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はじめまして

東方のお二人が大好き!りょう(ゆのっぽん)と申します。

好き過ぎて、いろんな妄想させてもらおうと思っとります。

お二人の絆はどんなリアル、時代、背景でも繋がっている。そんな気持ちが表現できればと強く思います。

ただの私の勝手な妄想です、実在の方々や会社様、イベント等には一切関係ありません。時系列もバラバラです。このブログでのみ楽しんで頂くことを心よりお願い申し上げます。


当ブログはホミンホのお話になります。(主にホミン)
BL表現出てきます。18歳未満の方、気をつけて下さい。
昔のメンバーの方々には、一切興味がありません。
なるべく気をつけていきますが、気分を害されるという方がいらっしゃないように、閲覧は自己責任でお願いします。

どうか、一瞬でも誰か様のお二人の帰りを待つ暇潰しになりますように。
私も楽しみます!


りょう(ゆのっぽん)





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サンタクロースなんていない!(後編)

(注)刺激あるホミンなBL表現ございます。苦手な方、18歳未満の方、十分ご注意下さい。








18:03(JST)






東京都内のスタジオ前でバンを降りたら、




(、、、あー、もうそんな季節かあ……)




どこかからWham!の曲が聴こえてきて、


単純にそう思った。




「チャンミン」

「はい」


通りを見渡すと確かに可愛らしい雪だるまやジングルベル、もみの木のイラストを揺らすフラッグがブランドショップの軒先に並んでいるし、その先の大通りにはイルミネーション街の欠片達が見えた。楽しげで綺麗な色達の集合体。
だけどスタッフさん達に先を急げと誘導される僕の目にはその程度しか認識できず、後は爽やかな北風が虚しさで頬を叩いた。













小学1年生の時














サンタクロースは

本当はいないんだって気付いて、



ずたずたに傷付いたんだ。








だって本気で、信じてたから





















「……って、どわっ!!!!」


重苦しい雲に押し潰されるようにネガティブな思考回路へ陥ってゆく気持ちを、自ら声を張って体ごと掬い上げた。楽屋の控え室、ふかふかのソファーが軋む。

危ない、危ない


「??どした?チャンミナ?」


目の前には対のソファーに座ってスマホを弄ってたユノがきょとんと僕を見てる。


「……」

「おい、チャンドリ?」

「……」





サンタクロースなんていない















それはとても悲しい事実だったけど






今は気付けて良かったなって






思えてさえいるんだよ




「続きが読みたかった本、韓国に忘れてきたって今気付いた」




ユノが居るから




「へ……それだけでそのリアクション…?」

「うん、超ショック~。ああ~今すぐ韓国の家に帰りたいぃぃ」

「いや、無理だからっ。それは帰国までの楽しみにし、、……ぷふ………くく、、あはーはーはー!」


くだらない過去の暗雲を冗談にスライドさせてユノを笑わせた。のは良いんだけど、ユノは予想以上の大爆笑。腹を抱えてヒーヒー悶絶を続けた。僕はもっと冗談を畳み掛けて笑わせたいのに話が進まない。途端に押し寄せる嬉しさと苛立たしさ。どちらにせよ僕の感情はユノへと向かう。


「なあにがそんなにツボにハマったんすかねえ。まだ何もしてないのに。笑💢」

「や、だってお前…っ、くくっ、突然絶叫するから何事かと思ったらチャンミナめっちゃ飛び上がっててっ。体ビックリするくらい浮いて…っ、…だはぁは!笑」

「イラッ。ああ~、ユノは人が嘆き悲しんでる姿にどうしようもない可笑しさを感じる非情なヒョンだったんですね~!!」

「面白くて!可愛くて!笑」

「っ、はあ、もうおじさんだって」


長い月日が経ち、僕の目尻には笑うと皺が浮かび上がるようになったっていうのに。


「どんどん格好良くなるし、目は相変わらず綺麗で、吸い込まれそうだ」


燦々と、日常の至るところにクリスマスプレゼントのような賞賛を散りばめてくれる。照れ隠しの虚勢を張っても、今はもう何の効力もない。
ユノは自分の例え通りに(この時点でもはや例えじゃなくなっているが)、僕の方へ寄ってくる。


「ちーかーづーくーなー。ゲームする」

「少しだけ」

「オタクをなめんな。邪魔したらマジで嫌いになるからね」


脅しても、


「信じるとかじゃなくて。もうずっと隣に居てくれるんだろって、分かってるから。にゃはは♪」


笑うしかない。


「じゃあ、思いきり飛び込んでこいっ!笑。カモンっ!!」


勢いよく広げた腕の真ん中へすんなりユノが降りてきた。嬉しくて、照れくさい。えへへって、心が恥ずかしがる。
でも、微かに。
擦り合わせた頬の具合と腰に回された手の強さに(こんな所で珍しいな…)と、思った。
ハグだけどハグじゃない。粘度のあるスキンシップ。僕だけが分かるソレはすぐに解かれて、ユノは僕の横へ、過剰と言えるほど泰然として座り直した。
でも分かる。誰がいつ入ってくるかも知れない楽屋で。仕事ド真面目人間のユノが。何故。


未だ隣へ居座る、性的な影。


「……。なんです?」

「え」

「何か言いたいことでも?」

「、、、デートしようか?今日、仕事終わったら。東京好きだろ?夜景を見に行くか?」

「…」

「クリスマスも近いし。俺が一緒に過ごそうって言ってもお前いつも自然なままでって言うから、でも今日はたまたま時間もあるし。うん、クリスマスでもないし、たまたまだし、」


何言ってるのか全く訳の分からないことを呟きながら、謙虚な黒い瞳に紛れる炎を見つけた。それは僕だけに分かる情熱。



「ああ……そういうこと…。ぷ、ふ、はっはっはっはっはっはっ♪さっきまでの僕のどこにそんなきっかけが?笑」

「いや、これは前から考えてたから」

「そうじゃなくて」

「ん?」








僕だって、もう分かるんですよ








「…。いいね、デートしたい」

「わあ、ホント!?」


わざと本性を外して話に乗った。ユノはなんかキャピキャピ。両手で自分の頬を挟んで喜んだ。無意識に可愛こぶって、素顔を誤魔化してる。


「ホントですって。ユノと行きたい」

「ん~♪じゃあ♪スケジュール終わったらまず飯食おう?今日は新人のスタイリストと帰るから、あいつも誘えばいいよな♪」

「そうっすね。笑」


そんな回りくどいことしなくても大丈夫。



自然のまま、欲求のまま


自由でいい


それがユノなんだ



ユノの情熱は全て僕がそのまま受け止める。

最善を尽くすと決めてる。貴方は分かってる。






サンタクロースなんていらないよ(笑)






「次はぁ…、俺は逆サイドにローソン!逆ロー、逆ロー!」

「僕、こっち側でセブンイレブン」


「ゲームならスマホじゃなくて俺としよう」とユノが言うから、六本木の中華飯店までの道のりを2人で遊んだ。次に見えるコンビニエンスストアは何の店か当てる、ユノが作ったゲーム。加えて
、行く道(左)側にあるか、逆サイドの右手にあるかも当てる、僕が考えたルール。罰ゲームはしっぺ。

同乗した日本語の分からないスタイリストさんに少し申し訳なかったけれど、送迎スタッフの日本人の運転手さんには発音もゲームも褒められた。


「移動する間飽きないし、すごく楽しそうですね。お二人で考えたんです?」

「♪♪♪はい、ポク達が今考えまし…」

「あった!当たり!はい、僕の勝ち!」

「ぃったあーっ!おい、こっちにあったか?
俺見てない!」

「よそ見してるからっすよ、ほら次は!?僕は逆サイドのミニストップ」

「っ、次は絶対勝つ!俺は左でファミ…ファ…マ、あれ??」


勝負がつく度、後部座席で2人、盛大に喜んだり落胆したり、ドローは同じ仕草で悔しがったり。


押したり引いたり、尖ったり丸くなったり、または同調したりを繰り返す。行ったり来たり、支配したり占領されたり、付いたり離れたり混ざったり、無限に。
終わりなき円の中を2人で回る。
それが僕たちの在り方だから。


あっという間に到着した店の個室へ通された時、長めのテーブルクロスが掛かった真っ白いダイニングテーブルを見て思わず吹き出した。イタズラを閃いた。


ユノが取り繕う時、僕は大胆になる。


「頂きまあす」「頂きます♪」

「2人共、お疲れサマですー♪」


4人用テーブルを挟んだ向かいにユノを座らせて、スタイリストさんは僕の隣に座ってもらった。始めはとりとめのない会話とお酒とコーラ。後に美味しい料理とこれから3人で行く夜景スポットの相談。からの、僕らが急に行っても迷惑にならない馴染みのボーリング場に行くかどうかの吟味まで。何とも歯痒い。


「僕、日本来たら色々行ってみたいと思ってたんですよね!ユノさん、チャンミンさん、ありがとうございます!」

「大丈夫。日本が初めてなら色々案内してあげたいし、何より楽しいのが1番だから♪チャンミナいいか?どう?」



そんなに遠回りしないで


思いきり飛び込んでこいと言ったんだから、






躊躇わず僕の中へ来い



「僕も今日はいい感じなんで。折角なんで楽しみましょうか♪」

「!」


これはユノの隠れた衝動だ。そんな確信で仕掛けたイタズラに気付いたユノが、ビクッと身体を1つ震わせて固まった。エンストしたロボットみたいに。清い目玉が最後、自動的に初期設定の横目の位置へ戻ると完全に機能を停止した、まさにそんな感じで。何も知らないスタイリストさんが気軽にユノを気遣う。


「ユノさん?どうかしました?」

「……いや…、ちょっと、ビックリしただけ…だけど何もない、何もない」

「そうです?じゃあ、1人じゃ何も分からないので連れて行ってもらえますか♪」

「そう、だな…」



だんだん声の弱くなっていくユノを、

ただ愛しい気持ちだけで見てた。



「……ユノは、本当に格好いいですからね。ボーリングしてる姿も特に。熱いし…」


密かに靴を脱いだ僕の裸足の爪先が、ユノの股間を捕らえていたから。最後の一言は囁いて、含みを持たせた。その言葉だけでピクピクと反応しだした陰茎がテーブルクロスの下でひっそりと熱を籠らせてゆく。つつけばつつくほど本来の形を取り戻してゆく。普段ならこの人は、こんな公共の場でこんな背徳的な触れ方を絶対許さない。

ユノの抗えきれない今日の灯火を見抜いた。
それが酷く誇らしい。


「そうなんですよね!チャンミンさんもすごく上手いし、楽しみだなあ♪」

「僕はがむしゃらに練習して、やっと。ようやく!人並み程度にはっ。笑」


手振りを仰々しく、スタイリストさんを笑わせながら。意識は右足。指の腹。半勃起した裏筋をさらに布越しになぞって、撫でて。

引いて。止めた。

向かいのユノはまじろいで、安堵と物足りなさを露呈してる。意味もなくおしぼりを畳んで開いた。食べ終わった骨の残骸をまた口に運びそうになった。らしくない猫背。そして僕と目を合わさない。


「ねぇ、ユノ。もしかして今日…」


僕はさぞかし甘ったるい猫撫で声だったはず。
馬鹿みたいに貴方の欲望を引き摺り出したい。


「楽屋にいた時からずっとオレとヤリたくて、タマンネーんでしょ?我慢はカラダニドクですよ」

「、」


日本語で。できる限りのスラングと言い回しで。隣のスタイリストさんに死んでも聞き取られないように。
ユノはまたもや機能停止。こんな時、反射的に罵倒する勢いで喚く僕とは違って、ユノは本当、可愛らしい。


「もっと触ってあげるから。ムスコ、出して」

「…!いや、ダメダメダメダメ…」


頭を鈍器で殴られたように再び起動を始めたユノは、僕とスタイリストさんの顔色をひたすら交互に伺った後、もう真っ赤になってワナワナしてた。でも僕だって真っ赤っかで顔から火が出そうだった。どうにも早口になって、ユノみたいに余裕ぶって悪男をキメたかったけど全然無理。救いは、当のスタイリストさんの頭上には明らかに巨大なはてなマークが浮かんでるってこと。


「……大丈夫。バレませんよ」

「、、、これは、さすがに…」

「机の下に隠れてるし、さっきみたいに少し触るだけ」

「…っ。何お前、何なの一体。ぶっ飛び過ぎてるだろ。人前でそんな…楽しいのか?」


それでもユノは自分の欲だと頑なに認めなかった。カチンときたけど確かに一理ある。ユノの欲望は僕の欲望で、僕の興奮はユノの興奮だから。


僕たちはまるで鏡だ

ユノの姿は自分自身だ


長い時が経ち、ついに見つけた、僕のもの。


「っ、嬉しいんですよ。こんな我慢の効かないアンタにさせられるのは、僕だけなんだから…っ」


言っておくけど、ユノに愛されて当然だなんて、1度だって思ったことない。でも絶対僕は愛されている。必ず命ある限り身も心も愛される。

信じるとかじゃない。それが分かるってこと。
なぜなら、ユノは僕のものだから。


「え、え、何ですか?急に日本語で。もしかして……女の子がいる店、とかの相談ですか?いい店あるんですか?僕、興味ありますよっ。笑」


少し酔いの回ったスタイリストさんが嬉嬉として話に入ってきた。タイムオーバー。今更ながら上から目線でとんでもない事を言ってしまった自分が消えてなくなればいいと思った。頭を1度抱えこんだ後、なんとか誤魔化せないかと苦笑いでユノへ、「な訳ねーっすよね。笑」と吐き捨てて、隣の彼と話し込むことにした。


「…そんなところ。君はどんなタイプの子が好きなの?可愛い系?綺麗系?」

「う~ん!悩みどころですね~っ。男はどっちも好きじゃないですか!チャンミンさんは選べますか!?笑」

「う~ん、悩むねええ。笑」


そういえばユノともこんな会話してきた。何十回、何百回。それが世の常識だし、男の本能だから。だけども愛というには何とも浅い、上っ面の理由たち。











では、愛の真髄とは何か




誰か










チ……


その途切れた声は、絶対に僕を呼ぶ声だ。

スタイリストさんの気を引き付けるようにとにかく話を盛り上げた。視界の隅でユノがヘンテコにゴソゴソやってるんだから。まったく。(気付かれないようにやれって!)


「ああ、そういえばさあ!君、知ってる?日本のラーメン。あとはレインボーブリッジっ。来る時見たんだっけ!?」


緊張と期待で、後は何を喋ったか覚えてない。


「せっかく誤魔化してたのに。どうしてくれる」


日本語で。ユノの地響きみたいな声がして。
振り向くと、鋭い虎の目を瞬かせながら、肩をゆっくりゆっくり上下させ、荒い息を潜め、僕をじっと待ってる正面の人。


(……可愛い……)


裸足のままでいた右足を浮かせてまた、ユノの中心へ向かう。今度はガチガチにそそり勃った肉棒が指の股先に直接触れた。今度こそ、文字通りに、熱い。そのまま竿部分の皮を掴みながら上下させると、ユノは静かに、だが、大きく息を吐いた。


(可愛い…ユノ、可愛い…。もうどうしよう…)


溢れる気持ちで良い所を探す。手とは違う、慣れない足でふくろはぎが吊りそうになりながら。タマを揉むように踏んで、カリ首は強めに擦った。亀頭は包み込むように指全部で締め付けた。すると先端からカウパーが出たらしく、突如ヌルッとした感触に。


「…っ、、、ふ…っ…、」


ユノの漏らした吐息に、僕も勃起した。
ユノの苦しげな表情に、可愛くて愛しくて早くしゃぶってあげたくて、僕も苦しい。




僕たち、自然なままでいよう


ユノ




「悪い…。そう言えば…俺たち、明日も早いの忘れてた。今日はもう帰ろう」


ユノは分かってくれた。
それがなんだか、すっごく眩しい。










マンションの玄関を閉めたのと同時に、背中からユノが覆い被さってきた。急いで鍵だけはきちんと締めて、2人で靴をバラバラと脱いでゆく。セーターの下の腹筋にユノの外気に触れた冷たい手が襲う。


「冷た!!」


僕が叫んでもユノはお構いなし。「なんでバレた…なんで…」って僕のうなじに頭を埋め込んでブツブツ言ってる。あと、「魔法だ…チャンミナの魔法だ…」とも。僕はくふくふ笑いながら「誤魔化そうったって、無駄ですよ」と、自室までユノをくっつけて歩く。気分がいい。洗面所の前を通る時、(一応礼儀かな)って聞いてみる。


「シャワー、浴びていい?」

「だめ…だめ…もうする…したい…」


(ですよね。)って。僕は満身の笑みを浮かべながら、背後からダウンコートを脱がされる。
もつれるように僕のキングサイズのベッドへ2人で落ちたら、広いシーツの波間にグッと凄みを効かせたユノの顔が間近に迫った。


「でもお前だって、誤魔化したろ……」

「え?」

「楽屋で誰のこと考えてた」

「…ぇ……特に誰も…」

「うそ。絶対、誰かのこと思い出してた。心が俺の隣に居なかった」

「…」

「誰?どこの人?」


サンタクロースにまで嫉妬して、


「お前は絶対離してやれないから。諦めて」


こんな可愛い人いる?

サンタクロースなんて、いらないんだよ




乱暴にセーターをめくられ、ベルトを外されズボンもパンツも剥ぎ取られながら、ユノも脱ぐ。毎度照れくさくって閉じる股をユノは簡単に割り入ってくる。
それはユノだから。ユノだから許すし、ユノだから自分の中に埋めたい。


「チャンミン、答えて。誰なの?」

「サンタクロースですよ」

「…。へ…」

「昔は悲しかったけど。今はサンタクロースなんていなくて、本当に良かったなって思ってたの。僕にはユノが居るから。サンタクロースなんていたら大変でしょ、ユノは嫉妬して背骨折っちゃうから。笑」

「、、うん、そう…チャンミンだけはダメ…ダメ…ウリチャンミナ…」



ユノだから繋がりたい



「ユノは、僕の」






それが、僕の愛の人






下からユノを抱き寄せてキスして。啄むような口づけから舌を絡めて。何度も傾きを変え、唾液を交換し合えば、痺れるほど気持ちいい。ユノを受け入れ馴染んだ蕾がじんじん疼きだす。息継ぎの合間になんとなく目を開けるとユノも呼応するように開ける。格好いい真っ直ぐな漆黒の瞳、綺麗な鼻筋、端正な顔立ちの中に勲章のように刻まれた傷跡。あの昔から尊敬するこのヒョンの本性は、切羽詰まって僕だけをこんなに求める姿。そう思うだけでイきそうになる。


「ほんと…チャンミンその、目…吸い込まれる…」


また半開きの唇が降ってきて、交じ合う。腕も足もフル勃起したモノも擦り合って絡め合って、幸福が咲く。少しずつ下へ下がってゆくユノに期待。でもユノの方が今日はずっと刺激も求めてたはず。


「ユノ…僕が先に…っ、」


言い終わる前に先を越された。裏筋をぺろんと舐められ、一気にくわえ込まれたら堪らない。僕の感じる箇所を的確に。かなり限界なところまでじっくりフェラされて、僕はもう上擦った声音でユノに縋る。


「ゆ、ユノ…ゆの、ぉ…も…やばい…っ」

「きもひい?」


頭をこくこく振って答えると、ずるりと喉奥から引き抜かれた僕自身。ユノの唾液で濡れたそれは、高ぶりでびくびく勝手にしなる。


「チャンミン…もっと気持ち良くなって」


裏腿を持ち上げられたら何もかも丸見えでさすがに猛烈に恥ずかしい。顔を横に逸らして思わず鼻下を擦って隠したけど、ユノは綺麗に微笑んでさらに下へ潜った。陰毛ごと睾丸を吸い上げ、会陰を渡り、肛門は中の粘膜まで舐め這わされる。指がすんなり一本入ってくる。誰にも、自分ですらよく知らない秘部をまるごと味わい尽くされて、腰も勝手に揺れる。
もっと、もっと、ユノが欲しい。
目玉はぐるりと空を仰いで、溜まりきった涎が垂れた。頭でっかちの僕から獣へ。退行してゆく。還ってゆく。僕たちの源へ。


「ユノ、ゆの、きて、」


コンドームを取ろうとベッドの上で立ち上がったユノを追いかけて、性器へ吸いついた。ユノがゴムの封を切る間にも、美味しい餌のように必死にちゅぱちゅぱしゃぶって、その贅沢な太さに涎がさらに流れ出てく。


「チャ、ンミン…っ、今日、上に乗って…」


寝転がったユノが僕から引き剥がした下半身にすぐローションを塗りたくって、仰向きに構えた。
すでに羞恥心を開放してた僕は待ち侘びたユノに喜んで跨がる。


「ぃ、た、、っ、っ」


勢いに任せてユノのモノを一気に挿れようと思ったら、急ぎ過ぎて痛みが走った。ユノの手を取って中折れしてる僕のモノを扱いてもらうと、前の快感が勝って、後ろは力が抜けて奥までぐっさり貫通できた。たぶん僕今、狂ってる。

だけど自然のままでいる。

下から興奮を隠せてないユノに見せつけるように、足を開いて腰を振った。先端から根元まで、ユノの巨大な熱の全部を感じて、挿れたり抜いたり、浅めに突いて前立腺を刺激したり、喘ぎが止まらない。


「ゆ、いい、いい…っ、ゆの、気持ちいい…!」

「チャンミン、俺も…っ、」

「繋、が、ったね…っ。笑」

「うん、合体してる、な。っ、俺たち」

「ふ、ふふ…もっ、と、もっとしたい…気持ちいいの、ぁ、ぅん、」


ユノは上半身を起こして汗だくの僕を抱き締めた。僕は深いキスでユノを誘った。でろでろに溶けそう、気持ちいい。気持ちいい。


「よし、もっと。やろ」


首に腕を回すよう言われて、僕はユノに足ごと腰を抱え上げられた。体重全て、接合部に落ちて、上がる。沈む、浮かぶ。亀頭がユノの腹部に強く擦れて、とにかくいい。脳髄がとろけてゆく。


「ぎ、あ、あ、やっ、ぁ、いい、いい…!い、」

「あ、いい…気持ちい、チャンミンっ」


快感は真実への道しるべ。流れに乗って。
そのまま導かれれば良い。


「ゆの、きす」

「ん」


挿入は1つに戻りたい衝動。もう1人の自分を探す旅とも言うか。繋がるユノに自分を見つける。
僕はユノで、ユノは僕だった。


それが真実だった。


「、ゅ、ずっとこ、おしてたい。けどっ、」

「チャンミン、イきそ?」

「ふ、ん…っ」

「大丈夫。またいっぱいしよ…っ、」


ユノとくっついて、溶け合って混ざって、
なぜか、とても懐かしい感じ。
ずっと忘れられなかった香りのような、
太古の風が吹き抜ける。

ずっと繋がってたい。
自然のまま。1つのままでいたい。

なのにセックスは無情。終わりが来る。


「ん…!ごめ、もィく、!」



絶頂の前の、 胸を締め付けられるこの痛み。



「チャンミ、っ!」

「っ、ユノぉ…」






これこそが、きっと






















愛の真髄























「…、はあ、腹減った…。ラーメン作るけど、食べる?」

「え、さっき食べたし……俺、ダイエット中なんだけど」

「じゃあ僕の分だけ作ってくるね。先寝てて」

「!食べないとは言ってないっ」

「そう言えば僕たち明日も早いんですもんね。てっきり昼過ぎの予定だと僕は思ってたんですけど、それなら早く寝ないとね」

「それは…予定はそうだけど。。ほら朝も一緒にストレッチとかしなきゃ」

「僕は掃除したい。ユノは、お好きにどうぞ」

「とか言いながらチャンミナ何だかんだ付き合ってくれるもんなっ♪最近優しくしてくれるし!服についたホコリとかも取ってくれるし!」

「…っ。くあ~。。テレッ(言わないで……てか、前から気付かれないようにして取ってたし…)」










まだ旅の途中




ユノと僕の、運命なる回想録







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サンタクロースなんていない!(前編)








04:33(KST)






『私のこと、どれだけ考えてくれてた?本当はそんなに好きじゃなかった…?』




(あ……また……)







スライド式携帯の小さな受話口から、脅えと諦めを含んだ彼女の問いがぐにゃりと鼓膜の奥までのしかかってきて眩暈がした。


そんな訳ないのに
こんなに好きなのに




「毎日***のこと考えてる。メンバー達といる時も、いつ会えるかなって話題にしたり。次会う時はどんなデートにしようかとか、この仕事終わったらすぐ電話しようとか相談し…」

『連絡くれても、たまの真夜中じゃない。今年なんてほとんど日本にいて、私はいつ掛かってくるか分からないその連絡を毎晩遅くまで待ってた。それにこの3年弱、私達何回ちゃんと会えた?』

「お前には自由でいて欲しいよ。確かに…、電話はゆっくり話したくてよく遅くなる。仕事は不規則だし寂しい気持ちになることもあるけど、***がいてくれるから日々頑張れる。だから会えない時間が長い分、会えた時は爆発するほどすごく幸せだって感じるんだ」


1日24時間と認めたくないほど寝れる時間は短い。
1日24時間と信じられないほどスケジュールは長い。

他のメンバー達はだからこそプライベートでは恋愛を優先してる。と言っても、付き合い始めた彼女と2回目に会えたのがようやく100日記念の日だったり。事務所の侘しい非常階段で誕生日ケーキ片手に休憩時間の短い祝いを噛み締めたり。だとか。


『だったら普通さ、時間ができたら会いたくなるものじゃない?私はそうだし、そう期待してた。でもユノは合間を見つけては先輩や友達と長電話したり遊びに行ってばかり。そうよね、スクープに怯えてまで私と会うより、よっぽどそっちの方が楽しいよね。その度私はガッカリしてばかりだった……』




ああ、また……







苦しくなる、そのセリフ









「今どこ?俺これから行くから」


サセンはもう宿舎前にいないだろうか?
いるかもしれない、事務所から貰ったアウディを飛ばしてどのくらいで巻けるだろうか。朝の仕事までに帰って来れれば大丈夫。折角だから、どこか遊びに行こうか。

大ケンカして、劇的な仲直りをして、帰りははっちゃけたデートで笑いあう。
そんな思い出を2人で作って、会えない時間もお互い想いあえれば素敵。

夢見てる、ずっと
映画みたいなラブストーリーを


『もういいよ…。私がこうやって勢いで愚痴をぶつけた時だけ無理に駆けつけて、戻ったらまたユノは会えない幻の彼になるんだから……』


そうなんだけど




そうなんだけど、俺には大事な人が


たくさんいて




「会いたい時も何でもない時もすぐ連絡しろ。安心して。それに俺はいつだって幻みたいに、***の心に現われるから」

『…ねぇ、そんなワガママ私から言える訳ないでしょ?始めは構ってくれなくても仕事柄忙しいだろうし我慢できるって思ってたけど……、さすがにあんまりだよ。。こんなにほっとかれて不安にならない人なんていないって。私のことなんて、本当はどうでもいいんでしょ?』


悟られるように問い重ねられて、焦る。別に悪いことしてもないのに警察官に遭遇するとギクリとしてしまう。あの感じ。


「愛してる。俺の心にいるのは、お前だ…!」



好きなんだけど




大切なんだけど、メンバーだったりスタッフだったり、仲間だったり旧友だったり、他にも愛すべき人達が俺の中には存在していて。





『だったら友達とかより先に私へ連絡してよ。ちょっと話すくらいならトイレ行ってる間にでも電話できるよね?なんでいつも話せないの?全然会えてないのになんで平気なの?逆にユノは私のこと心配じゃないの?』

「……」



あ、

ちょっと面倒臭いって。




『……。そう…やっぱりその程度なのね、私の存在って……』

「いや、、」




愛してるのに、信じられてないんだなって。







心臓が痛くなる。







『もう無理だね、私達……』


「無理って?」

『実は気になる人ができたの。今年のクリスマスは、その人と会うことにしたから』



その言葉の意味は、その言葉そのままに、



「……後悔…しないか……?」

『やっと結論を出せたの。ユノと付き合ってる限り、私はこれからもずっと苦しい思いばかりする』



どうしようもなく重くて。



「っ、もう一度考えて、やっぱり俺とやり直したいと思ったなら電話しろ。仕事中でも何でも必ずすぐ出るから。でもその時は、命を懸けろ…!」


でもよく考えてみて
俺たちだけの楽しい思い出がいっぱいあること、思い出してくれ

男らしく縋り方もカッコつけながら。
望みを繋げたくて。




好きだから


他へ行っても絶対戻ってきてくれるって

必死で

強く願って








信じて





『……ごめんね、ユノ。お仕事頑張ってね、応援してる。さよなら…』

「ちょ、」






終わった。









通話なんてとっくに切れてるのに、相手の去ったまま熱いセリフを浮かす。


「、、、待ってるからな…っ…」


簡素なベッドの上で。下には、願いが叶うような気がしてわくわくしながら即決した小さなクリスマスツリー。間接照明代わりに巻き付けた電飾が、今は薄ら寒い明かりを無駄に放ってる。


「、電話しろ、、じゃあ…」


無意味に通話ボタンを押す自分の親指がやけに印象深かった。忘れられない予感がする。気味の悪い寒気がして体に毛布を巻き付けた。

どっしり冷たい、冬の明け方前。
窓に朝の気配を探した。まだ何もない。
付けっぱなしのWindowsVistaから響く機械音と耳鳴りが混ざりながら低空を彷徨ってる。

頭がうまく働かない。感情は鈍い。


「…」


寝れない。天地が反転したようにあやふやだ。
深夜だけど無性に人の声が恋しくて、ベッドヘッドに置いてあったWALKMANを取ってラジオを聴こうとした。ら、イヤホンのコードが絡んで、辺りにある腕時計やらサングラスやら、あれもこれも床に落ちてしまった。酷い。いつもは秘密の相談に乗ってもらってるクマさんのぬいぐるみも。友達に頼んで彼女に渡してもらう予定だったクリスマスプレゼントも。大切なもの全部。


「…、、はあ……」


意図せず深い溜め息が漏れた。1人で空回りしてるだけなのに。呆然として衝撃を受け止めきれない。何もはっきりしない。こんな暗がりの中でも、


胸って焦がれる。


「…っ、大好きだったのに、ぃ……っ、、



痛い。手から零れてしまった。全部。













辛い







































「ヒョン、まだ寝ない気?いい加減寝て」



隣から














ぼやけた空間を貫く明確な一声。


「ぁ……お前、起きたのか?」


宿舎にはメンバー全員と数人のマネージャーで暮らしている。俺達の自室は向かいの2人部屋より広いから元は3人で使ってたのに、1人マネヒョンの部屋へ移っ(逃げ…?)てしまった。故にさらに広々としたスペースを2人で半分に使えている、あちらの壁際に備え付けられたこの部屋の、もう片方のシングルベッドから。


「なんかグチャグチャうるせーからそりゃ起きるって。もう本当いい加減にして。ヒョン、毎日毎日電話し過ぎ」


いつも寝起き悪いのに、今日に限ってマンネの冷徹で辛口の矢が、小山を形成してる毛布から飛んできた。
失恋したばかりの心は塀を固めたい。


「っ、、ヤー!これは本当にっ。大事な電話で…」

「アンタ、誰とでの電話もいっつもそう言うじゃん」

「おい、マジでさっきのはなあ…!!」


躍起になる。


「まあ、ユノヒョンには大事な人や熱心な事が呆れるほどたくさんあるから。そこを徹底的に本格的に極寒でも枯れない雑草魂でもって理解してくれる女の子でないと、やってられないのかもね」

「、」


鎮圧される。


「僕は今、生まれて初めての彼女のことで頭がいっぱいなんで。事務所を誤魔化してでも会いに行こうとしなかったヒョンがマジ理解できないけど。ある意味、スゲーなって思いますよ、ユノヒョンのこと。なんであんなにクールでいれるんだろうって、羨ましささえ感じる時も多かったよ」


懐柔される。


「……いや、俺だって考えてたんだぞ…。毎日彼女のこと考えて、好きだなあ、会いたいなあって。それに、きちんと心さえ通じあえてれば大丈夫って、それが愛だって俺は思うから」

「そんなこと言ったって成人した精悍な男なんだから好きなコには触れたいし、それ以上のことも正直、どうしても抱き合いたいって思う時もあるでしょ?」

「…ああ、そういうこと…。けど仲間と前から決めてた約束があるなら俺はそっちを守りたいし、そういう衝動なら1人で処理すればいいだろ?愛し合う時は色々サプライズを考えて用意して、うんとロマンチックな夜を過ごしたい」

「い、いやいやいやいやいやいやっ、人を猿みたいな扱いしないで下さいよっ。あくまで本能的な面でも会おうとするでしょ?ってことを聞こうとしたまでで、僕だって彼女のこと本気で真剣に想ってますから!」

「…。あー?そうだよな…?」


言うことはたまに意味不明だし、


「だあー!ホンットに。ユノヒョンはまだ高校生みたいに純粋だし単純だから!!」


被った毛布をドカドカ波立たせて、年下なのに、つっけんどんに。もはや怒ってるのかってくらい苛立たしげにベッドを軋ませてる。のに、なんで。口元が緩む。

こいつ面白いな、なんて。思ったところへ。


「ぇ、と……っ…。で?フラれたんすか?」


逡巡したような吐息の後、素っ気なくだけどもグサリと物事を刺されて、崩れ落ちそう。気負った塀はすでに突破らってしまっていたから、見事ノーガードでクリーンヒット。


「、まあ…っ。でも、、また戻ってきてくれるって、俺は信じてるから……俺にはアイツしかいないって、思ってるから…」


心は倒れて、


「はぁ。……何言ってるか分かんないし…、もう、」

「?ちゃんと聞こえてるだろ?」

「そっち行きます」

「へ?」

「僕もヒョンのベットで寝る」

「え?」


そして、舞い上がる。



ホントかな?って。振り向いたと同時に、ガバッと寝具を蹴る音が鳴った。反動を使って床に足を着くも、溜め息いっぱいに髪の毛をグシャグシャ掻き乱す項垂れた頭。暖房もほとんど効かない自室なのに、Tシャツとパンツ1枚が就寝スタイルの、


「さむっ!やっべ、まじっ」


俺の毛布を一気に翻して隣へ滑り込んできた、







「チャンミナ……ありがとう」




マンネのチャンミン






最も寂しい時間。今こそ物足りない俺に必要な温もりがそのままそこに降りてきて、それがあまりに感動的で全身を縮こませてるチャンミンの手を握ろうとした。ら、「いい。やだ」って振り払われた。(握っても何も言わない時だってあるのに。)何だか拗ねるような心地になって、じゃあせめてって身体を抱き締めると、思いきり蹴飛ばされた。狭いシングルベッドだから幅がなくて壁に激突。力の加減がなくて、痛い。けっこう、マジで。腹立つくらい。


「ぃ、たあっ!お前な!ちょっとは手加減しろよっ」

「ヒョンは誰にでもそうするけど、僕は男同士でスキンシップするの苦手だ。人が辛い時は、僕はただ黙って傍に居てあげたい」


なのにチャンミンの綺麗な瞳と淡白な考え方には、淀みのない清潔な説得力がある。真心がはっきり表れて見える。
俺は人が落ち込んだ時には手に手を取りあって慰めたいと思う性格だけど、この力には逆らえない。その通りだとしか思えなくなる。でも嫌じゃない。寂しくない。不思議な魔法がある。


「そう……そうだな。うん、チャンミナの言う通り。俺、今、誰かに傍に居て欲しかった……」

「はい、ユノヒョン。まあ~、僕は眠くて仕方ねーっすけどねえ~い…」

「あ、そうだよな。寝るか」

「んふ♡明日ピザの宅配で手を打ちますからね~い♪」

「はは…」


こりゃホントに払わされるなって思ったけど、ふと考えると。ピザを頼む時はどちらにせよヒョンの俺が払うものだし、もっと御馳走のある行きたい店とか選べばいいのに、(見返りにしては嫌味ないんだよな)って、笑っちゃう。

すると仰向けに寝そべり直した隣のチャンミンがとても清廉に微笑んで、温かな光を散らした。両腕を枕代わりに上げた時、ほわんと音まで聴こえたから間違いない。太い眉尻が下がって、大きな瞳には星を蓄え、大きな口には白い歯の見せてくれた数だけ優しさが表れてるようで、たくさん大きなものが煌めいて、まるで包まれてるみたいに。


「たかられてるのに何ヘラヘラしてるんですかねー!ユノヒョンはぁ!笑」


眩しいくらい。明るくて。
ああ、華やぐって。
素直に思う。

素直になれるから


「チャンミナ、いい男になったなぁ」


素直に言葉に出せるから


「はあ?嫌味?年上の彼女に僕の歳が若いって言われてショック受けたばっかりなんだけど!?」

「いや、本当に。それは彼女なりの感じ方で、お前は焦ることなんてないぞ。口も堅いし相手を思いやる気持ちも大きいし、怠らない。彼女といい恋愛がきっとできる」

「はっ、からかってんのか。イッ!!」


まるで威嚇するみたいに噛み締めた歯を見せて睨んできた瞳を、本気だぞって気持ちを込めてじっと見つめ返した。するとだんだん、少しずつ警戒を解いたチャンミンが、今度は申し訳なさそうな上目遣いで俺の様子を伺い始めて、最後に1つ気弱な苦笑いを二ヘラと浮かべた。
駄目なんだ、弱いんだ、このチャンミン特有の癖。やり過ぎたイタズラも、これをされると仕方ないなって許しちゃう。
この繊細だからこその虚勢と脆さを前にすると、いつも語りたくなることがある。


「俺の…理想の女はさ、」

「…『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンさんでしょ…」

「!そうそう!」


聴いて欲しくて。
チャンミンに聴いて欲しくて。指をパチンと鳴らしてチャンミンを指すと、「いちいちキザだ…」と悪態をつかれた。

身体は横を向いてチャンミンの方に、チャンミンに引き寄せらせるように。(でも触ってはいけない)、そんな注意を払いながら。


「本当に、俺の、理想そのままの…勝ち気で、突拍子なくて、でも実はか弱い感じの……。。何でだろう、あの映画100回以上は観てるけど、観ると一日中ぼおーっとしちゃうんだ」

「うん。もう聞いたけどね?」


鑑賞する度チャンミンに感想を、また語る。また話す。同じ数だけ。100回以上。たぶん、“もう聞いた”なんてレベルじゃないけど。(そりゃ悪態もつきたくなるよな。)

だけど毎度チャンミンの声音はあまりに囁かで甘く、目はあまりに柔らかだから。俺は。
やっぱり聴いて欲しくて堪らない。


「デジャブ、みたいに…。あのままの人にもう会ったことあるような気がするくらい、凄いリアルにあの役柄を感じられて。でもそれが誰だか全然思い出せない、そんな妙なもどかしい気持ちになって、誰だっけ?誰だろう?って考えてる内に、気付くと1日終わる……」


手に取れるほどカタチが分かる

けどまだカオが分からない




俺の未来の……




「ユノヒョンに何度も聞かされて僕も考えてみたけど、そんな人まず仕事関係では会ったことない。てゆーか、いたとしても実際、気の強いコの内面に気付けるほどヒョンは敏感な性格ですかね?笑」

「は?おま…俺だってなあ、」

「ヒョンは負けず嫌いだから、絶対アンタ張り合うでしょ。ふふふふふ。笑」

「いや、要望はできるだけ聞いてあげたい。むしろアドバイスもして欲しいし、2人の時はリードしてくれるような子がいいなって思うけど。でも俺も考えることあれば、それはきちんと言うだろ」

「一緒に居れてそういう関係なら、素敵だね。でもほぼ遠距離状態で連絡もままならない彼女さんにそれを求めるなんて、マジどうかしてるって僕は思う。なに、もう結婚する気だったんすか?笑」

「いやいやいや…まあ、昔は若く結婚したいなって思ってたけど今の仕事もあるし、そこまではまだ考えてなかったけど…。ただ、俺はお互い自由に生活しながら仕事して過ごすのがベストの関係だと思うし、心配するような事があっても好きだから信じられる。そういうのを…ちょっと照れるけど、永遠の愛っていいんじゃないか?チャンミナは?どう思う?」


チャンミンと話すのってやっぱり、楽しい。
ふざけたり茶化されたりするけど内容は至って真面目で、まるで何かをチャンミンと探しているようで、話してて‪声に元気が戻ってくるのが自分でも分かる。


「まだ若すぎるから断定なんてできないけど、僕が思うのは…ぅーん、、たぶん…愛してる人と一緒に居て、一緒に年をとりながら過ごしてゆけることなんじゃないかなって。だからユノヒョンはあまりにドリーマー…?というか、ちょっと、マジで、頭がイカれてる…んじゃ?笑」

「おい、キツイってお前」

「僕はきつい言い方しかできねーよ。でも嘘じゃなく、信じるって大切なことだと思うけど、好きだからこそ相手のことが気になるでしょ?」

「それはそうだな」

「そうだよね。毎日、今日は何してたんだろうとか、誰とどこに行ったんだろうとか、何人でいたのか、楽しかったのか、とか、誰か他の男が彼女のこと狙ってないかな、とか、何の話をしたんだろうとか、僕よりいいなと思う男はいなかっただろうか、とか、何時に帰ってきたのか、とか、連絡遅いな、とか」

「…。はあ??そこまでは考えないわ、俺」

「え?考えないっすか?」

「うん」

「へえ」


全く考え方の違う俺とチャンミン。だけど全然寂しくない。そうなんだ、そういう考え方もあるんだなってすんなり胸に入ってくる。
チャンミンの気負いなく寝転がる姿が単純に格好良く思えて、俺もマネて横へ同じ格好でシーツへ沈んだ。肘が重なってチャンミンは少し迷惑そうに腕を締めたけど、けどチャンミンは文句を言わなかった。


「ありがとう、チャンミナ」

「はあ…別に。何もしてないっすよ」

「お前、本当に優しいな」

「っ、僕は優しくない!」


なのに急に俺へ背を向けて寝返りを打ったチャンミンを、思わず肩を掴んで振り向かせた。なんだか置いてかれるような心地がして。寒気なんて比じゃない、ゾリッと背中を抉り取られるような、そんな孤独を感じて。スキンシップしちゃいけない、ルール違反?だけど。


だけどチャンミンは怒らなかった。


「……。俺、もしかしたら本当におかしいのか…?凄くワガママで、自分勝手な奴なのか…?」

「は?」


だから素直に、両親にさえ

クマさんのぬいぐるみにさえ話せない




胸の内が明かされてゆく




「……この前、夢を見たんだ…。洞窟の中で独りぼっちで…泣いてる俺を外から俺が見てるってう、変な夢。奇妙でいやに怖かった……もしかして、このまま自分勝手に過ごすといつかその夢みたいに、皆から愛想つかされて、孤独で、寂しい羽目になるかもしれないぞって暗示なのかな、とか……」




誰にも言えない、








恐怖を開いた。





「ちょっと待って、なんでそんな。お?会う人全てに情熱を与えるユノヒョンが何を言ってるんですか?お?そもそも自分勝手って何ですか?人と違うからこそ唯一無二の素晴らしさがあるんじゃないですか。お?誰に対しても慈悲深くて、何事に対しても誠実で一生懸命で。お?そんなユノヒョンを孤独にさせる人がどこにいるっていうんですか?お?」


俺の急な独白に怯むことなく、相槌を1つも打つことなく、飛び起きたチャンミンがそれこそ俺に覆い被さる勢いで捲し立てだした。それがとても嬉しかった。
右手で掌を掴まれて、左手でその甲を包(くる)むようにポンポン規則正しく叩いてくる。催眠術師のように。俺は最大の相談事そっちのけで、(俺から握ったら嫌がったのに…)、なんて思ってる内にもチャンミンは止まらない。


「くだらない夢も彼女さんも一喝してやればいいんです。よくもこの俺様を!お?超絶イケメンで!お?スイートなロマンチストで!韓国一の芸能事務所で稼ぎ頭の俺様を!お?よくもまあ惨めな姿で煽ったな!と。ヒョンは大柄に構えるくらいでいいんです。心が暗くなる必要は全くありません。なぜならユノヒョンは誰にも真似できない、誰にも予測できない唯一無二の男だから」




これは、チャンミンの魔法




「さっきも言ったじゃないですか。ユノヒョンがユノヒョンだから、毎日遅くまで長く話したいと思う地元のお友達や先輩や後輩が絶えないんです、ヒョンのその溢れる情熱に恩恵を受けたくて。僕としてはあまりにも熱心に燃えるヒョンだから、もう少し肩の力を抜いたらいいんじゃない?いつか燃え尽きてしまうんじゃない?って思った時期もありましたけど、ヒョンは絶対そうはならないでしょう?ユノ・ユノはいつまでも走りまくっているでしょう?」

「ユノヒョンがユノヒョンだから、僕も含めて周りの皆が信頼してついていけるんです。いつも片付けろってユノヒョンに怒られるけど僕は実はけっこうものすごく綺麗好きですよ。今まで言えませんでしたけど、僕のスペースだけあからさまに綺麗にしてると、チカラしまくって紛失物多過ぎるユノヒョンに申し訳ないような気がして…。話が逸れましたけど、とにかく心が暗くなる必要は全くありません」

「ユノヒョン、本当に」

「ヒョン、笑い事じゃなく。本当に」




チャンミンにそう言われて、やっと気付いた。





「…っくく、ごめ…っ、だははははは!!」





気付いたら笑ってた。

俺、めちゃくちゃ笑えてた。




チャンミンは真剣な顔でじっと見つめてくれてるのに、悪いなって思いながらも楽しさが止まらない。
晴れやかさが。そこらじゅう散りばめられていて、どこもかしこも心が幸福に満たされていた。
何故だろう。ほんの2、3時間前、大失恋したばかりだっていうのに。


「!はっ!凄い!!チャンミンの目の中に朝日が!はは!スゴい!綺麗だな。さっきまで全然暗かったのに、チャンミンの目から朝日見つけた!!宝物みたい!」

「…。はあ~??」


焦げ茶色が金色に見えた。それほど瞳の輝きがいつにも増して半端じゃないなって感じたら、それは日の光だった。窓を振り返ると朝だった。夜は開けた。
チャンミンという始点から始まった朝。


「…、、はあ……綺麗だなぁ、チャンミナ」


意図せず深い溜め息を吐いた。


「ああ…ついにヒョン…ヒョンが…完全に頭が…パ…ボに…?コワ…コワイ…」

「パボって、お前な!こら!笑」

「いひひ♪笑」


2人で空回り。逃げようとするチャンミンを捕まえてくすぐったら、チャンミンは声をあげて笑った。「背骨を折るぞ」とおどければ、本気の悲鳴を上げた。楽しい。楽しい空回りの12月。


サンタクロースは、いたらいいなと思うけど。クリスマスのクの字も言わないチャンミンが、1番辛い今日、隣に居てくれて良かった。


「えとえとえとえとっ、は!!『お願いっ!チャンドリは痛いの大嫌いなの知ってるでしょ!?それに今折ったら26日のグループのアニバーサリーできないよ!年末のMKMFも歌謡大祭もほら、4人になっちゃうよ!?皆困るよ!ユノさん、ダメですよ!?ね!?涙』」


床に転がってたクマさんのぬいぐるみを拾い上げて盾にした“クマさん言葉”を喋るチャンミンは、(俺の想像してたクマさんのイメージとは随分違ったけど)、まさに腹話術師。
“チャンドリ術師”は次から次へ。変幻自在。どの姿も面白い。

サンタクロースよりチャンミンがいい。
チャンミンが居てくれれば、きっと何だって楽しんで乗り越えられる。
奇跡を叶えられる。


「チャンミナ、さっきの続きだけど」

「え、どの続き?」

「永遠の愛とはっていうの」

「あ、まだ終わってなかったんすか」

「うん。想い合ってお互い自由で過ごすにはきっと、お互い愛されてるって絶対的な自信がないと難しいと思う。だけど俺は諦めない。そういう子ともうめぐり逢えてるって直感もある。でもそれはどちらかというと真実の愛で、永遠の愛まで広く考えると、確かにチャンミナの言うことも一理あるなって。俺な、」


俺と同じ夢を見てくれる相手を、必ず探す。


「俺が泣いたり笑ったり、または舞台の上で辛い瞬間やカタルシスを感じる時、ただ…一緒に居て欲しい。いい時だったり悪い時だったり幸せな時だったり、人生にとって大事な瞬間はいつも一緒に居てくれる。やっぱりそういうのが永遠の愛だと思う」


奇跡の人をまた信じる。


「ああ~!じゃあユノヒョンには、真実の彼女と永遠の彼女の2人の女性が必要だと!かあ~っ、なるほど♪笑」

「は…いや!違う違う!そういう意味じゃな…」

「じゃあヒョンの言う通り彼女さんが戻ってきたとしても、もう1人見つけとかないと。いやあ~、モテる男は言うことが違いますねえ~。さすが!よっ、チョン・スター☆」

「だから、違っ。て、あれ?やっぱりお前ちゃんと聞こえてたんじゃ…」

「可愛い系とセクシー系の女性が両方いたら、確かに幸せ過ぎますよね?ねね、男のどこかが熱くなりそうな話ですね?ね?笑」

「……はいはい」

「ね、どこですっけ?ね?男のどの部分が?アワビやウナギがよく效果ある所は?笑」

「イラッ。もういいからっ💢」

「デュフフフフフ♪あ~、干からびるまで喋り倒したからもうお腹がぺこぺこに空いちゃいましたよ。ユノヒョン、ピザお願いしますっ」

「は!?え、朝から!?笑」

「サンナムジャ(極上男)♪お願いしますっ!笑」






























これはまだ愛が何たるか


分からなかった頃のお話






















愛の真髄とは何か







誰か












がむしゃらに追い求めていた頃の、幼き回想録







大変遅れたお祝いになってしまい、今更感と全部ひっくるめ感半端なくて恐縮ですが……ひっそりとお祝いさせて下さい……。ちなみにこのお話、昔の、まだTV2XQになる前の頃の設定なんですが、ちゃんと分かりましたかね?ちょっと不安ですが、分かりづらかったらごめんなさいです(^-^;💦(汗)☆MERRY CHRISTMAS(2018)☆&☆TVXQ! 15th Anniversary~~☆☆☆彡.。(1226)&☆#2:The Truth of Love→No.1!!!Congratulations!!!☆&☆A HAPPY NEW YEAR(2019)☆
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辛抱強くトラシカ号を待って頂いている方々、本当にありがとうございます。本当にありがたく、嬉しく思います。日々の忙しさが増えてしまい、更新が滞っていますが、私自身は東方神起オタク&ホミンホ教腐信者大行進中でございます。。
本年も宜しくお願い致します。。



抱き締めて、ユノ。








これ以上はないと


思うほど努力して、自分のできる限りの誠心誠意を尽くしてると思うのに。


「チャンミン君、衣装違うって!何してくれてんの!?」

「え……」


世の中には、
僕がまだ理解しがたい人がかなりいる。


「なんで指定したコーディネート通りに着てこなかったの!?今夜のパーティーの服装は協賛会社のブランドで揃えようって話だっただろ!?」

「…。あ、はい。だと思ってたんですけど送られてきたのがこの装いで、うちのスタイリスト達と変だねって…」

「僕はそんなの送ってません。嘘を言うのは止めてくれる?」

「……」


溜め息を盛大に吐いてキッと僕を睨むパーティーディレクターに唖然。彼の話が本当なら、僕の方にミスがあったかも。


「、そうでしたか。だったら僕の思い違いかもしれません。本当に申し訳ありませんでした。ただ無礼を承知で言わせて頂くと、僕も直前まで再度の確認をしようと努力しました」


予め用意されてるはずの衣装が今日の午後ぎりぎりで到着した。送られてきたセット内容は指定とは違うブランドのもので、皆で首を傾げてた。確認の電話を何度も入れたのに連絡はつかなかった。かと言ってセレモニーに遅れるわけにはいかない。とにかく送られたものを着て予定時刻直前で会場へ着いたのに。


「そんなの知らないよ、どうでもいい。とりあえず事務所に替えのタキシードでもないか連絡するから。もう時間ないけど控え室入ってそれ脱いで」

「…。ご迷惑かけて本当にすいません。宜しくお願いします…」


でもそんなこと今は関係ない。下手したらうちのスタッフ達まで何か言われてしまう。
気持ちを持ち直して前を向く。
なのに。


「本当はそう思ってないでしょ。服なんてまあいっかって思ってるからこういう事が起こるんだよ。こっちは真剣に仕事してるんだからすぐバレるよ」

「やっぱあれだよね。初めからスターになっちゃうと…、ふふっ。スタッフとか周りの大変さ考えることないか。分かんないよね。でもそれじゃ駄目なんだよ」

「僕実はけっこう前からチャンミン君見てて思ってたんだよねぇ。ああ、もうちょっと本気で仕事しないとこの子マズイんじゃないかなぁって。周りはちやほやして何も言わないかもしれないけどさ、僕は気付いてたんだよね」


道順を把握している控え室まで無駄に案内されながらずっとそんな事言われ続けた。連絡してくれると言った事務所への電話も鳴らさず。部屋に着いてようやく携帯を手に取ってくれた時、「チャンミンさん、急いで!」と挨拶もそこそこに僕を招き入れるスタッフさんとその後ろに並ぶ数着の衣装を指差して彼は言った。


「あれ、あ。ここにあった?」

「え?」

「あ、チャンミン君の衣装ここにあったわ。そう言えば現地で着替えてって僕言ったか」

「、は!?」


そんなの聞いてない。マネージャーも把握してなかった。
事前に送られたものを美容院で着用してスタイリング。そのまま会場入りの予定だった、絶対。
現に違う衣装も送られてきたわけで。


「あははっ。勘違いしてたわ、僕。笑」


それでも連絡ミスだって謝ってくれるのかと思った。おこがましいかもしれないけど。


「じゃあ、やっぱりチャンミン君が悪いじゃない。困るよ、もっと前もって早く来てくれないと。ギリギリに来られたらスタッフの子達が大変なんだから」

「……」




何が何だか分からなかった。






























スマホの目覚まし音が鳴り響いてる。頬に冷たい室温が触れて寒い。
しまった、昨日エアコンを入れ忘れたか。毛布から出たくない。


「うう……。……くそ……」


出たくない。出たくない。
毛布から腕すら出したくないし、


部屋からも出たくない。
外に出たくない。


頭をさらに毛布の真ん中まで押し込んですっぽり体を丸めてもアラーム音は聞こえてくる。
うるさい、マジで。


「ぅるせー、ホント勘弁しろ…くそっ!」


消さないとイライラが増すんだけど、昨日帰ってきて不貞腐れて呑みまくった頭にガンガン響くんだけど、とにかく外に出たくない。外は嫌だ。


世の中は、良いものばかりじゃないから。





「チャンミン?アラーム消しちゃうよ」

「、、、」



そんな最悪の朝、この世で最も良い声を聞く。


「え、は、ユノ?え、なんで?」


目が覚める。腕をぶんぶん左右に振ると、左に男の胸筋がクリーンヒット。布越しに「ぐえっ!」って聞こえて、慌てて毛布から顔を出した。
隣に寝そべる彼が、この世で最もふやけた寝ぼけまなこで僕の額を小突く。


「…。お前が呼び出したんだろおっ、こら。笑」



僕のこと、大好きで仕方ないって


顔に書いてある笑顔で。



「……そうだっけ?笑」

「そうだろっ。昨日酔っ払って俺に電話かけてきたじゃん。それで来て早々、…押し倒してきたろ…」

「ぶっ!僕がそんな事するわけないっ」

「したから!突然、『ユノが羨ましい。うー、ごめんねー!』って電話きたと思ったらそのままブツっと切るから、」

「それ呼んでないじゃん」

「何かな?と思って来てみたら、めっちゃ可愛く『ユ~ノにマッサージしゅるる~』なんてものすごい愛嬌言って、」

「(スルーされた。笑)くくっ♪それで?」

「思わずベットまで付いていって、そのまま、チャンミンの誘うまま…」

「あー。酔っ払いの言うこと、断らなかったの?それってユノもしたかったってこと?ユノは僕の虜なの?笑」

「お前ねっ。そうだよ!笑」


毛布やら、ずり落ちそうになってるシーツやらタオルやら、をめくったら。
真っ裸だね、確かに。笑える。ウケる。

ユノの「そうだよ」が、すっごい嬉しくて。

ガハガハ笑ったら、ユノが仕方ないなって笑いながら、布団を掛け直してくれた。寒いから気を付けてって。自分も裸のくせに。僕のために。


「ユノも布団に入って」

「俺は大丈夫。暖房つけてくるな?」


「良いコ」と言われながらユノの左手に頭を撫でられて、くすぐったい。
せめてパンツくらい履けばいいのに、本当にフルチンの裸足でぺたぺた移動するから、大雑把が過ぎてこっちが申し訳ない。だってユノが寒いでしょう?でも目で追ったボサボサ頭は、ただ可愛い。空調管理のタッチパネルを一つ押すだけなのに、適当に何でもピコピコ押しちゃってたじろぐ姿がまた可愛い。めちゃくちゃ格好良い人なのに可愛い。でも覗き見るユノの横顔は、やはり世界で一番格好良い。

その、この世で最も良い男はベットへ戻ってくるだけでも騒がしい。細く差し込んだ朝日さえ見事に背負うんだから。まったく。

眩しくて、お世辞じゃなく神々しくて。
綺麗。

僕と目が合うと、ニヤリと口角を上げて感嘆の呼吸をつくから、(しまった、見惚れてるのがバレた…!)と思ったのに、


「ああ…今日も格好良いね、チャンミン」






この人には、敵わない






「ユノの方がめっちゃカッケー!」

「ええ…ははっ!ありがとう。笑」





世界最高





「もうちょっと寝よう?ユノも入って」

「チャンミン今日オフだっけ?」

「いいや、でもユノはオフでしょ。もう少しだけ」


布団に招いた体はとても冷たくなっていた。
足を絡ませて、ふざける振りして摩ってもとてもとても冷たくて。ユノの鳥肌に胸がいっぱい。

とてもとても、あたたかさを感じる。


「ああ~僕もう、部屋が暖まらないと布団から出れない~。仕事行けない~まだ寒い~。ユノ、湯たんぽ代わりになって~あっためて下さ~い~」

「まだかあ?」

「…まあ、いいじゃないっすか」


そう言えばユノはギューっと抱き締めてくれるから。冷えたユノの身体が、せめて僕の身体であったまってくれたらいいと思う。


「ほら、やっぱチャンミンの方があったかいぞ?」

「いいえ、ユノの方があったかい……」



ユノの心のあたたかさは、

僕に色んな事を気付かせてくれる。



「実は昨日……ちょっとミスをなすりつけられて…嫌だなって人がいたんだけど、」

「うん」


優しい相槌が、僕を抱き締めてくれる。


「彼は彼なりの理由が何かあって、もしかしたら昨日…彼にとってはとても辛い一日だったのかもしれない」

「ふう~ん」


理由なく僕を嫌う人は確かにいるけれど、もしかしたら僕の努力や誠心誠意がその人達にとってはとても腹立たしい、傷付けてしまう姿なのかもしれない。でもだからって、僕も引けない。僕は僕の信じる最善で生きてゆきたいから。


「例えば最愛の婚約者にフラれた直後で、何もかも投げ出したい日だったのに。歯を食いしばって仕事してたのかもしれない」

「それは辛いな……」

「いや、僕の空想だけど」

「ほお」

「だから…つまり、僕が感じた彼の嫌な態度も、彼の単なる断面に過ぎない。それだけで彼のことを判断するべきじゃない。そう思いやれば良かったなあと。彼の背景も考えて、どんな可能性も視野も広げて…もっと丁寧な対応で僕が応えていれば、良かったあって…今日は反省してる」



抱き締めて



抱き締めて



「チャンミン、スゴい。ほんと大人になった。本当に格好良い」


貴方の腕と言葉に包まれて、


「腹筋もバキバキでヤバいね。格好いい♡」

「さーわーるーなー。笑」

「え~いいだろっ、今は二人きりだしっ」


掌と香りに包まれて、


「よく鍛えてて、一生懸命やる事やってて、偉い。何事にも努力家で、凄い。チャンミン見てたら、俺もさらに頑張るぞー!って気持ちになる」

「あー、僕はユノのこれ以上の情熱に当てられて、僕が燃え尽きやしないか不安です…笑」

「あはーはー!ほら、すっごい面白いし!笑」


笑顔とやる気に包まれる。


「ビジュアルも最高に格好良いじゃん♡メイクしてないのに本当に格好良い。言うのはちょっと恥ずかしいけど…見てて、俺ドキッとする事たくさんあるよ。それにチャンミンの目は、世界一綺麗……」



ユノに身も心も抱き締められると、



「チャンミンは、良いもの全部持って生まれてきたんだね」


























なんかね、無性に泣きなくなるの






優しい気持ちになるの、すごく














首を振ってこれは参りましたって仕草で、


「……。っ、んん~~♪」


誤魔化すけどね。


「ああ!その愛嬌も可愛いっ♡」

「ぶぉふおっ!」


ピッチャー返しで爆発しちゃうけどね。


「…っ、どうも……。でも、ユノが凄く凄く格好良いから、僕はとても羨ましくなる時があるんですよ。よく頼ることもあるし、…昨日は電話してごめんね?」

「全然。めったにないから、嬉しかったって」


チュッてやって、チュッてやられて。
額をこつんと合わせてまたチューとキスを交わした。ここはもう、幸福の渦の中。
目まぐるしく、僕を駆り立てる。
外へ。世の中へ。今日という一日へ。


「今日は?ユノは?友達と遊ぶの?」

「そう。今日はちょっと遠出しようかって皆で言ってる」


僕はまずはシャワーを浴びよう。
睦み合った感覚の残る身体をリセットしよう。


「最近急に寒くなってきたから、風邪引かないように厚着して。気を付けてね。明日は朝一でスタジオ入りですよ」


毛布から抜け出す。もう寒くない。
二日酔いもなし。よし。
さあ、進め。


「おう、ありがと。チャンミンもな?」

「ん」


最後にもう一度ユノに飛びついて力いっぱい唇を重ねたら、ユノは痛がりながらも大笑い。顔赤くして。これは参ったわって仕草で、苦笑してた。


「チャンミン、今日もファイテン!」

「イエスっ」




さあ、行くぞ






SSおはようございます。ちょっぴり二の足を踏んでしまいそうな朝に。
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片割れ chap.12 #20








______C.side______






一生貴方が、思い出しませんように










僕と愛し合った時間を消して


どうか苦しむ事なく


どうか違う誰かと幸せに


笑って生きて








貴方が幸せなら、僕は本当に嬉しい


























そう確かに願っているはずなのに、


心の底から思えない自分が、憎い。









僕ばかり苦しくて、

僕ばかり悩んで、

僕ばかりが離れられずにもがいてる。


いっそ僕も忘れようと努力してみても、気付くと貴方が捨てた思い出を必死で拾い集めて抱きかかえてる自分がすごく嫌だ。


未練がましくて、惨めったらしくて、情けない。






ねえ、



















戻ってきてよ






お願いだからまた戻ってきて欲しい



くだらない事で笑い合ったり、些細な事で大喧嘩したり。自分より大切に思った瞬間も、本気で憎くなった日も。身体で感じ合えた感情も、あの不可思議なノスタルジーも、全部。


恋しくて堪らない。忘れられるわけがない。



僕を甘やかす三日月形の目だって、握った綺麗な指先だって。抱き締められた腕の強さと、夜の汗。僕を最後まで守ってくれてた、大きな背中。





男同士だから何なの?
メンバーだから何なの?




僕は絶対離れられない。

僕はどうしても離れない。




自分が引き裂かれたみたいに痛くて、辛い。





















もう一度振り向いて


今度こそちゃんと言うから










ねえ、お願いします




僕のところに戻ってきて






戻ってきてよ、ユノ


























…………なんてね。









































______Manager.side______






やっぱり二人でも





いや、このTOHOSINKIこそ











最高











「お疲れ様!!!」


ソウル公演の二日目もようやく終わった。ライブ中、ライティングのセットミスやステージ移動時のセキュリティの不安定さ、さらには曲が止まってしまうなんてトラブルもあって冷や汗が絶えなかったが何とか乗り切った。ロゴ入りの黒いTシャツをぐっしょり滴るほど濡らしたユノとチャンミンが舞台裏の連絡通路へ帰ってきた。裏方のスタッフが総出の拍手で迎える。


「良かったよ!」「お疲れ様です」「本当に良かった!最高!」「カッコよかった!!」「お疲れい!」「最高に素敵なステージでした!」「We are T!笑」「お疲れ様!」


二人は汗と水で張り付いた髪の毛を振るいながら、ハイタッチで列に応えて行く。俺も労いの言葉を掛けずにはいられない。


「お疲れ様!良かった!本っ当にカッコよかった!!」


ユノが満天の笑顔で、ホッと息を吐くようにハイタッチを求めてきた。受け止めた掌の重さに、胸が熱くなる。「歌も踊りも物足りないと思われたくない。やるなら前のTOHOSINKI以上に、良いものにしたい」と、リハーサル中ずっと言い続けてたユノの厳しい顔が、こんな時に限って鮮明に思い出される。感動。胸にグッとするものがある。勢いに任せてユノを抱き締めた。


「良かった…っ。TOHOSINKIがお前達二人で、本当に良かった…!」


観客やダンサーと心から楽しんで、はしゃいで、イタズラっ子で、誠実で、力強くて、格好良い。

TOHOSINKIが


U-KnowとMAXで、本当に良かった。


「マネヒョン、ありがとう」


ユノの優しい声が耳元に広がって、今までの緊張が雪解けを起こす。

公演チケットは販売開始三分でソールドアウトした。去年の再始動カムバックもヒットチャート入りの予想以上の応援を貰った。日本ツアーも大成功した。秋に出した第六集のアルバムも上々。フェスも歌謡祭も事務所イベントもテレビ番組もばんばん出て知名度も上げた。
でも、本拠地韓国で過去曲と日本語曲を網羅しながらの二人きりの初単独公演。もちろん演出も構成も気が狂いそうなほど考えに考え抜いたものだけど。


不安がないわけじゃ、なかったから。


「よし…よし……!もう二人でTOHOSINKIだ!」

「うん、二人が慣れてきた。今はチャンミナと二人でやるのが当たり前。にゃはは♪」


その『当たり前』にするために、

二人がどれほどの努力と苦労をしてきたと?


たぶんきっと、これからも戦い続けることになるだろうユノとチャンミンを力いっぱい全力でサポートしていく。そんな熱い思いを噛み締めながらもう一度ユノと抱きあおうとしたのに、ユノはするりと応援に駆けつけてくれた後輩のエクソのメンバー達の所へ嬉しそうに歩みを変えて行く。俺との熱量の違いに肩透かしを食らったようで、少し寂しい。

「おいっ。明日のスケジュールと、それと新しくドラマ決まったからな、来年の!ドラマの内容、後で確認するからな?分かったか、ユノー?」


ユノに急かされて入れたミュージカルの移動時間確認と厳選したドラマ出演の仕事。こっちを振り向かせたくて、別に今伝えなくても差し支えない案件をユノの背に呼び掛けたが、今はもう後輩達しか見えてないようで、全く聞こえてない様子だった。どこか抜けてて、実にユノらしい。笑える。


「ったく。笑」

「マネヒョ~ン」

「お!チャンミン、お疲れ様!!良くやった!凄く良かった!お前は最高で最強だ!」

「しゃ!!」


マンネの“ 構って欲しい”とでも言うような舌っ足らずな呼び声にも、当然最高の褒め言葉で応える。すると途端に男らしさ全開の発声をしてハイタッチを交わしながら喜ぶ。そこへ総合振付師のジェウォンもやって来た。


「こら、チャンミン!一人用トロッコで移動する時バーに乗り上げて座ってたでしょ。あんなの止めてよ。人力だし強度もないし、こっちは落ちるんじゃないかってヒヤヒヤもんだったんだよ?」

「そんなあ。また怒られたあ、あはははははは♪」


気になった点をやんわり注意されるとまたニカニカ、音が出そうな笑顔のチャンミンに戻るから、俺もジェウォンも可愛くて仕方ない。自然とこちらも笑顔になる。


「でも僕、やっぱりソロ曲変えたいです」

「……は」「……え」


突然。あの血と汗と涙で作られたセットリストをまた変更しなければならない恐怖の気配を感じて、緩んだ顔のまま、俺たちは不自然に止まってしまった。


「だって、昨日今日とステージの上から見てて、やっぱりユノヒョンのソロ曲と比べたら反応薄いんですよね」

「…」「…」


そりゃユノの『Honey Funny Bunny』は今年の日本ツアーで熱狂的な盛り上がりを見せていたから、今回のワールドツアーでの期待値もかなり高い。甘美で可愛く、お茶目な所を入れながらも全体は妖艶でセクシーな歌詞と振り付けだから、まさにユノのための名曲だ。誇張じゃなく世界中のペンが今か今かと楽しみにしている。


「……。いや、でも、良かったぞ…?声も綺麗に通ってたし……」


真面目な顔で適切な意見をライブ直後に言わないで欲しい。それはまたミーティングの時にでも……とにかく少しくらい余韻に浸らせて欲しいのにチャンミンは止まらない。


「主役をやったドラマの挿入歌だし再始動時の発表曲だからこのツアーで歌うのが妥当だっていうのは分かるんですけど。正直インパクトがないんだと思います」

「はあ、、でも…直前の映像から繋がる恋愛要素のある曲じゃないと…またミーティングで検討し直してどうするか、かな…」


もごもご言葉の端が濁っていくジェウォンも同じ意見だと察して、すかさず俺も加勢する。


「いや、それにお前。自分が作詞したソロ曲なのにそんなあっさり変えられないだろ?だからこそ聴きたいペンがいるってことも考えないと。とりあえず今日は無事終わ…」

「なんかあの曲は、精一杯後悔ないように歌えはするんですけど…。結局初恋の実体験から想像して書いたものだから、今の自分だと全然気持ちが入らないんですよ」

「……まあ、、」「チャンミン……」


ユノのことで頭がいっぱいなんだって、別の『告白』をしてるってこと。

この子は分かってるんだろうか?


「プロ失格かもしれませんが、プロだからこそ、その都度自分のコンディションを見極めて、その中でベストの状態で表現できる歌を提供しないと、聴いてくれる人達に対して申し訳ない気がします。だからって、このツアーでもう歌わないってことじゃなくて。気持ちが安定して入れられると思えば歌いたいし、あくまで選択肢の一つというポジションにしたいんです」

「………」


歌手として成長が窺える反面、どん底に重い提案。俺はついに何も言えなくなってしまった。代わりにジェウォンが糸口を見つけてくれた。


「じゃあ…せっかくワールドツアーなんだし、……。うん、国ごとに選曲してみる?チャンミンは英語は歌ならいけるし。中国語も少しは勉強してたし発音も悪くない、時間が許される限りチャレンジしてみてもいいかも」

「やってみたいです。ちょうどビクトリアもエンバも今日来てくれてるんで、中国アメリカで親しまれてる曲でツアーに嵌りそうなものがあるか聞いてみましょうか」

「それいいね。あと事務所の音楽チームにも聞いてみよう」


そう言い残してチャンミンとジェウォンは、アラも含めた女子三人とスタッフ達の輪へ近付いて行った。


「……」


技術や声域の振り幅は確かに大事だけども。どうしようもない想いを抱えてる時ほどそれを曲に乗せることができれば、より多くの人々が感銘を受けてくれる。そういう経験が歌手として大成する道筋だと思えば、チャンミンにとって唯一の救いになるかもしれない。


「そうだよ…前から興味は人一倍あったしな……。間に合うようなら、選考にチャンミンも入れてもらえるか聞いてみようか……」


後輩グループのアルバム制作が思うように進んでないと頭を悩ませていたレコーディングプロデューサーの姿がふと思いついた。今のチャンミンならコンセプトにも十分沿えるものができるかも。


「……。ふっ、俺は本当に仕事人間だな…」


ゆっくり休ませてやりたい。そうは考えているのに、どうして結局は二人を休養させられないのか。自分でも辟易するほどユノとチャンミンを働かせているのは分かってる。詰まるところ、TOHOSINKIというブランドを支えたい。俺にはその信念しか、もう揺るぎないものがない。



打ち上げに行く者を募る明るい声、舞台セットを撤去する騒がしい足音。ピン切りの関係者がごった返す廊下を進み、非常口付近の片隅で待機されているユノのご両親を見つけて挨拶を交わす。あまり時間がないことだけ伝えて、小さなミーティングスペースへご案内した。ステージを観て、夫と話しあって光州に帰る前に改めて話したい事があると言われていたから。


「…。お母様、今までサポート頂いてありがとうございました。今日のライブ、いかがでしたか?」

「素晴らしかったです。招待される度、ユノが素晴らしいスタッフの方達に支えられてこそあのように輝けるのだと実感します」

「ありがとうございます。私も、これからもずっと全力でユノ君を支えていきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します」


さらに丁重な挨拶を重ねて、お父様が辛酸をなめるように話を切り出した。


「今更、遅過ぎるお願いなんですが……」

「はい」





『異常』とか、『間違ってる』とか、


愛し合ってるだけなのに常に周りのこと考えて悩んで、行動して。開き直るわけでもなく、それでも否定されれば誰も恨まず、自分達で全部、苦しんで苦しんで、泣き病んで、責任を負って、記憶を消して、


そういうユノとチャンミンの姿を見てから言ってくれ。


『正常』とか、『正しい』とか、





根本から揺らいで、吹き飛ぶから







そう、思うようになってしまった。



「もし……その……、二人がこれからまた、、ユノが今までの事をバッと思い出して、チャンミン君と前のような仲に戻るようなことがあったら……その時はそっと、……そっと静かに、放っておいてやりませんか?過ちかどうかは……二人のことは二人に…決めさせてやりませんか?」



俺も、


そう願ってしまいました。



「そうですね……不道徳だとか気の迷いだとか、色んな原因で否定して、時が過ぎれば笑い話にすらなるとか説得し続けて………でも結局これらは自分の価値観なんですね、他人に押し付けられるものじゃない。そんな事さえ、ユノ君があんな状態になって初めて気付いたんです、私。……私は酷いマネージャーです……」


そんな事はないと、むしろご心労かけて申し訳ないとお父様もお母様も涙ながらに謝って下さる。そうすると私も自分の管理不足だと謝りたくなる。常識や秩序に流れそうになる。謝るべき相手を見失う。

本当に頭を下げなければいけない相手は、


「やっと後悔して、もっと始めから受け入れてやれば良かったとか、クビが飛んででも盾になって守る覚悟はなかったのかとか。今度は自分を責めて、後悔ばかりです。後悔しても、もう遅いのに……」


もういないユノだ。


「ユノ君がチャンミンを愛した記憶は、恐らく彼らがTOHOSINKIで居続ける以上、戻ることはないでしょう」

「そんな……っ、、どうにか、いつかは…もど、戻りますよね……?」


安堵されると思った予想に反して、ユノのお母様はよほどショックなのか、チャンミンならと腹を括っていたのか、腰を抜かされてしまった。お父様とすぐ側の椅子へ座るよう促したが、顔を歪めて泣きじゃくる。


「ユノは、チャンミン君じゃないと…っ、ユノにとってチャンミン君は、きっとユ、ユノの魂みたいな存在なんです…!絶対思い出します…っ。あん、あんなに私達へ敬意を払ってくれる息子はいません、っ、ユノの幸せを私はっ、祈ります…っ、」


俺も涙が滲む。


本当に大切なものは、目には見えない。
何の固定概念にも捕らわれず自分の心のみで見れば、真理はこんなにも明解に見えたのに。


「ユノ君にとって、今が一番心地よい状態なんだそうです。これを心理学で、防衛機制というそうです。自我を守るための脳の働きらしいんですが。真面目で情熱的、あとストイックな人間の脳に起こりやすいと、私の知人の心理学研究員が教えてくれました」


でも見えたところでイバラミチ。


絶望しか、足場がない。



「チャンミンには初めから変な刺激をするなと言われてましたが、私は無理にでも思い出させた方がいいのかと思ってました。でもそれは本人にとって、とても危険なことなんだそうです。チャンミンは本当に、ユノ君のことをよく分かってるんです」







まるで自分の半身みたいに




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