。してみたいな。俺が作曲してお前が作詞して、いつか一緒にそれを歌えたらいいな」

「そう…」


また、夢がひとつ増えた。
本当に面白い人。この人と居ると、立ち止まる暇なんてない。
至って冷静に相づちを打ったのに、何だか妙におかしくなってきてくつくつ笑い声が漏れた。


「なんだー?チャンミナぁ?」

「いやだって。楽し過ぎて♪」


やっぱりユノがいい。
ユノが大好き。
離れられない。

ユノは「また何かからかってるんだろ」って溜息ついて苦笑いしたけど、本当にそう思うから。


「夢を見たよ」

「どんな?」

「……電車にね、乗ってるんだけど。間違えて他の電車に乗っちゃって。それでまた帰ってくる夢。そしたらそこにユノが居て、おかえりって言ってくれましたよ」

「『おかえり』♪」

「ぶふっ。どうも。ふふっ」

「他の電車は楽しかった?」

「え……」


ユノは昔から、少年のように純粋に僕の話を聴いてくれるから。他の誰も疑問に思わないことを聞いてくる。誰も気にも止めないようなことを思いつく。なぜそのように考えられるんだろうと、はっとさせられる。いつも自然と、傍に居てくれるだけで。何も持たずに僕の中へ存在する。

交差点の信号が赤で停まると、さも現実の話のようにこちらに向き直って聴いてくるから、この人は本当に分かってるか?って疑いたくなるほど。


「パラレルワールドに行ったんだろ?どうだった?」

「……やっぱこっちがいいやって思ったかな。ユノもいるし」


最後の言葉がやっぱり照れくさくて外の景色を見渡すように反らせた顎。を、捕まれて戻された僕の唇にユノの唇が降ってきた。
突然過ぎる。全然予測できない。


「…っ、な…っ!」

「だろ?俺がいいだろ?」

「なな、何やってんの!?こんな、外でっ」

「だってデートだし♪」

「だか、だからって誰かに見られたらどうすんの!?馬鹿かっ!」

「大丈夫っ。窓にスモークちゃんと張ってる」

「前全然見えるじゃん!」

「誰も居ないの確認した。チャンミナ耳赤いよ?」

「……っ」


そう言って耳を掴むように触れてくる長い指を、僕は拒めない。
拒みたくない、から。触れて居たいから。


「かぁ~わい♪」

「……っ」

「自分からは大胆にくるくせに不意打ちは弱いよなー」


本っ当ウルサイっ、この人…っ。


「お、やば!」

「ちょ、早く!ユノ!」


後ろから鳴る苛立ったクラクションに助けられたけど、どうやら今夜、僕はユノの掌に居るらしい。










ユノが連れて行ってくれたのは、月尾島の海岸だった。いつも移動で使ってる仁川空港がすぐ先に見える。でもこちら側から空港を見たのは初めてで、こんな観光地にユノと来るなんて考えたこともなかった。



「寝てて良かったのに」

「いや、そんなわけにはいかないでしょ」

「どうしようか……外出ても大丈夫かな」


ユノが少し前のめりになって左右を確認するのは、人の気配。有名観光地だから、夜中に散歩してる人もいるかもしれない。
だけどそれよりも月灯りを閉じ込めて光るユノの瞳に惹かれた。睫毛が柔らかい影を作って美しい。


「折角だし……ちょっとくらい、いいんじゃない?」

「じゃあ、ちょっと出るか」


ドアを開けると一気に塩の匂いが舞い込んで、外に出ると爽やかな風を感じた。仁川空港の航空障害灯や誘導灯がイルミネーションのように瞬いて、暗くて見えない海のさざ波が聞こえる。


「……気持ちいい」


済州島の海を思い出した。
スペインの海を想った。


初めてキスをしたり、付き合い出したり。

僕たちの始まりは何かと海が繋がってる。

この海からは何が始まるんだろう。
聞けない質問を聞きたくて振り返ると、ボンネットに寄り掛かったユノが月光越しに紫煙を燻らせてた。

そして僕を見てた。


「……海見た方がいいんじゃない?」

「海もちゃんと見てる」















 

ドキドキする。






いつも抜けてたり部屋の片付けができないユノが、わざとなんじゃないかと疑いたくなるほど格好いい。


目線を流してまた見えない海を見た。今夜の月は海を照らすまでの力はなく、凝らしても見えない。その先に何があるのか、不安になるような闇が海のずっとずっと先の地平線にあるような気がした。


「誓いますから……」


風が強く吹き抜けて、僕の声をさらった。
ユノには聞こえなかった。


「守るからね」



この海から始めよう。


何かあった時は、ユノは僕が守る

格好悪くても、
格好良かった『チャンミナ』みたいに






「え?なにー?」

「……ジョーカーになりたい!」

「へえ?」

「不良とか悪者って自分の欲に忠実だから。やりたいことやってて羨ましいじゃないですか」


それに隠して、守れるものがあるなら。


「……お前って、やっぱり本当に面白いなぁ」

「それにバットマンはジョーカーを殺せないから。殺されなくて済む♪」

「そうだっけ?」

「そうっすよ~。どんなにジョーカーがめちゃくちゃやっても、正義感とモラルでバットマンは誰も殺さない。ユノにぴったり♪正義のヒーローっぽい!」

「えぇ、…そっかな♪♪」

「……」


乗っかった……楽し過ぎる、この人。
はにかむユノが本気で照れてて、笑っちゃいそうなのを必死で堪えた。


「そう!ユノがバットマンで僕がジョーカーで…永遠に戦い続ける運命!!」


僕が戦闘態勢に構えると、ユノは何とかうろ覚えのバットマンを真似ようとし出だすからもう面白すぎて。結局爆笑しながらユノを運転席に押し込めて僕も助手席に乗った。





















永遠なんてないけど



永遠に誓うよ、ユノ












デートしてくれて、ありがとう











ありがとうございました。駄文のため、かなりかなり分かりにくい内容だったかと思います。好き勝手やらせて頂きました、ありがとうございます!あと20000拍手リクのta****様、あらぬ方向へ進んでしまい、この番外編でお応えしたかったのですが失敗したと思います。大変申し訳ありません。
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片割れ chap.9 番外編#30 チャンミンの平行世界

(注意)末尾に、実際の韓国盤第6集&リパッケージ収録歌の歌詞を使わせて頂きましたが、日本語訳は番外編の物語に合わせたトラシカ号仕様の完全な意訳です。元々の意味合いを損なってしまう恐れのある方は目を通さないよう、十分ご注意下さい。ただとても素敵な歌なので、宜しければこの機会にもう一度聴き直すチャンスにして頂ければと願います。







******









「…………。ユノヒョン!!」

「ん!?」


自分でもびっくりするほど大声が出た。ユノヒョンはさらにびっくりして体を硬直させる。


「『チャンドル』は!?」


『自分』のことをユノヒョンに聞くなんて間抜けだけど、思わず出た疑問は取り消さなかった。ヒョンに投げ飛ばされてからの意識がない。ヒョンはさも自分のことのようにはっきり答える。


「帰ったぞ」

「……そう、なんですかね……」

「あとミーティングな。一旦解散してもらって夜に変えてもらえたから。時間もできたしキュヒョンもミノも呼んだ。まだ休んでていいぞ」

「あ、すいません……」


新しい満タンのグラス達が運ばれてくる頃には、ひどく喉が乾いて人数分の水は全部僕が飲んだ。ここに入って『チャンドル』はアルコールを摂取したのかもしれない。焼酎の香りが喉奥に着いてる。


「いやでも流石と言うか、、ヒョン達への事務所の期待度が改めて分かりますね。ちょっと残念ですけど、チャンミニヒョンなら絶対成功すると思います。応援します!」

「ミノ……ごめんね。でももう譲らないから」

「当然ですよ。僕はテミナの世話もありますし、シャイニーを上げていきます!」


ミノの、今でも僕を慕ってくれるいじらしさに救われる。スペクトラムの他のメンバーにも納得してもらわなくてはいけないし、長すぎる休止期間にも問題は多いけど、誰にもユノヒョンの隣は譲れない。
譲らなくていいって、『チャンドル』の絶対的な自信が教えてくれた。


「……ちゃんと、……帰れた?」


『チャンドル』に体を貸せたんだろうか、自分じゃ分からない。この個室に入るまでの行動がひどく鮮明で、『チャンドル』じゃなくて僕が主導権を握っていたようにも思える。

僕が吸収しちゃってない?チャンドル…


「……」


胸に手を添えて、頭の中の部屋に呼び掛けてみる。応答は今のところ、ない。
袖を捲ってインクだらけだった腕を見ても、何もない。あんなにスラスラ書いた文字は全て消えてた、ものの見事に。


「…あっ」


腕の下にちらりと見えたロングカーディガンのサイドタグを寄せ上げて、


「……元に戻ってる!……帰れたんだ、本当に…っ!」


ただの韓国製だってだけの表記に、震えるほどの感動を覚えた。今日の朝は確かに日本製だったそれ。でもそんなはずは絶対なかった。これはキュヒョンとソウルで買い物した時購入したものなんだから。日本になんて暫く行ってない。


「キュヒョナ!これ!このカーディガン覚えてるよね!?清潭洞のセレクトショップで買ったよね!?」

「お、おう…?」


部屋を見渡してリュックを探すと、さっき家政夫さんに貰ったペアキーホルダーも無くなってた。何のペアだったのかは、見えなかった。とてつもない『チャンドル』の閃光のような精神力に支配されて。


「……持って帰ったのか……、『チャンドル』が……」


『ユンホ』との軌跡は、1つ残らず


「……」



まるで『全部僕のものだから』って、

主張するみたいに。






(……『お前』も、どれほどの想いだったの……)


甘ったれだけど、強い意思があって。
僕らしく生きてて。
愛されて大輪の花のように、堂々と『ユンホ』と共に歩いてる。
誇るべき、もう1人の『自分』。




「っていうか、、チャンドルが帰るとか何とか、……さっきからそれ何の話……??」


放られた声の向かいに、キュヒョンとミノがぽかん顔でユノヒョンと僕を交互に見てた。


「あ……」


なんて、説明すれば。。


「そんなことよりさっき言ったこと、お前ら認めてくれる?今までチャンミナを近くで守ってくれてた2人には、ちゃんと知っておいてもらわないと」

「ああ、もちろんです。俺はずっと、本っっ当に嫌になるほど昔から相談されてきたんで……ふふっ。チャンミニおめでとう♪」

「へ?」

「僕は……さっきユノヒョンとキュヒョニヒョンから聞いたばっかりで……、、ででも2人の気持ちが大事ですよね!?」

「?ユノヒョン、何の話ですか??」

「チャンミナ…」

「!」


今度は僕が話題から取り残されてついていけない。説明が欲しい。なのにユノヒョンから言葉より先に両手を包まれて、ビクッと跳びはねた。
好きな人に突然触れられるとこんなに体って反応するんだ。。
手を重ねたら引っ込められた、昨日のユノヒョンの反射が理解できる気がした。



「俺も」

「え?」





あの、












「俺もチャンミナが好き」


「……」









この身に火を放つほど



焦がれた人が、












「俺の恋人になって…」






僕の目を見つめながら、


僕の指に口付けを落とした。








「…………」





時と空気が、真空パックされたような、瞬間。

僅かに僕の肌から浮上した口が、また同じ内容を繰り返す。さっきよりも少し、大きくしっかり響く声で。


「恋人になろう、チャンミナ。返事は?」

「…はい……」


だって本当は、ずっと欲しかった。
ユノヒョンから目線を反らせない。またちゅっと指先へ触れる唇の温かさと柔らかさ。大好きな笑い方。三日月に輝く宝石の瞳。
どれも必要。
僕にはどれも大切なんだ。


「……それとも結婚する?」

「は!!?」「え!」「えええ!?」


そして、とびっきりの飛び道具。


「だってプロポーズのキス、前したろ」

「うわ…っ」「ぎやあ!!」

「な…っ、何言ってんですかあんた…っ、、で、ででできるわけないでしょ…っ、僕たち、お、男同士ですよ……っ!」


キュヒョンは口を手で抑えて目を見張ってるし、ミノはこめかみを腕で抱え込んでパニックになってる。何を隠そう、僕が1番挙動不審で、ユノヒョンが1番平然としてる。僕たちはまるで正反対だ。
手を振り払おうとぶんぶん揺さぶっても、ヒョンは離してくれない。その力強さが嬉しいなんて、口が裂けても言えないけど。


「じゃあ、できたらしてくれるの?そう言えば俺、返事もらってない。あの後すぐチャンミナ宿舎出ちゃったから、俺てっきり気持ち悪がられて振られたんだと思ってた」

「あ…あれは……、」


違う、違う。そうじゃなくて。


「そうじゃなくて……」


報われない片想いをずっと耐えてた僕に。

同情した神様か何かが落としてくれた。

イタズラなご褒美のようなキスだと、

思ってたから。


「……そんな風に思ったんじゃ…ないんです、、」


もうあれだけで、生きていけると思ったから。





本気で。









「じゃあ、何で兵役に行った?」

「………」


でも、ユノヒョンを守りたいが為に出ましたなんて……そんなこと、言うこと自体ナンセンスだ。
おこがましい。格好悪い。


「言えないの?」

「……………はい……」


僕たちの溝は、気持ちが通じ合えても埋まらない。解決できない。
言わなきゃ伝わらないことは、言えば砂のように手からこぼれ落ちるだろう。口に含めば嫌悪で吐き出したくなるだろう。

つまりはそんな。
晒せば無意味で、下手すればこの人のプライドさえも傷付けかねない、独りよがりの下らない守り方だった。


「……」







本当に。馬鹿みたい。









「お前ってやっぱり、最高に格好いいな……」



「はあ…っ?」

「本物のヒーローみたいだ」

「……っ、何言ってるんですか!もう…っ」


ヒーローはあんただ。
苦しい時も辛い時もあえて前向きで、ストレートで、純粋で。何年経っても変わらない。




貴方こそ











「大丈夫だよ、言わなくても。もう、分かるから」


握られるユノヒョンの手が、強くて。熱くて。


「……ユノヒョ…」


震えてて。汗ばんできてて。
ユノヒョンの勇気が伝わる。


「メンバーに戻って、恋人になって、俺の隣で歌い続けて。それで俺でもいいって決心ついたら、海外でもどこにでも行って結婚して」


「………」










たった、











たった3日間で








「あっ!いや、まぁ……っ、、それはその、、チャンミナが。……いつか思ってくれたらの話だから……、、悪い…。。はぁ~~、焦り過ぎたぁぁ……」

「……なに急に可愛くなってんですか…」

「は!?」

「お?」

「お、俺は格好いいだろ!?」

「ぶふっ、自分で言ってら~♪ヒョン」

 








人生がひっくり返った。



『チャンドル』のおかげで。








「ちょっとすいませんけど……ミノが失神しそうなんで、その辺でニヤニヤイチャイチャするの止めてもらっていいですか?」

「へ!?あ、ミノ!おい、大丈夫か!?」

「……っ、鼻血出そ…っ」


今まで格好良く決めてたユノヒョンがやっと手を離してくれたと思ったら、両手で顔を覆って可愛くなったり立ち上がってバタバタ騒がしくなったり大忙し。

だけど分かるから。僕も。
恥ずかしかったり苦しかったり。この想いはどうにもうまく表せない。

ユノヒョンと交代して落ち着いてもらって、キュヒョンと一緒にミノが落ち着くまで看病した。ミノの気も戻ってきて、ふとユノヒョンの方を向くと、目が合う。最初で最後の恋人が、愛しそうに僕をただ見てた。背中ばかり目で追ってた、贅沢すぎる相手。


「……っ」


マジか。




「歌って」



「……え?」

「ギュラインの歌、歌って。……さっき急いでて、聴き逃したから」

「あ、チャンミニできたの?歌詞。もう修正なし?」 

「……うん。できたら修正したくない。その……夢の中で、、物凄く良い歌詞が思い浮かんで……」


これは、『チャンドル』と作った歌詞だから。僕と『僕』の想い。
伝わるように、2人で考えた。
考え抜いた。


「え!?チャンミニヒョン本当ですか!?」

「ぎゃはははははっ!嘘つけ!」

「……。へー!チャンミナすごい♪どんな歌詞だ?」

「嘘じゃないって!本当に!僕、の、こう……今まで待っててくれた……人達のために……」

「「「どれどれ」」」

「……」


面白がったキュヒョンに紙とペンを押しつけられて、僕は溜息を吐きながらそれを受け取った。


「……これは、……本当はこの曲で、引退するつもりだったんです」

「させないからな」

「チャンミニ…」「ヒョン…」


3人の声が胸に響いて、瞳を閉じて感じ入った。自然と口角が上がる。





「さよならの歌が、始まりの歌になりました」




『チャンドル』のおかげで。











「全部『チャンドル』のおかげだな♪」

「……。まあ…」

「だからチャンドルって?」「犬です?」


目を開けてユノヒョンを見るとにっこにこ。
いや、そうなんだけどね。自分でもそうだなって思うけど、ユノヒョンから言われると、なんか僕より『チャンドル』の方を評価されてるようで落ち着かない。


「いや~、本当に甘えん坊で可愛くてさーっ。最後にチャンミナのことをすごく想って訴えてくれて…あーあいつも格好良かったなぁ」

「……ちっ」

「訴えて?」「ワンワンって?」


やっぱり確信した。何をユノヒョンに訴えたのかは知らないけど。やっぱりやっぱり、僕は『自分』が大嫌い!


「ヒョン!」

「え?」


言ったよね?ナメるなって。

愛を獲得した今、童貞の猛進力は半端じゃないから。絶対僕の方がユノヒョンを想う気持ちは勝ってる。
ヒョンの顔を両手で挟んで、“プロポーズ”を押し付けた。


「!!!」

「これから宜しくお願いします!」

「うええええ!?」「……っっっ!!!?」


それからバッと振り払って机上の紙にペンを走らせた。視界の端にミノの鼻血が見えたけど、ユノヒョンが固まって動かない気配もキャヒョンの大笑いにも顔を上げることが出来なかったのは、僕自身の耳が燃えそうなほど熱かったから。






僕たちの旅は、これから始まる。














******









「……」


なんだか、何だろう。


「どうした、ほらやっぱり書けないんだろう」


ニヤニヤ顔のキュヒョンに促されるけど、何だろう。それじゃなくて腹が立つ。


「いや、違うって。キュヒョナ作曲してよ、アレンジはストリングス中心に伴奏して…秋に似合う切ない感じのバラードで」

「ちょ、待てよ。そこまで細かく、本当に!?何、それソロの歌?」

「うーん…ギュライン?」

「はあ?」

「それはダメ。俺が歌いたいから。だってペンに向けた歌だろ?だったら俺にも考えさせて」


「あー、まあ……っていうか、……」


無性に腹が立つ。


「絶対僕の方が勝ってる…」

「へ?」「へ?」「へ?」

「いや…」


どこかで僕のユノへの想いがコケにされてるような変な調子が押し寄せて腹が立つ。
何だろう、、。
僕は僕なりにユノをどうしようもなく愛していて、表せないけど正直世界で1番の自負がある。
だからとても腹が立つ。
これは、素直になれない自分の苛立ち?


「……」


それとも『チャンミナ』?






「ユノ」

「ん?」





僕だってね、言う時は言うんだ。





「これ書いたら、……デート行かない…っ?」

「……今から?お前具合大丈夫か?」

「うん。その、、飲みに連れてってくれるって言ったじゃん……部屋の掃除で揉めた時…」

「あー」


付き合ってるし、デートくらい。
って言ってみたは良いものの、『デート』って単語が猛烈に照れくさくて髪の毛をくしゃくしゃ掻き乱した。
所在なくてスマホを見るともう夜中と言っていい時間帯。
あーくそ。時間確認してから言えば良かった。明日も早い…。






 



「よしっ」




だけどユノは、やっぱり言うでしょ?








「いいよ行こう!俺の連れて行きたい店でいいか?」



ほらね。



「うん、分かった」


「……甘い」「……やっぱり尻に…」


うきうきした心を悟られないように緩んでしまう口を「い」っと気合いを入れて引き締めて、至って真面目を装い机上の紙にペンを走らせた。







僕たちの旅は、これからも続く。













---- I Swear ----


나를 보며 미소 짓던
僕を見て微笑む

그 모습이 낯설었지
その姿が なかなか見れなかったんだ

날 부르던 니 입술에
僕を呼ぶ君の唇に

고갤 들었고   
顔を上げて

눈부셨어
…眩かった

겨우 바라본 니 모습
やっと眺めた君の姿


오랜 시간이 흘러서
長い時が流れて

이젠 익숙한 니 앞이
いつしかそこにあった君の前が

나에겐 아직까지도
僕にとっては今も

많이 소중해
とても大切なんだ

고맙다는 말 한마디
ありがとうの一言が

수줍어 말 못한 내가
恥ずかしくて言えない僕が

밉진 않았니
憎かったでしょう


어느샌가 익숙해진
いつの間にか そこにあった

니 사랑이
君の愛が

늘 그랬듯
いつもあるものだったから

당연하다 생각했었어
たんなる親しみ(当然のもの)だと思ってた

바보같이
バカみたいに…

미안한 마음뿐이야
本当に申し訳ない


오랜 시간이 흘러서
長い時が流れて

이젠 익숙한 니 앞이
今は馴染む君の前が

나에겐 아직까지도
僕にとっては今も

많이 소중해
とても大切なんだ

고맙다는 말 한마디
ありがとうの一言が

수줍어 말 못한 내가
恥ずかしくて言えない僕が

밉진 않았니
憎かったでしょう


어둠이 다가와도(Love U)
暗闇が近づいてきても

baby I Love U, Thank U(Thank U)

내가 널 안아줄게(Love U)
僕が…君を抱き締めてあげる…から

baby I Love U, Thank U(Thank U)

어둠이 다가와도(Love U)
暗闇が近づいてきても

baby I Love U, Thank U(Thank U)

내가 널 안아줄게(Love U)
僕が君を抱き締めてあげるから…

baby I Love U, Thank U(Thank U)


I'm falling for your love,

I'm falling woo

너를 지킬게
君を守るから


오랜 시간이 흘러도
長い時が流れても

사랑한다는 한마디
愛してるの一言が

어색해서 말도 못할
ぎこちなくて言葉にできない

나일 테지만
僕だけど

우리 함께
僕たちの、一緒に

울고 웃던
泣いて笑った(悪い事も良い事も)

지워지지 않을 기억 간직해
消せない記憶全部をそっと大事に抱えて


(Love U)

어둠이 다가와도(Love U)
暗闇が近づいてきても

baby I Love U, Thank U(Thank U)

내가 널 안아줄게(Love U)
僕が君を抱き締めてあげるから

baby I Love U, Thank U(Thank U)

어둠이 다가와도(Love U)
暗闇が近づいてきても

baby I Love U, Thank U(Thank U)

Baby, I swear Forever
僕は誓います




Korean Lyrics by 심창민(Sim Changmin)





あと1話です。
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Fc2


片割れ chap.9 番外編#29 チャンミンの平行世界










「うん、とにかく水。ほら」


手渡された水をこくんと含むと、一口の水分が感動するほど美味しい。解毒剤を飲んだように体が生き返ってくる。


「俺も近くのカフェから帰るところだったから、ちょうど良かったんだよ、キュヒョン。お前ら飲む時だいたいこの辺りが多いの?」

「……。まあ、そうですね。それぞれ美味しそうなとこを予め探して回ってます」

「今日はキュヒョニヒョンが見つけてくれたんですよ。初めて来たんですけど、品数も多いし美味しくて良かったですね、ここ」


それは僕にとって、3日前の出来事だった。
キュヒョンとミノと、この場所で、飲んでた。


とても昔のことのように感じる。

長い旅から、帰ってきたような。


3人の会話を左脳で思い出す。右上のどことはなく見上げて頭の作業をしていると、僕が上の空だと思ったのか、隣に座る人から肩をさすられた。


「ったく。帰るか?」


語尾を上げて問いかけてきた人は、僕の人。
膝をかしてくれた優しいこの人は、僕の人。

空の色を確認しなくても、店のメニュー表で文字を確認しなくても、雨や海の色を確認しなくても、分かる。分かるものは分かる。
僕だけの動物的な勘。


または、本能。


「……ユノだ……」


ユノだった。

ユノは帰るかと聞いたくせに、向かいの2人とまた話し出す。新しい満タンのグラス達がまた並ぶ。


「でも本っっ当助かりましたっ。迎えに来てもらうわ小言は多いわ大変でしょ、ユノヒョン」

「まあ、だいたい毎日怒られるけど、気になんない。ははっ」

「わー……毎日か」「わー……毎日か

「あ、違う!怒られるんじゃなくて叱られるんだった!」

「……どんだけ?」「……尻に引かれてる?


ユノが僕の隣で、恰好よかったり優しかったり可愛くなったりする。いつも在るそれらが、いつも僕を色んな感情にさせるけど、今の僕は勇者の気分。冒険から無事に帰還した、エンドロール目前の主人公。


「ユノ…!!」

「!や、違う違う!俺が悪いんだよなっ。分かってる分かってるっ」


僕の呼び掛けにまた驚いたユノがあたふた両手で抑えて抑えてとジェスチャーするけど。今じゃないと、この勢いじゃないと。死ぬ気にならないと言えないから。
前後に振られる長い指たちを僕の両手で包んだ。


「ユノ、伝えたいことがあります!」

「……へ?」


今なら、言えるかも


「あの……っ」

「…うん?」





『好きだよ』って

『愛してるよ』って

『ありがとう』って





「あのね…っ」




「……えっと、、チャンミナ、まあ後でいいから…な?2人もいるし……」




はっと我に返ると僕は拝み倒すように手の中のユノの指に口付けてて、ばっと向かいを見ると口をあんぐり開けて僕を凝視するキュヒョンとミノがいる。
親友と後輩に見られてめちゃくちゃ恥ずかしい。でも今、言わないと。
ユノの手を離せない。でもやっぱり、恥ずかしい。


「……っ、、いやあの……っ、…っ今までの彼女とかにはちゃんと言ってたんですよっ。けっこう言葉で伝えてて……喜んでくれたし、それが彼氏の特権だし本当に好きだったし…、、っ」

「……」

「チャンミニ何で突然元カノの話…?」

「ヒョン、さすがにちょっと……」

「いや、じゃなくて…っ、伝えたいのは……、、」


いらない言葉ばかりが寄せ集まってくる。躊躇った隙をついて、天の邪鬼が出しゃばる。
ユノは眉を下げて、それでもじっと見つめてくれる。
傷つけた……、そう思うのにこの人の言葉は優しい。


「大丈夫だよ。言わなくても、分かるから」

「……」





この人は、僕以上に


僕を分かってくれるから、






「ありがとうとか好きとか、男同士でそう言うの、俺は恥ずかしくてできないわっ。はははっ」

「……っ」


優しい嘘を僕のために吐く。

だけどあんたはいつも言ってくれるじゃない。「好き」「可愛い」「綺麗」「格好いい」「いつも頑張って偉い」「ありがとう」「愛してます」、愛の水を惜しみなくこんこんと注いでくれる。
眩しそうに目を細めて笑って、こんな僕を愛しそうに純粋に見てくれるじゃない。


「……僕は、」





持て余して、言葉になんて



未だに


たまのメールくらい









「僕が伝えたいのは、………歌」




だから、僕は誓う。




「恥ずかしくてユノにはなかなか言葉にはできないから……歌で、いろんな気持ちを表現できる、そういう人間になりたい……」


僕は誓う。

これからも歌い続ける楽しい曲、切ない曲、悲しい曲、希望の曲、愛の曲。
2人の物語だと想って、歌う。

悪いことも良いことも一緒に経験してきた僕たちなら、きっとできるから。


「そうか」


見上げたユノがすごく嬉しそうに一言返してくれたから、やっとほっとできて僕はユノの手を離した。でも次の瞬間に訪れたのは、僕なりの告白をついにしてしまったっていう達成感と羞恥心。今更ながら『チャンミナ』の崖っぷち精神が羨ましい。


「……っ、だから!そろそろ次のアルバム制作始まるじゃないですかぁ!?」

「え?あ、うん?」

「今まではスタッフに任せてたりしてましたけど、あれってどう思います?僕たちもしっかり選曲したり、できたらミキシングもちゃんと参加したいんですよねっ」

「……確かに。だよなっ!!あ、アルバムに入れる曲の順番も考えて……流れを作ってみたらどうだろ?それで物語を聴いてるような…」

「それいい!いやあ~っ、すごくいいと思います!さすがユノ!」

「……なんか一気に」「……色気ないですね」


キュヒョンとミノの呆れた声を、ユノへの盛大な拍手で打ち消した。なのにキュヒョンはまだ食い下がるから、親友ならではの物言いに辟易する。


「お前なんでありがとうくらい言えないの?ユノヒョンにだけ言えてないんじゃない?あんな寝ぼけてユンヒョン呼ぶくせにさ。せめてそれくらいちゃんと言えば?」

「………っ、違うし!!寝てただけじゃないし!」

「……は???」


ちょっと今パラレルワールドの話なんてできない。絶対夢だと思われるし。それよりこの恋人の名前を叫びまくってた自分を何とかしたい。


「…っ、夢の中で物凄く良い歌詞が思い浮かんで……っ、あーこれユノに見てもらいたいなあっと思って……呼んでたんだって。今だって思い出せるもん…」

「え!?チャンミニヒョン本当ですか!?」

「ぎゃはははははっ!嘘つけ!」

「へー!チャンミナすごい♪どんな歌詞だ?」

「嘘じゃないって!本当に!僕、たちの、こう……愛してくれる……ペン達のために……」

「「「どれどれ」」」

「……」


面白がったキュヒョンに紙とペンを押しつけられて、僕は溜息を吐きながらそれを受け取った。




エンドロールは、もう少し先らしい。












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Fc2


片割れ chap.9 番外編#28 チャンミンの平行世界






うなじが、ほんわか、あたたかい。

首を預けた下の物体が微かに動くこの揺れが気持ちいい。

……心地いい

このままでいたい…







「他は何食べる?何でも頼めよ」

「あ、ここカルボナーラありますよ。カルボナーラどうですか?ユノヒョン」


……ユ、、


「……ふふっ…いや、それはいいや。俺スプライトだけ頂戴。お前らとにかく欲しいやつ頼めよ、チャンミナのお礼に全部奢るからさ」

「あざーす!」「あざーす!」


重い瞼を押し上げて焦点を合わせると、真上に滑らかな喉裏とシャープな顎が踊ってた。そこから飾りのようなつくりの鼻先が見え隠れする。下から見上げても美しい、均整の取れた骨格。


「……ヒョン…」

「お」


見下ろされた顔が、真剣に僕を見つめる。鋭いその視線に、僕は射られる。ときめく。

ゾクッとくる。

そんな気も知らずに、ユノヒョンは僕の髪をすく。そのまま冷たくて気持ちいい左手が、僕の右頬をなぞる。
猫になりたい。そしてこの人に甘えてしまいたい。


「大丈夫か?まだ気持ち悪い?」

「あ、チャンミニヒョン起きました!?」

「ぶ…っ、驚くぞこいつ……くく」


ユノヒョンに続いてミノとキュヒョンの声がした。頭を起こして確認すると、卓の向こうに二人が並んで座ってる。


「…………」


さらに首を回して辺りを確認すれば、昨日ユノヒョンと来た居酒屋の個室に似てる。卓上には食べ終えた空の皿や氷だけになったグラス。。


「おーい、まだ寝ぼけてますかー?」

「キュヒョナ……」






ここは……、、
















******









うなじが、ほんわか、あたたかい。

首を預けた下の物体が微かに動くこの揺れが気持ちいい。

……心地いい

このままでいたい…







「何食べます?何でも頼んで下さい」

「あ、ここカルボナーラありますよ。カルボナーラどうですか?好きでしたよね、ユノヒョン」


……ユ、、


「んー、それは手作りで食べたいからいいや。俺スプライトだけ頂戴。お前らも何か頼めよ、チャンミナのお礼に全部奢るからさ」

「あざーす!」「あざーす!」


重い瞼を押し上げて焦点を合わせると、真上に滑らかな喉裏とシャープな顎が踊ってた。そこから飾りのようなつくりの鼻先が見え隠れする。下から見上げても美しい、均整の取れた骨格。


「……ゆ…」

「お」


見下ろされた顔が、真剣に僕を見つめる。鋭いその視線に、僕はいつも射られる。ときめく。

ゾクッとくる。

そんな気も知らずに、ユノは僕の髪をすく。そのまま冷たくて気持ちいい左手が、僕の右頬をなぞる。猫になって、甘えてしまいたい。


「大丈夫か?まだ気持ち悪い?」

「あ、チャンミニヒョン起きました!?」

「ぶ…っ、驚くぞこいつ……くく」


ユノに続いてミノとキュヒョンの声がした。頭を起こして確認すると、卓の向こうに二人が並んで座ってる。


「…………」


さらに首を回して辺りを確認すれば、さっきと変わらない居酒屋の個室。変わったことと言えば卓上に食べ終えた空の皿や氷だけのグラス、くらい。。


「おーい、まだ寝ぼけてますかー?」

「キュヒョナ……」





ここは……、、







「…………。『ユノ』!!?」

「ん!?」


自分でもびっくりするほど大声が出た。『ユノ』はさらにびっくりして体を硬直させる。


「嘘…っ、ごめん僕失敗した!?意識飛ばなかった!?」


どうしよう。どうしよう。
他にどうすればいいんだろう。
ココが正解だと思ってたから今さら他の方法が見つからない。

事情を知らないキュヒョンがのんびりと僕を嗜めた。


「何言ってんだよ、ただ寝てただけだろうが。ユノヒョンの膝枕で♪」

「え……!?」


寝てただけ?
それじゃあ、まったく意味がない。意識が飛ばないと、僕は元いたところに戻れないんだから。


「……『ユノ』僕どうしよう……っ、、本当にごめん…っ」

「ふっ、大丈夫。ほら水、少し飲みな?」

「あ~ユノヒョンまたそうやって甘やかすからー。だからチャンミニもつけあがってひねくれちゃうんですよ。『わざわざ来てくれてありがとう』くらい言わせた方がいいっすよ、マジで」


そうか。
念のためか、『ユノ』が乾杯した後キュヒョンもミノも呼んでくれたらしい。


「あ……キュヒョナ、ミノ。わざわざ来てくれてありがとう……ごめんね、何か仕事抜けて来てくれたの?」

「……」「……」「……」




しんと、ひとつ温度の下がった空気が個室を包んだ。




「何言ってんだよ、ユノヒョンだろユノヒョン!!」

「……へ??」

「お前が吐くとか言いながら倒れてびっくりしたのに、結局ただ寝落ちしてただけで!それだけなら未だしも、ユノ~ユノ~ってでかい声の寝言が永遠に!続くから!仕方なくユノヒョンに連絡して来てもらったのっ」

「チャンミニヒョンすいません……揺すっても叩いても起きなくて……だけど僕たちだけじゃとても担いでは帰れないし、ヒョン本当に物凄い声だったんで、どうしようもなかったんです……」

「…………」


『ユノ』を見れば、ただただ優しい微笑みのみ。



いや、『ユノ』じゃなくて……











「………ゆ、、ユノ…?」








ココは、どっち?


















ごめんなさい、タイムオーバー!涙
明日も…ど、どうかなぁ~。汗
とにかく少しずつでも進めます!

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